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第3章
第9夜 光跳星約束(4)
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夜の街を見下ろす窓辺に、俺と先輩の影が寄り添っていた。空き教室には卒業式の余韻が漂い、別れの時間が近づいてくる。先輩は卒業証書を胸に抱き、夜空を見上げていた。その目に映る星たちは、これからへの期待と不安でキラキラ輝いていた。
俺は机に座り、先輩の横顔をじっと見つめた。暗闇の中で光る街の明かりが、先輩の姿を優しく照らしていた。その光景を見て、俺の胸がキュッと締まった。たった1年間の思い出が、頭の中で次々とよみがえってきた。
「ねえ、蛍くん」
先輩の声が静かな教室に響いた。その声には、ちょっと寂しそうな感じと強い決意が混ざっていた。
「なんですか?」
俺は、小さな声で答えた。
「私ね、この星での日々を思い出してたの」
先輩の言葉に、俺は黙ってうなずいた。その表情には、懐かしさと未知への不安が交錯していた。
「どうでした?」
俺はそっと聞いた。頭の中に、二人で見た沢山の星空の思い出がよみがえってきた。
「宝物だよ。ぜんぶ、かけがえのない時間だったよ」
先輩の笑顔を見て、俺の心の中のモヤモヤが晴れていくのを感じた。
「嬉しかった。楽しかった。……失うのが、悲しい」
「先輩……」
「——ずっとひとりだったから。天文部も私一人だったし、それに、ほら、学年で移住不適合だったの、私だけだったし……」
俺たちの間に、星空みたいな静けさが広がった。その沈黙の中に、たくさんの思い出が詰まってるみたいだった。俺は、胸の中でぐるぐる渦を巻く気持ちを必死に押さえ込もうとした。それでも、目の端がじわっと熱くなってきた。
先輩は、ちょっと無理して笑おうとしてるみたいだった。
「泣くなよ、後輩っ」
「えっ」
「私が泣きたくなるじゃん」
そう言って、俺の頭をポンポンって撫でた。その仕草に、今までの全ての思い出が詰まってるみたいだった。
「先輩、俺……もう会えなくなっちゃうなんて」
俺の声が震えて、言葉が出てこなかった。気持ちが溢れすぎて、うまく言えない。
「大丈夫だよ」
先輩の声は、夜空の星みたいに強くて、優しかった。
「私たちの絆は、四光年くらい越えられる」
「先輩……」
「私も笑ってるから、蛍くんも笑顔でいてね」
先輩の温かい手が俺の頬に優しく触れて、柔らかく微笑んだ。
ふと、先輩が髪をかきあげた瞬間、きれいな形の耳が覗いた。丸みを帯びた顎のラインが、優しい印象を与えている。首を傾げた先輩の仕草に、俺は息を呑んだ。首筋に小さなほくろが見える。それは、まるで星座の一部のようだった。
急に、昔の記憶がよみがえってきた。小学校の時、転校してきた女の子のことを思い出した。
「先輩……」
俺は少し迷いながらも、話し始めた。
「もしかして、先輩と俺、小学生の時に会ったことあります?」
先輩は少し驚いたみたいで、首をかしげた。
「え? どういうこと?」
「あの、小学生の時に転校してきた女の子がいて、俺が先生に頼まれてその子とよく話してたんです」
先輩はちょっと考えてる様子だったけど、すぐに優しく笑った。
「蛍くん、きっと人違いだよ」
「そうですか……そうですよね。実は、その子にお礼を言いたかったんです。でも言えないうちに、その子が転校しちゃって……」
「ああ、そういうことってあるよね」
その言葉を聞いて、俺はちょっと困惑した。でも、先輩の優しい笑顔を見たら、もうそれ以上聞く勇気が出なかった。
「ごめんなさい……なんか、すごく似てる気がして、つい聞いちゃいました」
先輩は優しく笑って、俺の肩をポンと叩いた。
「私たちが出会ったのは高校からだよ。それだけでも十分特別だと思わない?」
その言葉を聞いて、俺はホッとして心が温かくなった。小学校の記憶が間違いだったとしても、今ここにいる先輩との絆は本物だって思えた。
窓の外では、永遠の夜の街が、俺たちの別れを見守るみたいにキラキラ光ってた。街灯の明かりが涙みたいにゆらゆらして、建物の形が星座みたいに見えた。
「ねえ、最後にお願いがあるの」
先輩が少し照れくさそうに言った。俺はドキッとした。
「なんです?」
「蛍くんの、心臓の音を聞かせて」
俺は一瞬驚いたけど、先輩の真剣な顔を見てすぐに首を縦に振った。
「いいですよ、どうぞ」
俺はゆっくり立ち上がって、先輩に近寄った。優しく先輩を抱きしめると、先輩は目を閉じて、俺の胸に耳を当てた。俺たちの心臓の音が、宇宙の鼓動みたいに一緒に響いてる。その音は、言葉よりもはっきりと俺たちの気持ちを伝えてた。
時間が止まったみたいな静けさの中で、俺たちはお互いの存在を感じ合ってた。別れの時間なのに、何か新しいものが始まるような予感がした。
しばらく、二人とも黙ったまま。そして、先輩がゆっくり顔を上げた。
「ねえ、蛍くん」
先輩の声は優しくて柔らかかった。
「今度は私の心臓の音、聞いてみる?」
俺は少しビックリしたけど、優しくうなずいた。今度は俺が先輩の胸に耳を当てた。先輩の心臓の音が、俺の心を優しく包んでくれるみたいだった。
その時、ふと思いついた。
「先輩、もう一つ聞いてもらいたいものがあるんです」
「え? 何?」
先輩が不思議そうな顔で聞いてきた。俺はポケットからスマートフォンを取り出した。
「あの学園祭の時に作った曲、覚えてます?」
先輩の目が驚いたように大きく開いた。
「ええ、もちろん覚えてるよ」
俺はイヤホンを取り出して、片方を先輩に渡した。先輩は笑顔でそれを受け取った。
俺がスマホの画面をタッチすると、懐かしい曲が流れ始めた。先輩の顔に、驚きと感動が混ざった表情が浮かんだ。
「すごい。歌詞まで付けたの?」
先輩の声が少し震えてた。
「俺、この曲をずっと大切にしてたんです」
俺たちは黙って、流れる音楽を聴いた。星が輝くようなメロディーが、二人の心を優しく包んでいた。
ボーカロイドの声が歌う中で、俺たちは目を合わせた。あの日の朝焼けみたいなプラネタリウム、二人で作ったメロディー、そして今までの全ての思い出が、この曲になって心に響いてきた。
「蛍くん……」
先輩の目に涙が光った。
「実はね……私も、この曲のデータを、あの星に持って行こうと思ってたんだ」
「えっ? 本当ですか?」
「だって、この曲を聴くと蛍くんとの思い出がよみがえってくるから」
俺は何も言えなくなった。先輩の目に、あの日の朝焼けが映ってるみたいだった。
「じゃあ、約束してください」
俺は拳を握りしめながら言った。
「どこにいても、この曲を聴いたらお互いのことを思い出す」
「うん、わかった。約束だよ」
先輩が優しくうなずいた。その瞬間、俺たちの絆が音楽で更に強くなった気がした。終わらない夜の街に、二人で作った曲がそっと流れる。それは別れの歌だけど、また会えるって約束の歌でもあった。
曲が終わりに近づいて、俺たちは黙って見つめ合った。言葉にできない気持ちが、この音楽と一緒に心に深く刻まれていく感じがした。
最後の音が消えていく中で、先輩が急に聞いてきた。
「ねえ、蛍くん。この曲のタイトル、何て言うの? 教えて」
「あ、えっと」
俺は大きく息を吸って、優しく答えた。
「星色卒業式」
その瞬間、先輩の目に星が輝いたみたいだった。二人の間の静けさが、この曲の名前の意味を言葉以上に伝えていた。
俺たちは最後にもう一度見つめ合って、そっと手をつないだ。その手のぬくもりが、終わらない夜を照らす光みたいに、お互いの心に深く残っていく。
「じゃあ、またね」
先輩はそう言って、ゆっくりと教室を出て行った。
絶対にまた会える。どんなに遠い星の向こうでも——。俺は心の中で固く誓った。その言葉は、約束で、お願いで、そして新しい冒険の始まりだった。
教室に一人残された俺は、窓の外を見た。終わらない夜空にキラキラ光る星たちが、先輩の行く場所を教えてくれてるみたいだった。そして俺は、いつかその星たちの向こうで、また先輩に会えると信じてた。そう思うと、俺の心に新しい希望の星が光ったんだ。
窓ガラスに映る自分の顔を見て、俺は少し笑った。先輩が外したイヤホンを、自分の耳に入れる。また曲が流れ始める。ボリュームを最大にして、大声で泣いた。
俺は机に座り、先輩の横顔をじっと見つめた。暗闇の中で光る街の明かりが、先輩の姿を優しく照らしていた。その光景を見て、俺の胸がキュッと締まった。たった1年間の思い出が、頭の中で次々とよみがえってきた。
「ねえ、蛍くん」
先輩の声が静かな教室に響いた。その声には、ちょっと寂しそうな感じと強い決意が混ざっていた。
「なんですか?」
俺は、小さな声で答えた。
「私ね、この星での日々を思い出してたの」
先輩の言葉に、俺は黙ってうなずいた。その表情には、懐かしさと未知への不安が交錯していた。
「どうでした?」
俺はそっと聞いた。頭の中に、二人で見た沢山の星空の思い出がよみがえってきた。
「宝物だよ。ぜんぶ、かけがえのない時間だったよ」
先輩の笑顔を見て、俺の心の中のモヤモヤが晴れていくのを感じた。
「嬉しかった。楽しかった。……失うのが、悲しい」
「先輩……」
「——ずっとひとりだったから。天文部も私一人だったし、それに、ほら、学年で移住不適合だったの、私だけだったし……」
俺たちの間に、星空みたいな静けさが広がった。その沈黙の中に、たくさんの思い出が詰まってるみたいだった。俺は、胸の中でぐるぐる渦を巻く気持ちを必死に押さえ込もうとした。それでも、目の端がじわっと熱くなってきた。
先輩は、ちょっと無理して笑おうとしてるみたいだった。
「泣くなよ、後輩っ」
「えっ」
「私が泣きたくなるじゃん」
そう言って、俺の頭をポンポンって撫でた。その仕草に、今までの全ての思い出が詰まってるみたいだった。
「先輩、俺……もう会えなくなっちゃうなんて」
俺の声が震えて、言葉が出てこなかった。気持ちが溢れすぎて、うまく言えない。
「大丈夫だよ」
先輩の声は、夜空の星みたいに強くて、優しかった。
「私たちの絆は、四光年くらい越えられる」
「先輩……」
「私も笑ってるから、蛍くんも笑顔でいてね」
先輩の温かい手が俺の頬に優しく触れて、柔らかく微笑んだ。
ふと、先輩が髪をかきあげた瞬間、きれいな形の耳が覗いた。丸みを帯びた顎のラインが、優しい印象を与えている。首を傾げた先輩の仕草に、俺は息を呑んだ。首筋に小さなほくろが見える。それは、まるで星座の一部のようだった。
急に、昔の記憶がよみがえってきた。小学校の時、転校してきた女の子のことを思い出した。
「先輩……」
俺は少し迷いながらも、話し始めた。
「もしかして、先輩と俺、小学生の時に会ったことあります?」
先輩は少し驚いたみたいで、首をかしげた。
「え? どういうこと?」
「あの、小学生の時に転校してきた女の子がいて、俺が先生に頼まれてその子とよく話してたんです」
先輩はちょっと考えてる様子だったけど、すぐに優しく笑った。
「蛍くん、きっと人違いだよ」
「そうですか……そうですよね。実は、その子にお礼を言いたかったんです。でも言えないうちに、その子が転校しちゃって……」
「ああ、そういうことってあるよね」
その言葉を聞いて、俺はちょっと困惑した。でも、先輩の優しい笑顔を見たら、もうそれ以上聞く勇気が出なかった。
「ごめんなさい……なんか、すごく似てる気がして、つい聞いちゃいました」
先輩は優しく笑って、俺の肩をポンと叩いた。
「私たちが出会ったのは高校からだよ。それだけでも十分特別だと思わない?」
その言葉を聞いて、俺はホッとして心が温かくなった。小学校の記憶が間違いだったとしても、今ここにいる先輩との絆は本物だって思えた。
窓の外では、永遠の夜の街が、俺たちの別れを見守るみたいにキラキラ光ってた。街灯の明かりが涙みたいにゆらゆらして、建物の形が星座みたいに見えた。
「ねえ、最後にお願いがあるの」
先輩が少し照れくさそうに言った。俺はドキッとした。
「なんです?」
「蛍くんの、心臓の音を聞かせて」
俺は一瞬驚いたけど、先輩の真剣な顔を見てすぐに首を縦に振った。
「いいですよ、どうぞ」
俺はゆっくり立ち上がって、先輩に近寄った。優しく先輩を抱きしめると、先輩は目を閉じて、俺の胸に耳を当てた。俺たちの心臓の音が、宇宙の鼓動みたいに一緒に響いてる。その音は、言葉よりもはっきりと俺たちの気持ちを伝えてた。
時間が止まったみたいな静けさの中で、俺たちはお互いの存在を感じ合ってた。別れの時間なのに、何か新しいものが始まるような予感がした。
しばらく、二人とも黙ったまま。そして、先輩がゆっくり顔を上げた。
「ねえ、蛍くん」
先輩の声は優しくて柔らかかった。
「今度は私の心臓の音、聞いてみる?」
俺は少しビックリしたけど、優しくうなずいた。今度は俺が先輩の胸に耳を当てた。先輩の心臓の音が、俺の心を優しく包んでくれるみたいだった。
その時、ふと思いついた。
「先輩、もう一つ聞いてもらいたいものがあるんです」
「え? 何?」
先輩が不思議そうな顔で聞いてきた。俺はポケットからスマートフォンを取り出した。
「あの学園祭の時に作った曲、覚えてます?」
先輩の目が驚いたように大きく開いた。
「ええ、もちろん覚えてるよ」
俺はイヤホンを取り出して、片方を先輩に渡した。先輩は笑顔でそれを受け取った。
俺がスマホの画面をタッチすると、懐かしい曲が流れ始めた。先輩の顔に、驚きと感動が混ざった表情が浮かんだ。
「すごい。歌詞まで付けたの?」
先輩の声が少し震えてた。
「俺、この曲をずっと大切にしてたんです」
俺たちは黙って、流れる音楽を聴いた。星が輝くようなメロディーが、二人の心を優しく包んでいた。
ボーカロイドの声が歌う中で、俺たちは目を合わせた。あの日の朝焼けみたいなプラネタリウム、二人で作ったメロディー、そして今までの全ての思い出が、この曲になって心に響いてきた。
「蛍くん……」
先輩の目に涙が光った。
「実はね……私も、この曲のデータを、あの星に持って行こうと思ってたんだ」
「えっ? 本当ですか?」
「だって、この曲を聴くと蛍くんとの思い出がよみがえってくるから」
俺は何も言えなくなった。先輩の目に、あの日の朝焼けが映ってるみたいだった。
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「うん、わかった。約束だよ」
先輩が優しくうなずいた。その瞬間、俺たちの絆が音楽で更に強くなった気がした。終わらない夜の街に、二人で作った曲がそっと流れる。それは別れの歌だけど、また会えるって約束の歌でもあった。
曲が終わりに近づいて、俺たちは黙って見つめ合った。言葉にできない気持ちが、この音楽と一緒に心に深く刻まれていく感じがした。
最後の音が消えていく中で、先輩が急に聞いてきた。
「ねえ、蛍くん。この曲のタイトル、何て言うの? 教えて」
「あ、えっと」
俺は大きく息を吸って、優しく答えた。
「星色卒業式」
その瞬間、先輩の目に星が輝いたみたいだった。二人の間の静けさが、この曲の名前の意味を言葉以上に伝えていた。
俺たちは最後にもう一度見つめ合って、そっと手をつないだ。その手のぬくもりが、終わらない夜を照らす光みたいに、お互いの心に深く残っていく。
「じゃあ、またね」
先輩はそう言って、ゆっくりと教室を出て行った。
絶対にまた会える。どんなに遠い星の向こうでも——。俺は心の中で固く誓った。その言葉は、約束で、お願いで、そして新しい冒険の始まりだった。
教室に一人残された俺は、窓の外を見た。終わらない夜空にキラキラ光る星たちが、先輩の行く場所を教えてくれてるみたいだった。そして俺は、いつかその星たちの向こうで、また先輩に会えると信じてた。そう思うと、俺の心に新しい希望の星が光ったんだ。
窓ガラスに映る自分の顔を見て、俺は少し笑った。先輩が外したイヤホンを、自分の耳に入れる。また曲が流れ始める。ボリュームを最大にして、大声で泣いた。
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