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63.ソフィアとアイリス

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皇帝からの指示によりエレナはレオンハルトに連絡を取る術を考えた。

 ~私がレオ様と一緒にいる時にレイナの所に転移した事があった...どうゆう仕組みで何が原因?

転移装置は現在の魔法技術では作れない。
結論としてはレオ様だから...で終わってしまう。

皇帝からは伝達する者にレオンハルトの居所を伝える事を指示されたが、自分の独断でレオンハルトの居所を教える訳にはいかない。

結果的に冒険者ギルドの帝都支部にお願いする事になる。

冒険者のスラム出身者の活躍により魔法師団との関係は良好であり、すぐにブリングルス支部のククルへと連絡を繋げることが出来た。

ククルからの折り返しの連絡により、レオンハルトはめっちゃ嫌な顔をしながら渋々帝都への帰還を承諾したらしい……

それでも、レオンハルトとは暫く会えないと思っていたエレナは嬉しかった。


時は少し遡り……

玉座の間から出たアイリスはソフィアに着いてくるようにと言われ、城内を歩いていた。

「アイリスさん。ここがレオ...いえ、レオンハルトの部屋よ。結婚をしたら貴女の部屋にもなるわね」


 ~そういえば、レオンハルト殿下はソフィア様と仲が良いと聞いていましたわね。
わたくしのことを受け入れてくれてるのかしら...でも、わたくしの心はレオ様に……


「いきなり婚約と言われて悩んでいるのかしら?」

「え...いえ、光栄に思っています」

「そうかしら?そんな顔には見えないわよ?私は平民の夫と仲良くなり結婚する事が出来て幸せだけど、政略結婚の可能性もあったから少しは貴女の気持ちもわかるわ。想いの方がいるのかしら?」

「え...そんな...事は...」

「アイリスさんは純粋なのね。嘘は付けないタイプみたいで安心したわ。レオンハルトは自分から行動は起こさないけど、やらなきゃならなくなったらやる子なのよ。少し内気な所はあるけど、アイリスさんと同じように純粋な子なの。」

「わたくしはレオンハルト殿下の事をよく知らないんです……」

「あの子は城から出る事はほとんどなかったのよ。私が連れ回してたくらいかしらね。目立ちたくないのか、隠れて物事をやろうとするのよ。レオの事を理解している人にはバレバレなんだけどね。」


アイリスの中で何かが繋がりそうだった。
レオンハルトの事をレオと呼んだソフィアの言葉。
物事を隠そうとする性格。


 ~もしかして……レオンハルト殿下はレオ様??名前を聞かれて咄嗟に出た言葉が愛称だった??

「ソフィア様...レオンハルト殿下は魔法を使えるのでしょうか?」

「それはアイリスさんが本人に聞いたらいいわ。すぐにわかるでしょうけどね」

ソフィアとしては将来義妹になるであろうアイリスに情報を送ってあげることにした。
アイリスの想い人が誰なのかはわからない。
だけど、パーティーで顔は合わせているはず。
エレナとレオンハルトは外では共に行動をしていないと思うけど、何かしらの接点に気がついていたら……

それは表情が緩み始めたアイリスを見て、ソフィアは確信に変わっていた。
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