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22店目「ダンジョンの七不思議!?迷宮レストラン」
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こんばんは、どの味までを珍味と言っても良いのか、珍味の定義に悩むトラ顔紳士です!
本日遂にあの迷宮レストランに行ってきました!
迷宮レストランは、ウメーディの都市伝説にもなっているレストランで、ダンジョン内に突然現れるという摩訶不思議なお店。
今まで食べたことのないような料理が提供されるという噂ですが、誰もその噂の真相を知らないのです。
何故なら迷宮レストランに行って帰って来た者はおらず、その料理を食べたものも、レストラン自体を見たことがある者もいないのです。
今回僕たちのパーティは、迷宮レストランに到達!
初めてお店から生還したパーティとなりました。
今回は、迷宮レストランで味わった珍しい料の数々を紹介します。
僕らが迷宮レストランに遭遇したのは、十一階層に向かう階段を降りた先のエリアでした。
どこまでも続く長い階段を一時間以上も降り続けました。
後から聞いた話ですが、十一階層へ向かう階段はわずか五十段ほどなので五分も降ればすぐに十一階層に着くとのことです。
おそらく僕たちは、この時からすでに異世界へと迷い込んでいたのでしょう。
階段を降りた先には、妖しく淡く光る建物がありました。
建物の照明が光っているのではないのです。
建物自体が紫色の光を放っていたのです!
煉瓦造りの建物は建てられてからかなりの年月が経過しているのか、ところどころ朽ち落ちています。
壁や窓を伝うくすんだ緑色のツタは、建物全体を覆っているようです。
格子状の柵が付いた窓からも、すっすらと光が漏れています。
建物はお店と言うより古い洋館といった印象ですね。
玄関部分には煉瓦を重ねただけの古いアーチ壁があり、亀裂の入った数段の階段の先には木製の入口扉が設置されています。
どうやらここから入るようです。
重厚な両開きの扉には取っ手がなく、中央に髑髏のレリーフとその口からは金属の輪が掛かっていました。
ドンドンっとノックすると、両扉が勝手に音を立てて開いたのです。
扉の中は真っ暗。
手持ちのランプに火を点けようとした瞬間、玄関ホールの蝋燭が一斉に点火しました。
ただ全ての蝋燭に火が付いた訳ではありません。
僕らの道を指し示すかのように、通路に沿ってのみ蝋燭が点灯していたのです。
まるで僕たちを案内するかのごとく、その蝋燭は通路の奥まで続いていました。
通路を抜けると、屋敷の規模には到底合わないほどの大ホール。
数十もの円卓席が並んでいました。
ただその中でも準備がされているテーブルは一つだけ。
ホールの真中央のテーブルのみ、燭台やテーブルクロスが準備されていたのです。
このテーブルで食事をしろということなのでしょう。
椅子も人数分用意されていましたね。
ようやく席についた時は、不安と緊張で汗がびっしょり。
それでもお腹は空くのだから不思議なものですよね。
注文を取りに来たウェイターは、行方不明になっていた冒険者。
まさかこの店で働いているなんて、誰も思わなかったでしょうね。
料理はおまかせコース料理のみ。
値段は時価とのことなので、少々不安が募りました。
待つこと10分ほど、早速一品目の料理が運ばれてきました。
「本日の前菜三種盛り」
お洒落に盛り付けられた料理は、彩り・素材・量ともに見事なバランスです。
香りもスパイシーで、食欲を誘う香辛料の使い方も見事ですね。
ただ使用されている食材が、このお店独自のもの。
通常では使われない素材がふんだんに使われているんです。
料理は端からポイズンクローラーとダンジョンホッパーのムース、トードストゥールマッシュルームのパイ包み、アコニチンサラダ。
そうです。この料理は全て強力な毒性をもつ料理ばかり!
迷宮レストランはなんと毒料理の専門店なんです。
全て毒抜きはしているようですが、さすがに抵抗がありますよね。
僕もはじめの一口を食べるのには、かなり勇気が要りましたよ。
ただ、その味わいは宮廷料理にも匹敵するくらい極上!
一口食べただけで思わずスプーンを落としそうになりましたね。
ポイズンクローラーとダンジョンホッパーのムースは、口当たりと濃厚な旨味が特徴です。
生クリームのような滑らかな食感で、口の中に入るとふわっと上品で芳醇な香りを残して淡雪のように消えてしまいます。
甘みと旨味のバランスが絶妙で、アクセントに加えたあら塩がより素材の味を引き立ててくれていますね。
口から消えてしまった後も余韻がいつまでも続き、また一口と思わず手が伸びてしまいます。
トードストゥールマッシュルームのパイ包みは、まさに香りの爆弾です。
パイを割ると、中からあふれ出るホワイトソースとともに、爽やかな樹木やベリー系の果実の香りが辺り一面に広がりました。
その中から登場する黄色や紫色の毒々しいキノコ。
香りはどうやらそのキノコから漂っているようです。
キノコの見た目は悪いですが、その味は格別!
酸味を含んだ爽やかな味わいに続き、うまみ成分がどっと口に押し寄せてきます。
舌にピリピリとした刺激も感じますが、それほど不快なものではないですね。
アコニチンサラダは、毒性の強いアゴニチンという植物を使用しています。
これは僕の故郷では「トリカブト」と呼ばれるもので、ごく少量口にするだけでも命を失ってしまう強力な毒素を持っています。
しかし、シェフの見事なテクニックで毒性は皆無。
毒性を気にせず安全に食べることが出来るのです。
アゴニチン自体は旨味は少ないですが、さっぱりとした後味が特徴です。
かかっている灰色のドレッシングの酸味をまろやかにし、清々しい香りも加えています。
クニュクニュとした食感も面白い。
サラダの中にアゴニチンが入っているだけで、そのサラダが何倍も美味しく感じるのは僕だけではないと思います。
これはとても面白い食材です。他の料理でも試したいですね。
しばらくすると、今度は肉料理が運ばれてきました。
本日の肉料理は【ダンジョンバイソンのサーロインステーキ】。
鉄板皿に盛られた大きなステーキで、いまだジュウジュウと音を立てています。
ただ、このステーキの香りが独特です。
ステーキから広がる香りは、まるで長期熟成したアオカビチーズ。
好みがはっきりと分かれる独特な香りが、あっという間に部屋中に充満しました。
ステーキを見ても一切チーズは使用している様子はありません。
ステーキ肉自体から強烈な匂いが溢れているのです。
実はこのステーキ、熟成肉を使用しているとのことですが、常温でそのまま放置しているそうです。
明らかな腐敗臭のように思いましたが、毒性はそれでも一切無いようです。
少し怖いですが、早速食べてみましょう。
まずは肉質のチェック。
ステーキにナイフを入れると、全く抵抗感が無くスッと切れました。
普通のステーキならここで肉汁が溢れますが、このステーキはほとんど肉汁が出ていません。
焼き加減はミディアムレアのようですが、断面は赤くはなくレンガ色。
しっかりと熟成されているようですね。
口に入れると刺激臭が鼻孔を通り抜けましたが、不思議と不快感がありません。
しかも、この刺激臭自体がアクセントになっているかのように、ステーキの個性を高めてくれています。
これは凄い!
熟成肉の強烈な旨味とコクが雪崩のように押し寄せてきます。
どっしりとした濃厚な赤身の旨味。これは熟成肉ならではでしょう。
その旨味をさらに高めているのが、このソース。
ステーキを焼くときに出た肉汁を使ったグレービーソースで、味わいの一体感がものすごいです。
熟成肉の旨味に負けない濃厚なコクは、料理の味わいをワンランク以上高めてくれているように思えます。
この料理に合うのは熟成された赤ワイン。
熟成された赤ワインのどっしりとした香りと味わいが、この料理の重厚さを正面から受け止めてくれるように思います。
コースは魚料理とデザートが続きました。
もちろんいずれの食材も毒性をもったものばかり。
確かに美味しいのですが、食べるには勇気がいる料理ばかりです。
あと、料金もコース一人前金貨20枚とかなり高額。
もしお店に行く際には、しっかりと軍資金を持っていきましょう。
店名:迷宮レストラン
予算:二十金貨以上
店の雰囲気 ★★★☆☆
店員の対応 ★★★☆☆
料理の味 ★★★★★★
コスパ ★★★☆☆
バラエティ ★★★☆☆
本日遂にあの迷宮レストランに行ってきました!
迷宮レストランは、ウメーディの都市伝説にもなっているレストランで、ダンジョン内に突然現れるという摩訶不思議なお店。
今まで食べたことのないような料理が提供されるという噂ですが、誰もその噂の真相を知らないのです。
何故なら迷宮レストランに行って帰って来た者はおらず、その料理を食べたものも、レストラン自体を見たことがある者もいないのです。
今回僕たちのパーティは、迷宮レストランに到達!
初めてお店から生還したパーティとなりました。
今回は、迷宮レストランで味わった珍しい料の数々を紹介します。
僕らが迷宮レストランに遭遇したのは、十一階層に向かう階段を降りた先のエリアでした。
どこまでも続く長い階段を一時間以上も降り続けました。
後から聞いた話ですが、十一階層へ向かう階段はわずか五十段ほどなので五分も降ればすぐに十一階層に着くとのことです。
おそらく僕たちは、この時からすでに異世界へと迷い込んでいたのでしょう。
階段を降りた先には、妖しく淡く光る建物がありました。
建物の照明が光っているのではないのです。
建物自体が紫色の光を放っていたのです!
煉瓦造りの建物は建てられてからかなりの年月が経過しているのか、ところどころ朽ち落ちています。
壁や窓を伝うくすんだ緑色のツタは、建物全体を覆っているようです。
格子状の柵が付いた窓からも、すっすらと光が漏れています。
建物はお店と言うより古い洋館といった印象ですね。
玄関部分には煉瓦を重ねただけの古いアーチ壁があり、亀裂の入った数段の階段の先には木製の入口扉が設置されています。
どうやらここから入るようです。
重厚な両開きの扉には取っ手がなく、中央に髑髏のレリーフとその口からは金属の輪が掛かっていました。
ドンドンっとノックすると、両扉が勝手に音を立てて開いたのです。
扉の中は真っ暗。
手持ちのランプに火を点けようとした瞬間、玄関ホールの蝋燭が一斉に点火しました。
ただ全ての蝋燭に火が付いた訳ではありません。
僕らの道を指し示すかのように、通路に沿ってのみ蝋燭が点灯していたのです。
まるで僕たちを案内するかのごとく、その蝋燭は通路の奥まで続いていました。
通路を抜けると、屋敷の規模には到底合わないほどの大ホール。
数十もの円卓席が並んでいました。
ただその中でも準備がされているテーブルは一つだけ。
ホールの真中央のテーブルのみ、燭台やテーブルクロスが準備されていたのです。
このテーブルで食事をしろということなのでしょう。
椅子も人数分用意されていましたね。
ようやく席についた時は、不安と緊張で汗がびっしょり。
それでもお腹は空くのだから不思議なものですよね。
注文を取りに来たウェイターは、行方不明になっていた冒険者。
まさかこの店で働いているなんて、誰も思わなかったでしょうね。
料理はおまかせコース料理のみ。
値段は時価とのことなので、少々不安が募りました。
待つこと10分ほど、早速一品目の料理が運ばれてきました。
「本日の前菜三種盛り」
お洒落に盛り付けられた料理は、彩り・素材・量ともに見事なバランスです。
香りもスパイシーで、食欲を誘う香辛料の使い方も見事ですね。
ただ使用されている食材が、このお店独自のもの。
通常では使われない素材がふんだんに使われているんです。
料理は端からポイズンクローラーとダンジョンホッパーのムース、トードストゥールマッシュルームのパイ包み、アコニチンサラダ。
そうです。この料理は全て強力な毒性をもつ料理ばかり!
迷宮レストランはなんと毒料理の専門店なんです。
全て毒抜きはしているようですが、さすがに抵抗がありますよね。
僕もはじめの一口を食べるのには、かなり勇気が要りましたよ。
ただ、その味わいは宮廷料理にも匹敵するくらい極上!
一口食べただけで思わずスプーンを落としそうになりましたね。
ポイズンクローラーとダンジョンホッパーのムースは、口当たりと濃厚な旨味が特徴です。
生クリームのような滑らかな食感で、口の中に入るとふわっと上品で芳醇な香りを残して淡雪のように消えてしまいます。
甘みと旨味のバランスが絶妙で、アクセントに加えたあら塩がより素材の味を引き立ててくれていますね。
口から消えてしまった後も余韻がいつまでも続き、また一口と思わず手が伸びてしまいます。
トードストゥールマッシュルームのパイ包みは、まさに香りの爆弾です。
パイを割ると、中からあふれ出るホワイトソースとともに、爽やかな樹木やベリー系の果実の香りが辺り一面に広がりました。
その中から登場する黄色や紫色の毒々しいキノコ。
香りはどうやらそのキノコから漂っているようです。
キノコの見た目は悪いですが、その味は格別!
酸味を含んだ爽やかな味わいに続き、うまみ成分がどっと口に押し寄せてきます。
舌にピリピリとした刺激も感じますが、それほど不快なものではないですね。
アコニチンサラダは、毒性の強いアゴニチンという植物を使用しています。
これは僕の故郷では「トリカブト」と呼ばれるもので、ごく少量口にするだけでも命を失ってしまう強力な毒素を持っています。
しかし、シェフの見事なテクニックで毒性は皆無。
毒性を気にせず安全に食べることが出来るのです。
アゴニチン自体は旨味は少ないですが、さっぱりとした後味が特徴です。
かかっている灰色のドレッシングの酸味をまろやかにし、清々しい香りも加えています。
クニュクニュとした食感も面白い。
サラダの中にアゴニチンが入っているだけで、そのサラダが何倍も美味しく感じるのは僕だけではないと思います。
これはとても面白い食材です。他の料理でも試したいですね。
しばらくすると、今度は肉料理が運ばれてきました。
本日の肉料理は【ダンジョンバイソンのサーロインステーキ】。
鉄板皿に盛られた大きなステーキで、いまだジュウジュウと音を立てています。
ただ、このステーキの香りが独特です。
ステーキから広がる香りは、まるで長期熟成したアオカビチーズ。
好みがはっきりと分かれる独特な香りが、あっという間に部屋中に充満しました。
ステーキを見ても一切チーズは使用している様子はありません。
ステーキ肉自体から強烈な匂いが溢れているのです。
実はこのステーキ、熟成肉を使用しているとのことですが、常温でそのまま放置しているそうです。
明らかな腐敗臭のように思いましたが、毒性はそれでも一切無いようです。
少し怖いですが、早速食べてみましょう。
まずは肉質のチェック。
ステーキにナイフを入れると、全く抵抗感が無くスッと切れました。
普通のステーキならここで肉汁が溢れますが、このステーキはほとんど肉汁が出ていません。
焼き加減はミディアムレアのようですが、断面は赤くはなくレンガ色。
しっかりと熟成されているようですね。
口に入れると刺激臭が鼻孔を通り抜けましたが、不思議と不快感がありません。
しかも、この刺激臭自体がアクセントになっているかのように、ステーキの個性を高めてくれています。
これは凄い!
熟成肉の強烈な旨味とコクが雪崩のように押し寄せてきます。
どっしりとした濃厚な赤身の旨味。これは熟成肉ならではでしょう。
その旨味をさらに高めているのが、このソース。
ステーキを焼くときに出た肉汁を使ったグレービーソースで、味わいの一体感がものすごいです。
熟成肉の旨味に負けない濃厚なコクは、料理の味わいをワンランク以上高めてくれているように思えます。
この料理に合うのは熟成された赤ワイン。
熟成された赤ワインのどっしりとした香りと味わいが、この料理の重厚さを正面から受け止めてくれるように思います。
コースは魚料理とデザートが続きました。
もちろんいずれの食材も毒性をもったものばかり。
確かに美味しいのですが、食べるには勇気がいる料理ばかりです。
あと、料金もコース一人前金貨20枚とかなり高額。
もしお店に行く際には、しっかりと軍資金を持っていきましょう。
店名:迷宮レストラン
予算:二十金貨以上
店の雰囲気 ★★★☆☆
店員の対応 ★★★☆☆
料理の味 ★★★★★★
コスパ ★★★☆☆
バラエティ ★★★☆☆
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