31 / 76
31.成長速度
しおりを挟む
俺たちは、さっそくダンジョンに入った。
ギルドカードを見せると、簡単に入る事が出来たが、Fランクということで、ギルド職員から気をつけろと釘を刺された。
まぁ、仕方ない事だ。
俺は後衛だが、まだ序盤。
しかもカエデには俺の実力はバレてないし、前だけを向いて歩いていた。
もちろん、魔力感知でモンスターが現れたら分かるんだが。
そして、もう1人。
「レイナ、ここに段差あるから気をつけろよ」
「うん、大丈夫……」
前よりもレイナを気にするヴィン。
レイナはレイナで俺のすぐ前にいて、ちょこちょこと振り返ってきていた。
「モンスターが出たら俺がバッタバタにしてやる!見てろよ!!」
ヴィンはレイナにかっこいい所を見せたいんだろう。
レイナの方を気にしすぎだ。
「ヴィン!後ろばかり見てないで前を見る!前衛がモンスターを先に発見できないと全滅するよ」
「カエデさん、まだ序盤だろ?余裕だって!俺だって毎日訓練してるんだ。」
「ばか……もう少し先にモンスターの気配があるけど、気付いてんの?もっと集中しなさい」
「え?まじ??」
「はぁ……先が思いやられるわ。レイナとレオも後ろを気をつけなよ?挟み撃ちにされる前に回避しなきゃいけないんだから。後衛は後ろも気にする事!」
「あぁ、すまん」
カエデは、引率する先生のように俺たちの動きを見ている。実際は小柄な童顔だから子供の方がしっくり来るんだが……
「みんな、止まって!モンスターが来る」
俺の魔力感知でも2体のモンスターが近付いてる事はわかっていた。
魔力量からしても、そんなに強くないだろうが、カエデは警戒を怠らなかった。
「カエデさん、どこだよ?」
「ヴィン、上!」
「え?」
「ダンジョンバット。素早いコウモリ、でも噛むことしか出来ないから攻撃力は少ない。でも吸血されたら少し痺れるから油断しない!」
「わかった!俺に任せて!」
ヴィンもヴィンなりにレイナが死にそうになってから訓練してたんだろう。
前は棒立ちで剣を構えてたが、今は姿勢を低くして警戒している。
経験と言うよりも、素振りなど自主訓練の成果だろう。
「ちっ……くそっ!!」
「だから素早いって言ったでしょ!ちゃんと動きを見て!」
「あっ!レイナ!!」
ヴィンが剣を空かして、ダンジョンバットはレイナの方に向かったが、それをカエデが素早く切り落とした。
「ヴィン!油断しない!!コウモリは目よりも聴覚で敵を見つけてるの!剣は横に振って超音波に当てないようししなよ!」
「悪い……」
更に奥に進むと、5体のコボルトが現れた。
「ヴィンよく気付いたね」
「おう、でも集中!」
反省ができる事は良い事だが、いちいちレイナを見るのは辞めた方がいいな。
「あたしもっ!!《ウォーターランス》」
レイナの放った水の槍で1体のコボルトを倒した。
「やるな、レイナ」
「レオさん!ありがとうございます!」
俺の魔力付与は切れているのに、あの時に使えた魔法をしっかりと学んで、魔力付与が切れた後も使えるようにしたのか。
きっと何度も魔力枯渇状態にして、魔力量を少し上げる努力をしたのだろう。
「ほらっ、レイナも集中しなよ!ヴィンとレオも1体くらい倒したら?」
俺たちの動きを見ながらも、コボルト2体を倒していた。
俺とヴィンの前に1体ずつコボルトが立っている。
まず最初は俺。
「やってやる。《ファイアーボール》」
ファイアーボールが直撃したコボルトは吹き飛んで死んだ。
それと同時にヴィンも剣を一閃し、腹部を切り付けて倒した後、首を切った。
「レオさんすごい!!あと、ヴィンも」
ちょっと言い方は気になるが、俺は素直に嬉しかった。
何故なら、コントロールが出来て、オーバーキルをしなかったからだ。
「うん、みんな倒せたね。先に進むよ!」
カエデはちゃんと周りを見て、的確な指示を出す所は流石Cランクだ。
そんな偉い姿を見て、頭を撫でてあげたくなった事は内緒にしておこう。
みんな、努力をしているけど、ヴィンとレイナの成長速度に大きな差があると感じていた。
ギルドカードを見せると、簡単に入る事が出来たが、Fランクということで、ギルド職員から気をつけろと釘を刺された。
まぁ、仕方ない事だ。
俺は後衛だが、まだ序盤。
しかもカエデには俺の実力はバレてないし、前だけを向いて歩いていた。
もちろん、魔力感知でモンスターが現れたら分かるんだが。
そして、もう1人。
「レイナ、ここに段差あるから気をつけろよ」
「うん、大丈夫……」
前よりもレイナを気にするヴィン。
レイナはレイナで俺のすぐ前にいて、ちょこちょこと振り返ってきていた。
「モンスターが出たら俺がバッタバタにしてやる!見てろよ!!」
ヴィンはレイナにかっこいい所を見せたいんだろう。
レイナの方を気にしすぎだ。
「ヴィン!後ろばかり見てないで前を見る!前衛がモンスターを先に発見できないと全滅するよ」
「カエデさん、まだ序盤だろ?余裕だって!俺だって毎日訓練してるんだ。」
「ばか……もう少し先にモンスターの気配があるけど、気付いてんの?もっと集中しなさい」
「え?まじ??」
「はぁ……先が思いやられるわ。レイナとレオも後ろを気をつけなよ?挟み撃ちにされる前に回避しなきゃいけないんだから。後衛は後ろも気にする事!」
「あぁ、すまん」
カエデは、引率する先生のように俺たちの動きを見ている。実際は小柄な童顔だから子供の方がしっくり来るんだが……
「みんな、止まって!モンスターが来る」
俺の魔力感知でも2体のモンスターが近付いてる事はわかっていた。
魔力量からしても、そんなに強くないだろうが、カエデは警戒を怠らなかった。
「カエデさん、どこだよ?」
「ヴィン、上!」
「え?」
「ダンジョンバット。素早いコウモリ、でも噛むことしか出来ないから攻撃力は少ない。でも吸血されたら少し痺れるから油断しない!」
「わかった!俺に任せて!」
ヴィンもヴィンなりにレイナが死にそうになってから訓練してたんだろう。
前は棒立ちで剣を構えてたが、今は姿勢を低くして警戒している。
経験と言うよりも、素振りなど自主訓練の成果だろう。
「ちっ……くそっ!!」
「だから素早いって言ったでしょ!ちゃんと動きを見て!」
「あっ!レイナ!!」
ヴィンが剣を空かして、ダンジョンバットはレイナの方に向かったが、それをカエデが素早く切り落とした。
「ヴィン!油断しない!!コウモリは目よりも聴覚で敵を見つけてるの!剣は横に振って超音波に当てないようししなよ!」
「悪い……」
更に奥に進むと、5体のコボルトが現れた。
「ヴィンよく気付いたね」
「おう、でも集中!」
反省ができる事は良い事だが、いちいちレイナを見るのは辞めた方がいいな。
「あたしもっ!!《ウォーターランス》」
レイナの放った水の槍で1体のコボルトを倒した。
「やるな、レイナ」
「レオさん!ありがとうございます!」
俺の魔力付与は切れているのに、あの時に使えた魔法をしっかりと学んで、魔力付与が切れた後も使えるようにしたのか。
きっと何度も魔力枯渇状態にして、魔力量を少し上げる努力をしたのだろう。
「ほらっ、レイナも集中しなよ!ヴィンとレオも1体くらい倒したら?」
俺たちの動きを見ながらも、コボルト2体を倒していた。
俺とヴィンの前に1体ずつコボルトが立っている。
まず最初は俺。
「やってやる。《ファイアーボール》」
ファイアーボールが直撃したコボルトは吹き飛んで死んだ。
それと同時にヴィンも剣を一閃し、腹部を切り付けて倒した後、首を切った。
「レオさんすごい!!あと、ヴィンも」
ちょっと言い方は気になるが、俺は素直に嬉しかった。
何故なら、コントロールが出来て、オーバーキルをしなかったからだ。
「うん、みんな倒せたね。先に進むよ!」
カエデはちゃんと周りを見て、的確な指示を出す所は流石Cランクだ。
そんな偉い姿を見て、頭を撫でてあげたくなった事は内緒にしておこう。
みんな、努力をしているけど、ヴィンとレイナの成長速度に大きな差があると感じていた。
27
お気に入りに追加
1,102
あなたにおすすめの小説
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる