17 / 120
第1章 ミミックとして生きる
第16話 崩壊した精神
しおりを挟む
30匹以上いたゴブリンが半数くらいとなり、勝機が見え始めた頃、
ドドドドドッ…
なんと新たなゴブリンの集団が現れたのだ。
しかも今度は全員盾を装備している。
その数およそ20匹ほど。
おそらくゴブリン共の精鋭部隊だろう。
僕に再度ピンチが訪れた。
容赦なく襲いかかるゴブリン達。
様々なスキルを駆使して対抗するも、被弾する回数が増えている。
しかも盾を持っているゴブリンは僕の飛び道具も盾で受け止めてしまう。
ゴブリン一匹ずつの強さ自体は僕には到底及ばない。
しかし、集団で同時に攻撃をされると、全てをかわすことなどできないのだ。
絶望的な状況の中、僕はゴブリンを食べ続ける。
とらばさみなどで動きを止め、即座に飛びかかってゴブリンを一口で平らげていく。
僕が攻撃をしかけている間、別のゴブリンが僕に武器を打ち付ける。
箱がきしみ、亀裂が走り、破片が宙を舞う。
今このダンジョン内で、ここまで激しい戦いが行われているエリアがあるのだろうか?
僕は【逃げるLv5】を使用し、ゴブリンの囲みから数m離れたところに移動した。
このスキルは囲まれた状況からでも、高速で近距離移動が出来るようだ。
しかし、それも一時的。
この状況を打破する方法を思案したが、足の遅い僕にとっては全員倒さなければ逃げられそうもない。
「#※〇&!」
何やら大声をあげながら、向かってくる集団がいる!
追加のゴブリンだろうか?
僕は声の方を見てみると…。
あの獣人族だ。
猫耳の獣人族が声をあげながら、僕らがいる方向へ向かっていた。
武装した獣人族の男女がおおよそ7~8人。
ゴブリンの集団に気づいたのか、向きを変え、速度を上げながら突進してきた。
数名の獣人たちは弓を構え、走りながらも狙いを定めている。
そして、数本の矢が弧を描きながら前方に射出された。
これで対等に戦える。
僕は迫りくる獣人たちを背に、ゴブリンの集団と向き合った。
ドス、ドス。
僕の背中に鋭い痛みが走る。
射出された矢は僕の背中に的中したのだ。
丁度僕がゴブリンたちとの間にいたせいかもしれない。
しっかりゴブリンを狙ってくれよ。
僕は射出した獣人に目を向けた。
大声をあげながら向かってくる獣人たち。
彼らは真剣な表情で一点を見つめながら、武器を振り上げ走ってきている。
前を走るのは筋骨隆々の戦士タイプ数名だ。
剣や斧、ハンマーみたいなものを持っている。
弓を構えている者もいるようだ。
僕に矢を当てたのはこいつらだろう。
その後ろには槍を持った男女。
ゴブリンに襲われていた女の子もこの列にいた。
その後ろは確認ができない。
おそらく補助的な役割をする者だろう。
ゴブリンも奇声をあげながら向かってきている。
丁度僕はゴブリンと獣人族の間に挟まれたようなポジションとなっていた。
何かがおかしい…。
僕はこの状況に違和感を感じた。
向かってくる獣人族の視線はゴブリンに向いていない。
彼らが見ているものは・・・僕だ!
獣人族はその手に持った武器を僕に向けて振り下ろした。
間一髪かわすも、2列目の槍を構えた女の子の獣人が僕の体を貫こうと突進してくる。
僕は【方向転換Lv4】【体当たりLv5】を使用し、当たる寸前のところで攻撃をかわす。
しかし、逃げた先にはゴブリンたちが待ち構えており、こん棒で僕を殴りつけた。
ドカッ!
頭に激痛が走り、僕は即座に【逃げるLv5】で距離を取る。
一体何がどうなってるの?
なんで獣人族が僕を襲うの?
君たちをゴブリンから助けようとしたよね?
僕は彼女を助けた時の光景を振り返った。
確かに僕はゴブリンたちを倒したが、彼女の目の前でゴブリンたちを食べてしまった。
もしかしてそれがまずかったのか?
僕をゴブリン以上の脅威に感じたのかもしれない。
僕の姿を見つけたのは獣人族の方が早かった。
僕に向かう姿を追って、ゴブリンたちも向かってきた。
君たちを助けようとしただけなのに…。
君らにとって僕はミミックなんだね。
襲ってくるなら仕方がない。
君らを餌にするだけだ。
僕の狙いはすでにゴブリンではなかった。
もしかすると僕はこういう状況を待ち望んでいたのかもしれない。
正当防衛。
僕の頭に事件の時に使われる都合のいい言葉が浮かんだ。
それが僕の心を解放するワードだったのだろう。
もはやゴブリンなどどうでも良くなっていたのだ。
戦闘を切って向かってくる若い戦士風の獣人族に、とらばさみLv3を使用。
足元に急に仕掛けられた罠に足を挟まれ、バランスを崩し前のめりに倒れる。
僕は【飛びかかるLv1】を使用し、彼に上から飛びかかった。
バクッ
僕は一口で彼を平らげた。
なんてことはない。
襲いかかる敵を1匹倒したのだ。
意外にも罪悪感は感じなかった。
ただ、口の中に広がる最高の味わいの中に、どこか苦みを感じていた。
「【飛びかかるLv1】がLv2となりました」
「【早食いLv2】がLv3となりました」
「【味覚Lv3】がLv4 となりました」
「称号【マンイーター】を獲得しました」
「称号【マンイーター】の獲得により、【呪いLv1】を獲得しました」
「称号【マンイーター】の獲得により、恒常スキル【意思疎通】を獲得しました」
「称号【マンイーター】の獲得により、【異空間収納Lv1】を獲得しました」
「称号【マンイーター】の獲得により、【悪食Lv1】がLv5となりました」
人間を食べたのがキーだったのだろう。
また一つ称号が増えてしまった。
人を食べてから【意思疎通】のスキルを覚えるなんて、このゲームの開発者はかなりの糞野郎なんだろう。
でも不思議と怒りは沸いてこなかった。
おそらくこれは開発者の思惑通りなのだろう。
さらに、
「あなたのレベルが上がりました」
名前:光
種族:ミミック
クラス:見習い
称号:モンスターイーター、ラッキーマン、マンイーター
Lv:7→8
HP(体力):600→800
MP(魔力):800→1000
SP(スキルポイント):1000→1200
筋力:180→250
耐久:350→500
知力:500→750
器用:200→300
俊敏:80→150
運:12000→18000
【スキル】
攻撃系
食べるLv8、早食いLv3、舌Lv3、溶解Lv4、体当たりLv5、毒針Lv4、狙い打つLv1、飛びかかるLv2、悪食Lv5、不意打ちLv1
耐性
毒耐性Lv6、溶解耐性Lv2
補助
方向転換Lv4、、鑑定Lv4、擬態Lv3 逃げるLv5、異空間収納Lv1
恒常スキル
視覚Lv5、聴覚Lv5、味覚Lv4、這うLv3、意思疎通Lv1
限定スキル
とらばさみLv3、弓Lv1、マッピングLv1
「HP/MP/SPが回復しました」
これでまだ僕は戦える。
箱はすでにガタガタで、破損箇所が大きい。
HPは回復しているのだが、箱の損傷は深刻な状況となりつつある。
仲間を食べられて、怒りの形相で襲いかかる獣人族。
同じく僕を狙うゴブリン達。
「悪食を使うといいよ」
戦闘を再開する僕の頭にチュートリアルの声が響いた。
ドドドドドッ…
なんと新たなゴブリンの集団が現れたのだ。
しかも今度は全員盾を装備している。
その数およそ20匹ほど。
おそらくゴブリン共の精鋭部隊だろう。
僕に再度ピンチが訪れた。
容赦なく襲いかかるゴブリン達。
様々なスキルを駆使して対抗するも、被弾する回数が増えている。
しかも盾を持っているゴブリンは僕の飛び道具も盾で受け止めてしまう。
ゴブリン一匹ずつの強さ自体は僕には到底及ばない。
しかし、集団で同時に攻撃をされると、全てをかわすことなどできないのだ。
絶望的な状況の中、僕はゴブリンを食べ続ける。
とらばさみなどで動きを止め、即座に飛びかかってゴブリンを一口で平らげていく。
僕が攻撃をしかけている間、別のゴブリンが僕に武器を打ち付ける。
箱がきしみ、亀裂が走り、破片が宙を舞う。
今このダンジョン内で、ここまで激しい戦いが行われているエリアがあるのだろうか?
僕は【逃げるLv5】を使用し、ゴブリンの囲みから数m離れたところに移動した。
このスキルは囲まれた状況からでも、高速で近距離移動が出来るようだ。
しかし、それも一時的。
この状況を打破する方法を思案したが、足の遅い僕にとっては全員倒さなければ逃げられそうもない。
「#※〇&!」
何やら大声をあげながら、向かってくる集団がいる!
追加のゴブリンだろうか?
僕は声の方を見てみると…。
あの獣人族だ。
猫耳の獣人族が声をあげながら、僕らがいる方向へ向かっていた。
武装した獣人族の男女がおおよそ7~8人。
ゴブリンの集団に気づいたのか、向きを変え、速度を上げながら突進してきた。
数名の獣人たちは弓を構え、走りながらも狙いを定めている。
そして、数本の矢が弧を描きながら前方に射出された。
これで対等に戦える。
僕は迫りくる獣人たちを背に、ゴブリンの集団と向き合った。
ドス、ドス。
僕の背中に鋭い痛みが走る。
射出された矢は僕の背中に的中したのだ。
丁度僕がゴブリンたちとの間にいたせいかもしれない。
しっかりゴブリンを狙ってくれよ。
僕は射出した獣人に目を向けた。
大声をあげながら向かってくる獣人たち。
彼らは真剣な表情で一点を見つめながら、武器を振り上げ走ってきている。
前を走るのは筋骨隆々の戦士タイプ数名だ。
剣や斧、ハンマーみたいなものを持っている。
弓を構えている者もいるようだ。
僕に矢を当てたのはこいつらだろう。
その後ろには槍を持った男女。
ゴブリンに襲われていた女の子もこの列にいた。
その後ろは確認ができない。
おそらく補助的な役割をする者だろう。
ゴブリンも奇声をあげながら向かってきている。
丁度僕はゴブリンと獣人族の間に挟まれたようなポジションとなっていた。
何かがおかしい…。
僕はこの状況に違和感を感じた。
向かってくる獣人族の視線はゴブリンに向いていない。
彼らが見ているものは・・・僕だ!
獣人族はその手に持った武器を僕に向けて振り下ろした。
間一髪かわすも、2列目の槍を構えた女の子の獣人が僕の体を貫こうと突進してくる。
僕は【方向転換Lv4】【体当たりLv5】を使用し、当たる寸前のところで攻撃をかわす。
しかし、逃げた先にはゴブリンたちが待ち構えており、こん棒で僕を殴りつけた。
ドカッ!
頭に激痛が走り、僕は即座に【逃げるLv5】で距離を取る。
一体何がどうなってるの?
なんで獣人族が僕を襲うの?
君たちをゴブリンから助けようとしたよね?
僕は彼女を助けた時の光景を振り返った。
確かに僕はゴブリンたちを倒したが、彼女の目の前でゴブリンたちを食べてしまった。
もしかしてそれがまずかったのか?
僕をゴブリン以上の脅威に感じたのかもしれない。
僕の姿を見つけたのは獣人族の方が早かった。
僕に向かう姿を追って、ゴブリンたちも向かってきた。
君たちを助けようとしただけなのに…。
君らにとって僕はミミックなんだね。
襲ってくるなら仕方がない。
君らを餌にするだけだ。
僕の狙いはすでにゴブリンではなかった。
もしかすると僕はこういう状況を待ち望んでいたのかもしれない。
正当防衛。
僕の頭に事件の時に使われる都合のいい言葉が浮かんだ。
それが僕の心を解放するワードだったのだろう。
もはやゴブリンなどどうでも良くなっていたのだ。
戦闘を切って向かってくる若い戦士風の獣人族に、とらばさみLv3を使用。
足元に急に仕掛けられた罠に足を挟まれ、バランスを崩し前のめりに倒れる。
僕は【飛びかかるLv1】を使用し、彼に上から飛びかかった。
バクッ
僕は一口で彼を平らげた。
なんてことはない。
襲いかかる敵を1匹倒したのだ。
意外にも罪悪感は感じなかった。
ただ、口の中に広がる最高の味わいの中に、どこか苦みを感じていた。
「【飛びかかるLv1】がLv2となりました」
「【早食いLv2】がLv3となりました」
「【味覚Lv3】がLv4 となりました」
「称号【マンイーター】を獲得しました」
「称号【マンイーター】の獲得により、【呪いLv1】を獲得しました」
「称号【マンイーター】の獲得により、恒常スキル【意思疎通】を獲得しました」
「称号【マンイーター】の獲得により、【異空間収納Lv1】を獲得しました」
「称号【マンイーター】の獲得により、【悪食Lv1】がLv5となりました」
人間を食べたのがキーだったのだろう。
また一つ称号が増えてしまった。
人を食べてから【意思疎通】のスキルを覚えるなんて、このゲームの開発者はかなりの糞野郎なんだろう。
でも不思議と怒りは沸いてこなかった。
おそらくこれは開発者の思惑通りなのだろう。
さらに、
「あなたのレベルが上がりました」
名前:光
種族:ミミック
クラス:見習い
称号:モンスターイーター、ラッキーマン、マンイーター
Lv:7→8
HP(体力):600→800
MP(魔力):800→1000
SP(スキルポイント):1000→1200
筋力:180→250
耐久:350→500
知力:500→750
器用:200→300
俊敏:80→150
運:12000→18000
【スキル】
攻撃系
食べるLv8、早食いLv3、舌Lv3、溶解Lv4、体当たりLv5、毒針Lv4、狙い打つLv1、飛びかかるLv2、悪食Lv5、不意打ちLv1
耐性
毒耐性Lv6、溶解耐性Lv2
補助
方向転換Lv4、、鑑定Lv4、擬態Lv3 逃げるLv5、異空間収納Lv1
恒常スキル
視覚Lv5、聴覚Lv5、味覚Lv4、這うLv3、意思疎通Lv1
限定スキル
とらばさみLv3、弓Lv1、マッピングLv1
「HP/MP/SPが回復しました」
これでまだ僕は戦える。
箱はすでにガタガタで、破損箇所が大きい。
HPは回復しているのだが、箱の損傷は深刻な状況となりつつある。
仲間を食べられて、怒りの形相で襲いかかる獣人族。
同じく僕を狙うゴブリン達。
「悪食を使うといいよ」
戦闘を再開する僕の頭にチュートリアルの声が響いた。
0
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
【改訂版】 戦艦ミカサを奪還せよ! 【『軍神マルスの娘と呼ばれた女』 2】 - ネイビーの裏切り者 -
take
SF
ノベルアッププラスへの投稿に併せて改訂版に改編中です。
どうぞよろしくお付き合いください!
数百年後の未来。人類は天変地異により滅亡寸前にまで追い込まれ、それまでに彼らが営々と築いてきたものは全て失われた。
わずかに生き残った人々は力を合わせ必死に生き延び、種を繋ぎ、殖やし、いくつかの部族に別れ、栄えていった。その中の一つがやがて巨大な帝国となり、その周囲の、まつろわぬ(服従しない)いくつかの未開な部族や頑なな国との間で争いを繰り返していた。
就役したばかりの帝国の最新鋭戦艦「ミカサ」に関する不穏な情報を得た皇帝直属の特務機関を統べるウリル少将は、一人のエージェントを潜入させる。
その名は、ヤヨイ。
果たして彼女は「ミカサ」の強奪を防ぐことが出来るのか。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・

俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる