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第2章 ダンジョン攻略前編
第27話 カエルからの依頼
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カエルによって運ばれている間、僕は周囲の環境を注意深く観察していた。
このフロアはとても広大、まるで本当のジャングルに迷い込んだように感じる。
カエル達に運ばれてから2時間以上は経過しただろうか?
マッピング機能を使用しても、全く地図が埋まるような様子すらない。
カエルたちは無言で道を急ぐ。
彼らの機動力はさすがの一言。
地面がぬかるんでいようが、太い蔦が密集しているスポットであろうがそのペースは変わらない。
僕より一回り以上大きいカエルたちが、集団で跳ね進む姿はまさに圧巻だ。
しかし、一体どこに連れて行かれるんだろう?
長とは一体?
カエルたちが立ち止まった場所は、沼のほとり。
沼は毒々しく濁っており、鼻を突き刺すような硫黄臭が充満している。
沼を取り囲むように、蔓足の長い樹木が生い茂り、周りは薄暗く空気すらも淀んでいるように感じる。
地面に降ろされた僕は、今から何が始まるのかと不安が強くなっていった。
ふと沼の方を見ると、いつのまにか水面には無数の目が出現していた。
ほとりで待機するカエルたちは、一斉にゲコゲコと鳴き声を上げ始めた。
静かな沼のほとりにカエルたちの鳴き声が響き渡る。
それと同時に、沼に浮かんでいた大勢のカエルたちがその姿を現し始めた。
沼のほとりがカエル一色に埋め尽くされる。
100匹近いカエルが僕を中心に取り囲んだのだ。
一体何が始まるんだろう。
僕は身動きせず、そのままただの宝箱であり続けた。
一匹のカエルが僕の方に近寄ってきた。
他のカエルたちにどよめきが起こる。
おそらく彼が「長」なんだろう。
他のカエルよりも一回りほど小さく、全身に多数の傷跡が見られる。
ただ、感じられるオーラのようなものは、他のカエルたちにはないものだった。
彼は周りの反応を気にも止めず、僕の目の前で歩みを止めた。
先ほどまで、ゲコゲコ鳴いていたカエルたちも鳴くのも止め、沼のほとりは再び静寂を取り戻した。
(ミミックさん、食べて欲しい奴がおるんじゃ)
長の思いが僕の頭に流れ込む。
カエルたちには、すでに僕がミミックということがバレていたようだ。
それよりも食べて欲しい奴って?
僕は宝箱の蓋を開け、長の顔をしっかりと確認した。
カエルに表情があるかどうかは分からないが、長は今正直に話している気がする。
長は僕の反応に構わず、彼の意思を示し続けた。
長の話をまとめるとこうだ。
彼が食べて欲しいといった相手は獣人族の戦士。
パーティーを組まず、ソロで活動しているらしい。
彼が3階層に現れたのは、3か月ほど前。
スワンピィツノガエルばかりを狙い、舌を切り取って袋に大量に詰め込んでいるようだ。
おそらく素材を集めているのだろう。
もちろん黙ってやられるカエルたちではない。
群れを組んで反撃するも、皆一刀の下に殺されてしまうらしい。
すでに何十匹も彼に倒されているそうだ。
しかし、それだけ倒しても彼の狙いはカエルから変わらない。
執拗にカエルばかりを狙い続けてくるのだ。
彼が唯一カエル以外に興味を示すのが宝箱。
宝箱の中身だけでなく、宝箱自体にも興味を示していたらしい。
カエルたちは元々はミミックを探していたのではなく、見つけた宝箱に罠を仕掛けようとしていたようだ。
また、声をかけたミミックは僕だけではないらしい。
他のミミックにも依頼をしたようだが、どのミミックにも相手にされなかったようだ。
長の依頼は、獣人の男を食べることと、その男が所持しているカエルたちの舌を持ち帰ること。
報酬は他では手に入らない彼らだけが持つレアアイテム。
どんなアイテムかは倒してからとのことだ。
特に期限は設けられていないが、早ければ早い方が良いとのこと。
獣人の戦士を倒すまでの間、カエル2匹を護衛につけてくれるというのだ。
僕にとっては悪い話では無かった。
また、意思疎通が出来たことが嬉しかったし、頼られるのもどこか誇らしかった。
僕は身振り舌振りで意思を伝え、この依頼を引き受けることになった。
(ミミックが依頼を受けるって何か変な感じ)
意思疎通が出来つつあるのは、僕にとっても嬉しいことだ。
上手く利用できれば、戦闘も大幅に解決出来る。
もしかするとその獣人の戦士とも上手くコミュニケーションが取れるかもしれない。
僕は長たちと分かれて、獣人の戦士を探し始めた。
ただ、カエルたちを瞬殺できる彼には、今の僕では歯が立たないだろう。
また、ジャングルでの戦いにも慣れていない。
獣人の戦士と戦う前に、十分な準備が必要だろう。
早速僕のボディーガードたちの力も見ておこう。
【スワンピィツノガエル】
Lv 30
HP(体力):5500
MP(魔力):600
SP(スキルポイント):2800
筋力:2200
耐久:1000
知力:1800
器用:1400
俊敏:3300
運:2000
スキル
舌Lv6 丸飲みLv4 毒耐性Lv6 突進Lv6 ※※※ ※※※
ひょっとしたら今の僕よりも強いかも。
もう一匹のカエルもほぼ同レベル。
頼もしい2匹が仲間になってくれたのだ。
今までずっと一人だった僕だったが、どんな形にせよ頼れる味方が出来たのだ。
僕はマッピングしながらエリア探索を再開した。
ぬかるみに移動を妨げられ、蔦に絡まったりするも少しずつ僕はこの環境に慣れてきた。
原則直線を這うように進む僕には、このエリアは厄介極まりない。
しかし、重力操作等のスキルを駆使すれば、なんとか適応することが出来るようだ。
宝箱の重量を軽くし箱の底の部分と、地面との摩擦を軽減すればぬかるみは難なく超えられる。
地面の障害物に関しては、その都度対処すれば大きく移動を妨げることは無い。
「【重力操作Lv1】がLv2へと進化しました。」
重力操作を使い続けるうちにレベルが上がったようだ。
Lv1は自分自身だけだったが、Lv2では相手にも重力操作が出来るようになった。
これで戦闘の幅が随分と広がるだろう。
安心したのも束の間だった。
マッピングしている僕たちに、新たな敵が現れた。
鳥型のモンスターが大きな羽音を立てて、カエルめがけて急降下してきた。
このフロアはとても広大、まるで本当のジャングルに迷い込んだように感じる。
カエル達に運ばれてから2時間以上は経過しただろうか?
マッピング機能を使用しても、全く地図が埋まるような様子すらない。
カエルたちは無言で道を急ぐ。
彼らの機動力はさすがの一言。
地面がぬかるんでいようが、太い蔦が密集しているスポットであろうがそのペースは変わらない。
僕より一回り以上大きいカエルたちが、集団で跳ね進む姿はまさに圧巻だ。
しかし、一体どこに連れて行かれるんだろう?
長とは一体?
カエルたちが立ち止まった場所は、沼のほとり。
沼は毒々しく濁っており、鼻を突き刺すような硫黄臭が充満している。
沼を取り囲むように、蔓足の長い樹木が生い茂り、周りは薄暗く空気すらも淀んでいるように感じる。
地面に降ろされた僕は、今から何が始まるのかと不安が強くなっていった。
ふと沼の方を見ると、いつのまにか水面には無数の目が出現していた。
ほとりで待機するカエルたちは、一斉にゲコゲコと鳴き声を上げ始めた。
静かな沼のほとりにカエルたちの鳴き声が響き渡る。
それと同時に、沼に浮かんでいた大勢のカエルたちがその姿を現し始めた。
沼のほとりがカエル一色に埋め尽くされる。
100匹近いカエルが僕を中心に取り囲んだのだ。
一体何が始まるんだろう。
僕は身動きせず、そのままただの宝箱であり続けた。
一匹のカエルが僕の方に近寄ってきた。
他のカエルたちにどよめきが起こる。
おそらく彼が「長」なんだろう。
他のカエルよりも一回りほど小さく、全身に多数の傷跡が見られる。
ただ、感じられるオーラのようなものは、他のカエルたちにはないものだった。
彼は周りの反応を気にも止めず、僕の目の前で歩みを止めた。
先ほどまで、ゲコゲコ鳴いていたカエルたちも鳴くのも止め、沼のほとりは再び静寂を取り戻した。
(ミミックさん、食べて欲しい奴がおるんじゃ)
長の思いが僕の頭に流れ込む。
カエルたちには、すでに僕がミミックということがバレていたようだ。
それよりも食べて欲しい奴って?
僕は宝箱の蓋を開け、長の顔をしっかりと確認した。
カエルに表情があるかどうかは分からないが、長は今正直に話している気がする。
長は僕の反応に構わず、彼の意思を示し続けた。
長の話をまとめるとこうだ。
彼が食べて欲しいといった相手は獣人族の戦士。
パーティーを組まず、ソロで活動しているらしい。
彼が3階層に現れたのは、3か月ほど前。
スワンピィツノガエルばかりを狙い、舌を切り取って袋に大量に詰め込んでいるようだ。
おそらく素材を集めているのだろう。
もちろん黙ってやられるカエルたちではない。
群れを組んで反撃するも、皆一刀の下に殺されてしまうらしい。
すでに何十匹も彼に倒されているそうだ。
しかし、それだけ倒しても彼の狙いはカエルから変わらない。
執拗にカエルばかりを狙い続けてくるのだ。
彼が唯一カエル以外に興味を示すのが宝箱。
宝箱の中身だけでなく、宝箱自体にも興味を示していたらしい。
カエルたちは元々はミミックを探していたのではなく、見つけた宝箱に罠を仕掛けようとしていたようだ。
また、声をかけたミミックは僕だけではないらしい。
他のミミックにも依頼をしたようだが、どのミミックにも相手にされなかったようだ。
長の依頼は、獣人の男を食べることと、その男が所持しているカエルたちの舌を持ち帰ること。
報酬は他では手に入らない彼らだけが持つレアアイテム。
どんなアイテムかは倒してからとのことだ。
特に期限は設けられていないが、早ければ早い方が良いとのこと。
獣人の戦士を倒すまでの間、カエル2匹を護衛につけてくれるというのだ。
僕にとっては悪い話では無かった。
また、意思疎通が出来たことが嬉しかったし、頼られるのもどこか誇らしかった。
僕は身振り舌振りで意思を伝え、この依頼を引き受けることになった。
(ミミックが依頼を受けるって何か変な感じ)
意思疎通が出来つつあるのは、僕にとっても嬉しいことだ。
上手く利用できれば、戦闘も大幅に解決出来る。
もしかするとその獣人の戦士とも上手くコミュニケーションが取れるかもしれない。
僕は長たちと分かれて、獣人の戦士を探し始めた。
ただ、カエルたちを瞬殺できる彼には、今の僕では歯が立たないだろう。
また、ジャングルでの戦いにも慣れていない。
獣人の戦士と戦う前に、十分な準備が必要だろう。
早速僕のボディーガードたちの力も見ておこう。
【スワンピィツノガエル】
Lv 30
HP(体力):5500
MP(魔力):600
SP(スキルポイント):2800
筋力:2200
耐久:1000
知力:1800
器用:1400
俊敏:3300
運:2000
スキル
舌Lv6 丸飲みLv4 毒耐性Lv6 突進Lv6 ※※※ ※※※
ひょっとしたら今の僕よりも強いかも。
もう一匹のカエルもほぼ同レベル。
頼もしい2匹が仲間になってくれたのだ。
今までずっと一人だった僕だったが、どんな形にせよ頼れる味方が出来たのだ。
僕はマッピングしながらエリア探索を再開した。
ぬかるみに移動を妨げられ、蔦に絡まったりするも少しずつ僕はこの環境に慣れてきた。
原則直線を這うように進む僕には、このエリアは厄介極まりない。
しかし、重力操作等のスキルを駆使すれば、なんとか適応することが出来るようだ。
宝箱の重量を軽くし箱の底の部分と、地面との摩擦を軽減すればぬかるみは難なく超えられる。
地面の障害物に関しては、その都度対処すれば大きく移動を妨げることは無い。
「【重力操作Lv1】がLv2へと進化しました。」
重力操作を使い続けるうちにレベルが上がったようだ。
Lv1は自分自身だけだったが、Lv2では相手にも重力操作が出来るようになった。
これで戦闘の幅が随分と広がるだろう。
安心したのも束の間だった。
マッピングしている僕たちに、新たな敵が現れた。
鳥型のモンスターが大きな羽音を立てて、カエルめがけて急降下してきた。
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