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第1章 ミミックとして生きる
第4話 初めての狩り
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食べることでしかこの状況を脱することが出来ない。
僕はこの機会を逃すまいと虫の動きを追った。
しかし、今僕の箱は開いた状態、正直怪しすぎる状況だ。
身動きが取れない僕には、相手が僕の箱の中に入ってもらうしかないのだ。
怪しすぎる箱に自ら飛び込んでくる馬鹿がいるだろうか?
答えは否!
この状況で箱の中に入ってもらうためには、何らかの作戦が必要だろう。
現在、僕が所持しているスキルは食べるLv1、甘い匂いLv1、鑑定Lv2 だ。
食べるLv1に関しては、箱に入ってからのスキルなので現時点では使えないだろう。
そうすると残っているスキルは、鑑定Lv2と甘い匂いLv1。
まずは鑑定で相手の情報を探ってみよう。
鑑定中…。
「鑑定が終了しました。」
【羽ばたき虫】
ダンジョンに生息する昆虫類。餌を集めて巣に帰る習性がある。
なるほど…。餌を集めるということは、蜂のように集団で生活をしているのかもしれない。
甘い匂いなら餌と錯覚させることができるかも。
(甘い匂い発動)SP100→97
甘い匂いのスキルを使った瞬間、蜂蜜のような優しい甘い香りが箱の中から立ち昇った。
匂い自体は強くはないが、羽ばたき虫をおびき寄せるには丁度良いだろう。
しかし、羽ばたき虫は僕の方を見向きもせず、そのまま飛び去ってしまった。
確実にゲット出来ると思っていただけに、僕の落胆は大きい。
一体何が悪かったのだろう?
ひょっとしたら箱が開いていたので、警戒されたのかもしれない。
次は箱を閉じて待ってみよう。
しばらくして、また羽ばたき虫らしき羽音が聞こえてきた。
今度は箱を閉じたままで、羽ばたき虫が近づいて来たら食べるという作戦へと移行した。
箱を閉じているので、視界はさえぎられている。
羽ばたき虫の羽音に耳をすませ、甘い匂いに惹かれて頭上まで来たら口を開いて取り込む。
シンプルだけど、現状で出来る精一杯の作戦だろう。
僕は甘い匂いをセットして羽ばたき虫が近寄ってくるのを待った。
しかし、いくら待っても羽ばたき虫が近寄ってくる気配はない。
羽音も聞こえず、ダンジョンは静まり返っている。
耐えきれず、箱を開けるもすでに羽ばたき虫の姿はどこにも無かった。
SPも100から50まで減っていた。
「甘い匂いのレベルが上がりました」
甘い匂いのレベルが上がったのはいいが、現状は変わらない。
なぜ羽ばたき虫が甘い匂いに引き寄せられないのか、その理由が分からないのだ。
念のため、どこが変わったのか鑑定で調べよう。
【甘い匂いLv2 】
使用した地点から甘い匂いを発するスキル。Lvにより匂いの範囲が変わる
匂いの範囲?一体どういうことだ?
匂いの届く範囲があるのだろうか?
匂いの範囲に合わせ、鑑定を実施
【匂いの範囲】
匂いの届く範囲のこと。30㎝四方~
そういうことだったのか!
今まで僕は、匂いはその地点から広がっていくものと思っていたが、このスキルでは限られたエリアでしか匂わないのだ。
30㎝~とされているので、羽ばたき虫が僕の30㎝以内に近づかなくてはならない。
今まで30㎝以内に近づいた虫はいない。
つまり、どの虫も匂いが届いていなかったのだ。
羽ばたき虫が近寄ってこない原因は分かった。
ただ、それならば範囲内に虫が近づいて来なければ効果がないということだ。
結局振り出しに戻ったような気分。偶発的な運に賭けるしかないのであろうか?
せめて、甘い匂いの設置場所を変えられたらいいのに。
そう思った瞬間、僕は違和感を感じた。
いや、そもそも設置場所は決められていないのではないのか?
鑑定では、「使用した地点から甘い匂いを発するスキル」と記載されている。
使用した地点=その場所ではないのかもしれない。
僕は設置場所を箱の中から、5mほど前の地点の設定を試みた。
そしてスキル発動!確認しづらいが、その地点で甘い匂いのスキルが発動したようだ。
次に連続使用を試みた。
何も効果が切れるまで待つ必要はない、甘い匂いのスキルを使い続け、羽ばたき虫を箱の仲間でおびき寄せたらよいのだ。
ちなみに鑑定で調べてみたらLv2の甘い匂いの有効範囲は1mとのこと。
これでなんとか羽ばたき虫をおびき寄せられるかもしれない。
ただ、スキルを使う度にSPが消費するのでSPの残量を考えて射程範囲を5mまでにすべきであろう。
僕はひたすら羽ばたき虫を待ち続けた。
何度か現れるも5m以内には近づいては来なかった。
それでも待ち続けているうちに、ようやく5m以内に近づく羽ばたき虫が見つかった。
箱を閉じているので、羽ばたき虫の姿は視認できない。
慎重に羽ばたき虫の羽音を聞く。
そこで、羽ばたき虫のいるであろう地点に甘い匂いのスキル発動!
突然現れた匂いに動揺したのか、羽音が強くなり始める。
僕は羽ばたき虫に鑑定スキルを使った。
スキルが発動している間、羽ばたき虫が動いても羽ばたき虫のステータス画面がトレースを行うのだ。
これで羽ばたき虫が動いてもおおまかな位置は予測できる。
僕は甘い匂いのスキルを順に発動させ、僕の方へと匂いの道を作成した。
匂いに導かれ僕の方へと進んでいるのが分かる。
まるでバスフィッシングをしているようだ。
慎重に慎重に食べるタイミングを図った。
羽ばたき虫の羽音が僕の頭上で止まった瞬間…。
僕は勢いよく箱を開き、羽ばたき虫に襲い掛かった!
逃げる間もなく、羽ばたき虫は僕の箱の中へ。
あっという間に溶けて消えてしまった。
僕はこの機会を逃すまいと虫の動きを追った。
しかし、今僕の箱は開いた状態、正直怪しすぎる状況だ。
身動きが取れない僕には、相手が僕の箱の中に入ってもらうしかないのだ。
怪しすぎる箱に自ら飛び込んでくる馬鹿がいるだろうか?
答えは否!
この状況で箱の中に入ってもらうためには、何らかの作戦が必要だろう。
現在、僕が所持しているスキルは食べるLv1、甘い匂いLv1、鑑定Lv2 だ。
食べるLv1に関しては、箱に入ってからのスキルなので現時点では使えないだろう。
そうすると残っているスキルは、鑑定Lv2と甘い匂いLv1。
まずは鑑定で相手の情報を探ってみよう。
鑑定中…。
「鑑定が終了しました。」
【羽ばたき虫】
ダンジョンに生息する昆虫類。餌を集めて巣に帰る習性がある。
なるほど…。餌を集めるということは、蜂のように集団で生活をしているのかもしれない。
甘い匂いなら餌と錯覚させることができるかも。
(甘い匂い発動)SP100→97
甘い匂いのスキルを使った瞬間、蜂蜜のような優しい甘い香りが箱の中から立ち昇った。
匂い自体は強くはないが、羽ばたき虫をおびき寄せるには丁度良いだろう。
しかし、羽ばたき虫は僕の方を見向きもせず、そのまま飛び去ってしまった。
確実にゲット出来ると思っていただけに、僕の落胆は大きい。
一体何が悪かったのだろう?
ひょっとしたら箱が開いていたので、警戒されたのかもしれない。
次は箱を閉じて待ってみよう。
しばらくして、また羽ばたき虫らしき羽音が聞こえてきた。
今度は箱を閉じたままで、羽ばたき虫が近づいて来たら食べるという作戦へと移行した。
箱を閉じているので、視界はさえぎられている。
羽ばたき虫の羽音に耳をすませ、甘い匂いに惹かれて頭上まで来たら口を開いて取り込む。
シンプルだけど、現状で出来る精一杯の作戦だろう。
僕は甘い匂いをセットして羽ばたき虫が近寄ってくるのを待った。
しかし、いくら待っても羽ばたき虫が近寄ってくる気配はない。
羽音も聞こえず、ダンジョンは静まり返っている。
耐えきれず、箱を開けるもすでに羽ばたき虫の姿はどこにも無かった。
SPも100から50まで減っていた。
「甘い匂いのレベルが上がりました」
甘い匂いのレベルが上がったのはいいが、現状は変わらない。
なぜ羽ばたき虫が甘い匂いに引き寄せられないのか、その理由が分からないのだ。
念のため、どこが変わったのか鑑定で調べよう。
【甘い匂いLv2 】
使用した地点から甘い匂いを発するスキル。Lvにより匂いの範囲が変わる
匂いの範囲?一体どういうことだ?
匂いの届く範囲があるのだろうか?
匂いの範囲に合わせ、鑑定を実施
【匂いの範囲】
匂いの届く範囲のこと。30㎝四方~
そういうことだったのか!
今まで僕は、匂いはその地点から広がっていくものと思っていたが、このスキルでは限られたエリアでしか匂わないのだ。
30㎝~とされているので、羽ばたき虫が僕の30㎝以内に近づかなくてはならない。
今まで30㎝以内に近づいた虫はいない。
つまり、どの虫も匂いが届いていなかったのだ。
羽ばたき虫が近寄ってこない原因は分かった。
ただ、それならば範囲内に虫が近づいて来なければ効果がないということだ。
結局振り出しに戻ったような気分。偶発的な運に賭けるしかないのであろうか?
せめて、甘い匂いの設置場所を変えられたらいいのに。
そう思った瞬間、僕は違和感を感じた。
いや、そもそも設置場所は決められていないのではないのか?
鑑定では、「使用した地点から甘い匂いを発するスキル」と記載されている。
使用した地点=その場所ではないのかもしれない。
僕は設置場所を箱の中から、5mほど前の地点の設定を試みた。
そしてスキル発動!確認しづらいが、その地点で甘い匂いのスキルが発動したようだ。
次に連続使用を試みた。
何も効果が切れるまで待つ必要はない、甘い匂いのスキルを使い続け、羽ばたき虫を箱の仲間でおびき寄せたらよいのだ。
ちなみに鑑定で調べてみたらLv2の甘い匂いの有効範囲は1mとのこと。
これでなんとか羽ばたき虫をおびき寄せられるかもしれない。
ただ、スキルを使う度にSPが消費するのでSPの残量を考えて射程範囲を5mまでにすべきであろう。
僕はひたすら羽ばたき虫を待ち続けた。
何度か現れるも5m以内には近づいては来なかった。
それでも待ち続けているうちに、ようやく5m以内に近づく羽ばたき虫が見つかった。
箱を閉じているので、羽ばたき虫の姿は視認できない。
慎重に羽ばたき虫の羽音を聞く。
そこで、羽ばたき虫のいるであろう地点に甘い匂いのスキル発動!
突然現れた匂いに動揺したのか、羽音が強くなり始める。
僕は羽ばたき虫に鑑定スキルを使った。
スキルが発動している間、羽ばたき虫が動いても羽ばたき虫のステータス画面がトレースを行うのだ。
これで羽ばたき虫が動いてもおおまかな位置は予測できる。
僕は甘い匂いのスキルを順に発動させ、僕の方へと匂いの道を作成した。
匂いに導かれ僕の方へと進んでいるのが分かる。
まるでバスフィッシングをしているようだ。
慎重に慎重に食べるタイミングを図った。
羽ばたき虫の羽音が僕の頭上で止まった瞬間…。
僕は勢いよく箱を開き、羽ばたき虫に襲い掛かった!
逃げる間もなく、羽ばたき虫は僕の箱の中へ。
あっという間に溶けて消えてしまった。
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