67 / 70
第5章 内戦編
第67話 冒険者ギルドに乗り込みますわ
しおりを挟む
お母様がいることを確信した私は、ギルドに到着した。
もともとオットーの実家を建て替え増築した建物。
元々の家とはまるで違う。
結構悪どく設けているらしく、街の外れにあるとは思えないほど立派な造りだ。
扉を開けて中に入ると、広めのホールとなる。
テーブルが何脚も置かれ、数組の冒険者たちがドリンクを飲みながら談笑している。
最近、パブのようにお酒や食事も出来るようになったとのこと。
相場料金の1.5倍を請求するところもオットーらしい悪どいやり方だ。
カウンターには受付嬢が4人。以前は3人だったが増員したらしい。
オットーのこだわりで、受付嬢は猫耳、巨乳、ロリ系の女の子は鉄板でそれぞれカウンターに付けている。
残りの一つのカウンターはサバサバしたお姉さん系の女性。この子もオットーの趣味だろう。
カウンターの上には、私の幼いころの肖像画がかかげられている。
その隣に魔法学園時代の私の肖像画が追加されていた。
いったいいつの間に。
肖像画の下にはファビアンのサインが。
あの男、私の絵を売りやがったな。
いつか会った時、モデル料をふんだくってやるわ!
私に気づいた冒険者たちがザワザワし始める。
「あの子ってメリー様じゃね?」
「ギルド長を瞬殺しただけじゃなく、ヘンリー殿下も足蹴にしたって言うぜ。」
「やーん、かわいい!どつき合ってみたいわ♡」
私の噂をし始める冒険者たちに気づいたギルド職員が、私の方へ向かって走ってきた。
「はぁはぁ、メ、メリー様。本日はどのようなご用件でしょう?」
息を切らせて走ってきたのは、黒髪の可愛い女の子。
歳は21、22くらいだろうか?童顔のため少女のようにも見える。
「本日はギルド長とオットーにご用があって参りましたの。お取次ぎしていただけないかしら?」
「ギルドマスターとオットーさまですか!今、2人はあの、その。」
しどろもどろになるギルドスタッフ。
何かを隠していることは明白だ。
「あなた、ギルド職員ならもっと堂々としなさい。2人は部屋にいるのね。」
「えっ、いや、あの、お二人はそうだ、外出してまして…。」
あなた、今{言い訳を思いついたのでしょ?
「おどきなさい。」
私は彼女の間をすり抜け、ギルド奥の扉へと向かった。
ガチャリ。
扉を開こうとすると鍵がかかっている。
さすがギルド長に続く扉。一重にも様々な種類の鍵が設置されていた。
全くもって怪しいわ。今まで鍵をかけていたことなんてないじゃない。
でも甘いわね。この世に私の行く手を阻むドアなんて存在しないのよ。
バキッ。
私が扉を押すと大きな音を立てて鍵が破壊された。
「あら?このドア壊れていますわよ?防犯対策がなっていませんわね。」
私がそう言うと冒険者たちが大きな歓声をあげる。
「なんてパワーだ!あんた凄すぎるよ。」
「不法侵入罪なんてメリー様には関係ないのよ!」
「修理代金貨3枚と銀貨2枚、後ほど請求いたしますぅぅ!」
歓声が鳴り止まない中、私はギルド長の部屋に向かって歩き始めた。
・・・・・・・・・・・
ギルド長の部屋の前。扉をノックしようとすると中から声が聞こえる。
咄嗟に扉に耳を立てる私。
中からオットーとマーサの声が聞こえて来た。
「お嬢様には・・・・・お時間がかかる・・・・・伝えなければ・・・・・。」
「そんな!お嬢様だって・・・・のはずですわ・・・・、そんなの・・・・よ。」
扉が厚いせいか、ほとんど会話が聞き取れない。
ただ、2人とも私のことを話しているのが分かる。
一体あなたたち、私に隠れて何をしてるのよ?
私は意を決してドアを開ける。
ギギギギ…
扉を開けると、マーサ、オットー、ギルド長、そしてお父様とお母様が座って紅茶を飲んでいた。
驚いた表情で私の方を振り返る面々。
マーサは豪快に飲んでいた紅茶を噴き出した。
あなたたち、私が納得できる説明をしてくださいますよね?
もともとオットーの実家を建て替え増築した建物。
元々の家とはまるで違う。
結構悪どく設けているらしく、街の外れにあるとは思えないほど立派な造りだ。
扉を開けて中に入ると、広めのホールとなる。
テーブルが何脚も置かれ、数組の冒険者たちがドリンクを飲みながら談笑している。
最近、パブのようにお酒や食事も出来るようになったとのこと。
相場料金の1.5倍を請求するところもオットーらしい悪どいやり方だ。
カウンターには受付嬢が4人。以前は3人だったが増員したらしい。
オットーのこだわりで、受付嬢は猫耳、巨乳、ロリ系の女の子は鉄板でそれぞれカウンターに付けている。
残りの一つのカウンターはサバサバしたお姉さん系の女性。この子もオットーの趣味だろう。
カウンターの上には、私の幼いころの肖像画がかかげられている。
その隣に魔法学園時代の私の肖像画が追加されていた。
いったいいつの間に。
肖像画の下にはファビアンのサインが。
あの男、私の絵を売りやがったな。
いつか会った時、モデル料をふんだくってやるわ!
私に気づいた冒険者たちがザワザワし始める。
「あの子ってメリー様じゃね?」
「ギルド長を瞬殺しただけじゃなく、ヘンリー殿下も足蹴にしたって言うぜ。」
「やーん、かわいい!どつき合ってみたいわ♡」
私の噂をし始める冒険者たちに気づいたギルド職員が、私の方へ向かって走ってきた。
「はぁはぁ、メ、メリー様。本日はどのようなご用件でしょう?」
息を切らせて走ってきたのは、黒髪の可愛い女の子。
歳は21、22くらいだろうか?童顔のため少女のようにも見える。
「本日はギルド長とオットーにご用があって参りましたの。お取次ぎしていただけないかしら?」
「ギルドマスターとオットーさまですか!今、2人はあの、その。」
しどろもどろになるギルドスタッフ。
何かを隠していることは明白だ。
「あなた、ギルド職員ならもっと堂々としなさい。2人は部屋にいるのね。」
「えっ、いや、あの、お二人はそうだ、外出してまして…。」
あなた、今{言い訳を思いついたのでしょ?
「おどきなさい。」
私は彼女の間をすり抜け、ギルド奥の扉へと向かった。
ガチャリ。
扉を開こうとすると鍵がかかっている。
さすがギルド長に続く扉。一重にも様々な種類の鍵が設置されていた。
全くもって怪しいわ。今まで鍵をかけていたことなんてないじゃない。
でも甘いわね。この世に私の行く手を阻むドアなんて存在しないのよ。
バキッ。
私が扉を押すと大きな音を立てて鍵が破壊された。
「あら?このドア壊れていますわよ?防犯対策がなっていませんわね。」
私がそう言うと冒険者たちが大きな歓声をあげる。
「なんてパワーだ!あんた凄すぎるよ。」
「不法侵入罪なんてメリー様には関係ないのよ!」
「修理代金貨3枚と銀貨2枚、後ほど請求いたしますぅぅ!」
歓声が鳴り止まない中、私はギルド長の部屋に向かって歩き始めた。
・・・・・・・・・・・
ギルド長の部屋の前。扉をノックしようとすると中から声が聞こえる。
咄嗟に扉に耳を立てる私。
中からオットーとマーサの声が聞こえて来た。
「お嬢様には・・・・・お時間がかかる・・・・・伝えなければ・・・・・。」
「そんな!お嬢様だって・・・・のはずですわ・・・・、そんなの・・・・よ。」
扉が厚いせいか、ほとんど会話が聞き取れない。
ただ、2人とも私のことを話しているのが分かる。
一体あなたたち、私に隠れて何をしてるのよ?
私は意を決してドアを開ける。
ギギギギ…
扉を開けると、マーサ、オットー、ギルド長、そしてお父様とお母様が座って紅茶を飲んでいた。
驚いた表情で私の方を振り返る面々。
マーサは豪快に飲んでいた紅茶を噴き出した。
あなたたち、私が納得できる説明をしてくださいますよね?
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
そのまさか
ハートリオ
恋愛
「そのまさかですわ、旦那様!」
ーーベナ・マギネは、16才の誕生日の前日、ギネオア邸3階からロープで脱出しようとして失敗、その際、残念前世をうっすら思い出し、今世をちゃんと生きようと、先ずは旦那様を色仕掛けで骨抜きにしようとトッチラカル・・!
前世が残念な事もある・・・何のスキルも無い事だってある・・・そんなベナが全力でトッチラカリます!
設定ゆ~るゆるです。緩い気持ちで読んで頂けると助かります。
第15回恋愛小説大賞にエントリーしました。
読んで、良いなと思ってもらえたら、投票お願いします。
短編ではないので長編選びますが、中編だと思います。
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
【完結】悪役令嬢のトゥルーロマンスは断罪から☆
白雨 音
恋愛
『生まれ変る順番を待つか、断罪直前の悪役令嬢の人生を代わって生きるか』
女神に選択を迫られた時、迷わずに悪役令嬢の人生を選んだ。
それは、その世界が、前世のお気に入り乙女ゲームの世界観にあり、
愛すべき推し…ヒロインの義兄、イレールが居たからだ!
彼に会いたい一心で、途中転生させて貰った人生、あなたへの愛に生きます!
異世界に途中転生した悪役令嬢ヴィオレットがハッピーエンドを目指します☆
《完結しました》
悪役令嬢は婚約破棄したいのに王子から溺愛されています。
白雪みなと
恋愛
この世界は乙女ゲームであると気づいた悪役令嬢ポジションのクリスタル・フェアリィ。
筋書き通りにやらないとどうなるか分かったもんじゃない。それに、貴族社会で生きていける気もしない。
ということで、悪役令嬢として候補に嫌われ、国外追放されるよう頑張るのだったが……。
王子さま、なぜ私を溺愛してらっしゃるのですか?
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
この異世界転生の結末は
冬野月子
恋愛
五歳の時に乙女ゲームの世界に悪役令嬢として転生したと気付いたアンジェリーヌ。
一体、自分に待ち受けているのはどんな結末なのだろう?
※「小説家になろう」にも投稿しています。
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
【完結】攻略を諦めたら騎士様に溺愛されました。悪役でも幸せになれますか?
うり北 うりこ
恋愛
メイリーンは、大好きな乙女ゲームに転生をした。しかも、ヒロインだ。これは、推しの王子様との恋愛も夢じゃない! そう意気込んで学園に入学してみれば、王子様は悪役令嬢のローズリンゼットに夢中。しかも、悪役令嬢はおかめのお面をつけている。
これは、巷で流行りの悪役令嬢が主人公、ヒロインが悪役展開なのでは?
命一番なので、攻略を諦めたら騎士様の溺愛が待っていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる