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第2章 ダンジョン攻略前編
第31話 復讐
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逃げるカエルを僕は気づかれないように追いかけた。
恐らくカエルは、僕が行ったものとは思っていないだろう。
正体不明の不気味な存在。
おそらく、あの獣人の戦士に狙われたと思っているのかもしれない。
カエルは間違いなく住処に戻り、長や他のカエルに今起きたことを話すだろう。
用心深い長たちはほとぼりが冷めるまで、隠れて姿を現さないようになるかもしれない。
そうなると、彼らを見つけることは困難だ。
カエルが住処に帰った直後、まさに今しかチャンスが無いのだ。
30分ほど追いかけた後、カエルは沼のほとりにたどり着いた。
この沼も今まで見た沼と同じように毒々しく、水面が紫色に濁っている。
鼻をつんざくような硫黄臭は相変わらずだ。
カエルたちはこの手の沼が好きなようだった。
カエルはぽちゃんと沼に飛び込み、そのまま深く潜ってしまった。
カエルが潜った後、水泡が3つか4つ水面に浮かんだが、すぐに消えてなくなった。
しばらく待っても、カエルたちの動きはない。
予想してたように彼らはこのままだんまりを続けてしまうのだろうか?
しかし、それでは僕の腹の虫は収まらない。
もう一人の僕が、「殺せ、殺せ」と騒ぎ立てるのだ。
警戒心の強いカエルたちのことだ。
僕がここで騒ぎ立てても、決して沼から出てこないだろう。
かと言って、僕が沼に潜ることは出来ない。
水中の中の彼らを、おびき寄せるようなスキルも持っていない。
現実的に僕に出来そうなことは何もないのだ。
僕はアバターリストを開き、使えそうなアイテムを探した。
僕のアバターポイントはすでに5万P以上になっている。
おそらく人間を食べまくったことが大きいのだろう。
しかし今の僕のポイントでは、カエルをおびき寄せられそうなものは購入できなかった。
ザァー
突然強い雨が降り、風が吹き出した。
スコールだ。
この階層ではなぜか、雨も風も雷もある。
今回で3回のスコールを経験しているが、どうしてもダンジョン内で雨が降るという環境にはなじめない。
僕は木の陰に隠れようとしたその時、
ゴロゴロピッシャーン!
雷が僕からそう遠くない場所に落ちた。
激しい音が空気を振るわせ、衝撃で地面が揺れる。
これだ!
雷を使うんだ。
僕はアバターリストから使えそうなものを再度探すと、なんと避雷針が載せられていた。
創作者はこんな状況も想定していたのだろうか?
僕は避雷針と銅線を5セット購入し、沼の近くにセット。
銅線を沼の中へと垂らした。
ゴロゴロピッシャーン!
避雷針に落雷し、目で見えるほどの青白い電流が銅線を伝い沼の中へと降り注いだ。
ピッシャーン!
別の避雷針にも雷が落ち、沼に強力な電流が注ぎ込む。
すると沼の水面に白い物体が浮かび始め、それが沼全体を覆っていった。
カエルたちだ。
お腹を上にして逆さに浮かび上がった彼らは、すでに息絶えているようだった。
全員が死んでいる訳ではない、沼の中からほとりへと這いあがってきたカエルたちもいた。
およそその数50匹。
一番最後に長も姿を現した。
僕は復讐が出来ると心の中で小さくガッツポーズしていた。
僕の姿を確認すると、カエルたちは明らかな敵意を持って襲いかかってきた。
もちろん待っている間、何も用意しなかった訳ではない。
突進してきたカエルたちのうち何匹かは僕が仕掛けた落とし穴に落下し、バンジースティックで串刺しにされた。
もはやカエルたちも僕にとっては敵ではなくなった。
僕は【隠密】を使用しながら、カエルたちの集団に飛び込んだ。
カエルたちの悲鳴も雷鳴にかき消される。
僕は高速移動しながら、ワイヤーで彼らの首を切り落とし続ける。
すでに雷でダメージを受けていた彼らは、僕の動きを捉えることは出来ないのだ。
レアスキル【暴食】は混戦にこそ効果を発揮する。
僕が口を開くたびに、5~6匹のカエルが僕の体内に吸収される。
これでLv1というのが驚きだ。
実はチートスキルの1つかもしれない。
呪いLv6もカエルたちには有効だ。腹部に小さな爆発を起こし、内臓ごと破壊する。
1匹ずつではあるが確実にカエルに死を与えられるのだ。
ある程度カエルを倒しまくった後、僕は暗黒魔法【フィアー】を使用。
少々詠唱に時間がかかることは難点だが、カエルたちの恐怖心を煽り、戦意を喪失させた。
もちろん戦意を喪失しようが、僕が彼らを許す訳はない。
身動きの止まったカエルたちは格好の餌。
僕は【暴食】で彼らを全て食べつくした。
1匹だけ残された長老。
怯えたような表情で僕の方を見ている。
僕にレアアイテムを差し出して、命乞いをする長。
僕は彼からアイテムを強引に奪い取り、怯える長をじっと見つめる。
こんな小さいやつだったのか?
初めて僕に出会った時の威厳のある長とはまるで別物。
僕よりも一回り以上大きな長であったが、僕にはとても貧相にしか見えなかった。
僕は口を大きく開け、彼を頭から食べ尽くした。
いつの間にかスコールが止んでいる。
辺りは再び静けさを取り戻したようだ。
騙した相手への復讐を達成したが、何の感情も沸いてこない。
嬉しくも悲しくも何とも無いのだ。
敵を殲滅し、その首魁を食べた。
ただそれだけだった。
僕は長から手に入れたレアアイテムを【鑑定Lv5】で確認した。
【※※※】
レアアイテム。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※。
確認できない。もう一度使ってみよう。
【鑑定Lv5】がLv6になりました。
【鑑定LV6】がLv7になりました。
調べるだけで、鑑定Lvが上昇する。よほど貴重なアイテムのようだ。
【獣神の宝玉】
レアアイテム。持っているだけでも獣神のごとき力を授かることが出来る。※※※※に行くためのカギとなる。
・・・!?
これはやばそうなアイテムのようだ。
獣人の戦士が狙っていたのは、カエルの素材じゃなくてこのアイテム?
そのためにカエルしか狙っていなかったのかもしれない。
だとすると今後狙われるのは僕!?
獣神の宝玉は、眩いばかりの赤白い輝きをはなっている。
レアアイテムとしてだけではなく、宝石としても非常に価値がありそうだ。
僕はレアアイテムを箱の中に収納し、この場を急いで離れたのだった。
恐らくカエルは、僕が行ったものとは思っていないだろう。
正体不明の不気味な存在。
おそらく、あの獣人の戦士に狙われたと思っているのかもしれない。
カエルは間違いなく住処に戻り、長や他のカエルに今起きたことを話すだろう。
用心深い長たちはほとぼりが冷めるまで、隠れて姿を現さないようになるかもしれない。
そうなると、彼らを見つけることは困難だ。
カエルが住処に帰った直後、まさに今しかチャンスが無いのだ。
30分ほど追いかけた後、カエルは沼のほとりにたどり着いた。
この沼も今まで見た沼と同じように毒々しく、水面が紫色に濁っている。
鼻をつんざくような硫黄臭は相変わらずだ。
カエルたちはこの手の沼が好きなようだった。
カエルはぽちゃんと沼に飛び込み、そのまま深く潜ってしまった。
カエルが潜った後、水泡が3つか4つ水面に浮かんだが、すぐに消えてなくなった。
しばらく待っても、カエルたちの動きはない。
予想してたように彼らはこのままだんまりを続けてしまうのだろうか?
しかし、それでは僕の腹の虫は収まらない。
もう一人の僕が、「殺せ、殺せ」と騒ぎ立てるのだ。
警戒心の強いカエルたちのことだ。
僕がここで騒ぎ立てても、決して沼から出てこないだろう。
かと言って、僕が沼に潜ることは出来ない。
水中の中の彼らを、おびき寄せるようなスキルも持っていない。
現実的に僕に出来そうなことは何もないのだ。
僕はアバターリストを開き、使えそうなアイテムを探した。
僕のアバターポイントはすでに5万P以上になっている。
おそらく人間を食べまくったことが大きいのだろう。
しかし今の僕のポイントでは、カエルをおびき寄せられそうなものは購入できなかった。
ザァー
突然強い雨が降り、風が吹き出した。
スコールだ。
この階層ではなぜか、雨も風も雷もある。
今回で3回のスコールを経験しているが、どうしてもダンジョン内で雨が降るという環境にはなじめない。
僕は木の陰に隠れようとしたその時、
ゴロゴロピッシャーン!
雷が僕からそう遠くない場所に落ちた。
激しい音が空気を振るわせ、衝撃で地面が揺れる。
これだ!
雷を使うんだ。
僕はアバターリストから使えそうなものを再度探すと、なんと避雷針が載せられていた。
創作者はこんな状況も想定していたのだろうか?
僕は避雷針と銅線を5セット購入し、沼の近くにセット。
銅線を沼の中へと垂らした。
ゴロゴロピッシャーン!
避雷針に落雷し、目で見えるほどの青白い電流が銅線を伝い沼の中へと降り注いだ。
ピッシャーン!
別の避雷針にも雷が落ち、沼に強力な電流が注ぎ込む。
すると沼の水面に白い物体が浮かび始め、それが沼全体を覆っていった。
カエルたちだ。
お腹を上にして逆さに浮かび上がった彼らは、すでに息絶えているようだった。
全員が死んでいる訳ではない、沼の中からほとりへと這いあがってきたカエルたちもいた。
およそその数50匹。
一番最後に長も姿を現した。
僕は復讐が出来ると心の中で小さくガッツポーズしていた。
僕の姿を確認すると、カエルたちは明らかな敵意を持って襲いかかってきた。
もちろん待っている間、何も用意しなかった訳ではない。
突進してきたカエルたちのうち何匹かは僕が仕掛けた落とし穴に落下し、バンジースティックで串刺しにされた。
もはやカエルたちも僕にとっては敵ではなくなった。
僕は【隠密】を使用しながら、カエルたちの集団に飛び込んだ。
カエルたちの悲鳴も雷鳴にかき消される。
僕は高速移動しながら、ワイヤーで彼らの首を切り落とし続ける。
すでに雷でダメージを受けていた彼らは、僕の動きを捉えることは出来ないのだ。
レアスキル【暴食】は混戦にこそ効果を発揮する。
僕が口を開くたびに、5~6匹のカエルが僕の体内に吸収される。
これでLv1というのが驚きだ。
実はチートスキルの1つかもしれない。
呪いLv6もカエルたちには有効だ。腹部に小さな爆発を起こし、内臓ごと破壊する。
1匹ずつではあるが確実にカエルに死を与えられるのだ。
ある程度カエルを倒しまくった後、僕は暗黒魔法【フィアー】を使用。
少々詠唱に時間がかかることは難点だが、カエルたちの恐怖心を煽り、戦意を喪失させた。
もちろん戦意を喪失しようが、僕が彼らを許す訳はない。
身動きの止まったカエルたちは格好の餌。
僕は【暴食】で彼らを全て食べつくした。
1匹だけ残された長老。
怯えたような表情で僕の方を見ている。
僕にレアアイテムを差し出して、命乞いをする長。
僕は彼からアイテムを強引に奪い取り、怯える長をじっと見つめる。
こんな小さいやつだったのか?
初めて僕に出会った時の威厳のある長とはまるで別物。
僕よりも一回り以上大きな長であったが、僕にはとても貧相にしか見えなかった。
僕は口を大きく開け、彼を頭から食べ尽くした。
いつの間にかスコールが止んでいる。
辺りは再び静けさを取り戻したようだ。
騙した相手への復讐を達成したが、何の感情も沸いてこない。
嬉しくも悲しくも何とも無いのだ。
敵を殲滅し、その首魁を食べた。
ただそれだけだった。
僕は長から手に入れたレアアイテムを【鑑定Lv5】で確認した。
【※※※】
レアアイテム。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※。
確認できない。もう一度使ってみよう。
【鑑定Lv5】がLv6になりました。
【鑑定LV6】がLv7になりました。
調べるだけで、鑑定Lvが上昇する。よほど貴重なアイテムのようだ。
【獣神の宝玉】
レアアイテム。持っているだけでも獣神のごとき力を授かることが出来る。※※※※に行くためのカギとなる。
・・・!?
これはやばそうなアイテムのようだ。
獣人の戦士が狙っていたのは、カエルの素材じゃなくてこのアイテム?
そのためにカエルしか狙っていなかったのかもしれない。
だとすると今後狙われるのは僕!?
獣神の宝玉は、眩いばかりの赤白い輝きをはなっている。
レアアイテムとしてだけではなく、宝石としても非常に価値がありそうだ。
僕はレアアイテムを箱の中に収納し、この場を急いで離れたのだった。
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