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45.舐めてた

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俺たちは700層にたどり着こうとしていた。
そこで、今までよりも上位のモンスターの大群が押し寄せてきた。

しかも、このフロアは雪が降っている。
水属性が得意なエレナには不利な条件だ。



「2人とも俺から離れるなよ?」
「大丈夫ですレオ様。私の立体魔法陣の火属性で片付けます!」
「エレナお前は魔力を使いすぎだ!また魔力がなくなるぞ?」
「レオ様もまだ回復してないですよね?」

「ここは風強いので、レオンハルト様とエレナ様は温存してください。私の火と雷で錯乱させます!」

「なんだ?あの白い大きな狼は……まさかフェンリルか?」

「いえ、あれはスノーウルフと言って、ウルフの中でも上位種です……困りましたね」

「何がだ?」

「スノーウルフは魔法耐性があるんです。しかも群れとなるとAランク冒険者複数名で対応しなければならないモンスターです」

「厄介だが、俺が剣で対応すれば良いだけだ!」


軌道が見えたが、それは途中で止まっていた。

「なんだ?」

「レオ様!オークキングです!」

「レオンハルト様!私がオークキングを引き付けます!その間にスノーウルフを剣で対応をして頂いてよろしいですか?」

「大丈夫だ!戦えないほど魔力がない訳じゃないしな。」

「申し訳ありませんが、お願いします。」

ククルがオークキングに向かって走り出したのを見て、俺もスノーウルフの方へと走り出した。

スノーウルフの身体の軌道が見える。
ただ、スノーウルフの数が多い分、躱しきれないが俺の剣の軌道も……見えた!

その首に向かって剣を振り下ろしたが……硬い。

俺の魔力が少ないって事もあるが、単純にスノーウルフの毛皮が硬い。

打ちそびれたことでスノーウルフの爪が迫ってくる。

いつもなら赤い軌道が黒くなった。

ギリギリの所で物理障壁を張ったが爪から守れただけで、吹き飛ばされてしまった。

「レオ様!!」
「くっ...レオンハルト様!!」

俺に気を取られてククルもオークキングに吹き飛ばされてきた。


「くそっ……いてぇ……」

「レオンハルトさまっ!!」


俺はチート能力に目覚めてから、攻撃を当てられることはなかったし、ましてや皇子に暴力を振るう輩もいなかった。

いくら能力が高いとはいえ、所詮は生身の人間か……舐めてたな

「レオンハルト様……《ヒール》」

ククルの伸ばした手がギリギリ俺の肩に触れ、回復魔法を掛けてくれたのだが、オークキングとスノーウルフの追撃がククルに迫っていた。


ロックプリズン岩の監獄

突如として、俺たちの周りに岩が盛り上がり、覆った。

その中心には立体魔法陣。

「レオ様!ククルさん大丈夫ですか?」


間一髪エレナの機転により救われた形になった。


「エレナ助かった」
「いえ、魔力を使って強化した岩で囲んでますので、今日はここで休みましょう」


戦いながら一日で下層まで行く事は厳しいようだった。







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