44 / 56
4.朔
第24夜 優柔と不断(下)
しおりを挟む
困った。こんな序盤でモタモタしている時間はない。これはシミュレータだから何を失敗しても大丈夫。やれるだけやってみよう。私は今にも喉の奥から出てきそうな優柔不断をぐっと飲み込んだ。
「分かった。待ってて。私、やってみる!」
頬を引きつらせた無理矢理の笑顔。ユキくんが「頼んだよ」と優しく笑った。
VRゴーグルを覗くとそこは縦孔(たてあな)の底、月の地下洞窟。扉が出すクロスワードパズルを即座に解いて開錠し、アルミ格子の中へ進む。ライトに照らし出された1番コンテナから、暗闇の奥にある9番コンテナまでの距離はゆうに50メートルはある。
保守部品として用意された量子通信グレードの光ファイバーは20メートル。全然足りない。レネさんが「量子データの移動に中継器を使っちゃダメよ」と言っていたのがボディーブローのように効いてくる。コンテナ間をバケツリレーもできない。
残る道は1つ――物理的に移動させるしかない。
私が静かに「9番コンテナ」と指示すると、ローバーはゆっくりと通路を進んだ。データが入るブレードをラックから引き抜き、1番コンテナまで運ぶ作戦だ。得意のロボットアーム操作で扉を開けると、無数のLEDがチカチカと点滅するサーバーラックが現れた。
(一体どのブレードを抜きとればいいんだろう?)
私は沈黙してしまった。
「キョウカさん! 〈火鼠の皮衣〉だよ。思い出して!」
聞こえるユキくんの優しい声にハッとする。
(そうだ、これはレネさんの〈課題3〉と同じ状況だ!)
レネさんがデータに取り付けた識別タグは、決まった周期でアクセスを繰り返す自己修復プログラムとして機能していた。こうしておけば、ブレードの緑色LEDがビーコンのように決まった周期で点滅するから、迷子になっても物理的に見つけ出せる。ノイズからデータを護りながら一緒に助けを待ち続ける、まるで山岳救助犬みたい。なかなかよく考えられた仕組みである。
竹取物語のかぐや姫は、炎に入れても焼けることのない幻の衣を求めた。レネさんのは違った。燃え盛るように点滅する無数のLEDの中から、決まった周期で点滅するものを探し出すのだ。
私はすぐに解析プログラムを呼び出した。
「ようし。上手くサンプリングできた!」
お目当てのブレードに蛍光オレンジの印がオーバーレイ表示される。
「えーと……あれ? 3番と……30番のスロットにも反応?」
おかしい。
レネさんのデータは1箇所だと思っていた。ローバーの優柔不断AIは「この2個から先は決められないから、あとはよろしくー」とばかりに判断を停止した。
「えええ!? こらー、ちゃんと働けぇ!」
「キョウカちゃん、少し急いで」
アヤの焦る声が聞こえた。私の優柔不断が試されていた。シミュレーター上の時刻は23時を回り、もう月食が始まっていた。コントローラーを握る手がじわりと汗ばんだ。
(3番と30番。どっち? どっちが正解なの? 優柔と不断のどっちがダメなの?)
なかなか決められない。
「ねぇ、どっち? どっちにする!?」
ゴーグルをかけたまま「ねぇアヤちゃん!」「羽合先輩?」と叫ぶも返事はない。
「得居先生、ショーコさん……」
誰からも返事はなく、私の声はそのまま虚しく宙へと消えた。
「――だめだ、決められないよ……」
「落ち着いて」
ユキくんがと耳元で優しく声をかけた。
「大丈夫だよ。この世界は、キョウカさんが選んだ世界なんだから。誰も文句は言わないさ。思ったとおり、やってごらん」
私は大きく深呼吸して、コクリとうなずいた。
(バイバイ、優柔。さよなら、不断)
「どうする?」
「――両方とも、抜く」
私はすぐさまロボットアームで3番と30番の停止ボタンを押した。そして慎重に2つのスロットからブレードを引き抜いた。
吹付けコンクリートのデコボコした足場。なんとも把持しにくい取っ手。ブレードを両手に持つ無防備なローバーにコンテナの扉が閉まりかけてぶつかるなんていう意地悪トラブルも、ぜんぶ想定済みだ。
これは〈燕の子安貝〉と〈龍の頸の珠〉の2つの課題で訓練した通りだ。私のAIに死角はない! 妙に納得し、慎重に操縦を続けた。ローバーは命令通り危なげなく作業を進め、1番コンテナへと移動を開始した。やがて1番コンテナの空きスロットに2本のブレードが差し込まれると、息を吹き返したようにLEDが点灯した。鼓動のような点滅を見届けると、私はゴーグルを外して「ふぅう」と深い息をついた。緊張の糸が、緩やかに解けていく。
「ユキくん、あとお願い」
「ご苦労さん。頑張ったね」
優しく声をかけられ、私は乱れる髪もそのままにエヘヘとはにかんだ顔を見せた。ユキくんはすぐにプログラムを再実行する準備にかかった。
アヤは計算機班のテーブルにやってきて、2年生に混じりモニターに食いついた。ユキくんから「月面望遠鏡、準備OKですよね?」と聞かれ、彼女は手をふる先輩に微笑んだ。
「OK」
皆既月食が始まり、暗闇に包まれる月面基地。望遠鏡が通信衛星〈かささぎ〉からのレーザーをキャッチすると、その観測データがすぐに地下の1番コンテナに送られた。
先輩とアイコンタクトを取り、ユキくんが静かにエンターキーを押す。その瞬間、量子コンピューターでベル測定プログラムが走りだした。
5%……10%……15%……20%……。
「今度は大丈夫?」
「おそらく」
進捗バーはゆっくりと100%まで伸びきり、レシピの出力が通知される。ほんの10秒ほどの時間が、とても長く感じられた。さあ、地球に帰っておいで――。私は静かに祈った。
シミュレーターによる演習はここまでだ。あとは「材料」と「レシピ」が屋上の望遠鏡に届けば、作戦完了まで残りワンクリック。ショーコさんの持ち込んだ検出器に光を集め、分析プログラムにかければいい。
私はこの夜、優柔も不断も、何もかも抱きしめてもらったような気分で、ユキくんに家まで送ってもらった。
「分かった。待ってて。私、やってみる!」
頬を引きつらせた無理矢理の笑顔。ユキくんが「頼んだよ」と優しく笑った。
VRゴーグルを覗くとそこは縦孔(たてあな)の底、月の地下洞窟。扉が出すクロスワードパズルを即座に解いて開錠し、アルミ格子の中へ進む。ライトに照らし出された1番コンテナから、暗闇の奥にある9番コンテナまでの距離はゆうに50メートルはある。
保守部品として用意された量子通信グレードの光ファイバーは20メートル。全然足りない。レネさんが「量子データの移動に中継器を使っちゃダメよ」と言っていたのがボディーブローのように効いてくる。コンテナ間をバケツリレーもできない。
残る道は1つ――物理的に移動させるしかない。
私が静かに「9番コンテナ」と指示すると、ローバーはゆっくりと通路を進んだ。データが入るブレードをラックから引き抜き、1番コンテナまで運ぶ作戦だ。得意のロボットアーム操作で扉を開けると、無数のLEDがチカチカと点滅するサーバーラックが現れた。
(一体どのブレードを抜きとればいいんだろう?)
私は沈黙してしまった。
「キョウカさん! 〈火鼠の皮衣〉だよ。思い出して!」
聞こえるユキくんの優しい声にハッとする。
(そうだ、これはレネさんの〈課題3〉と同じ状況だ!)
レネさんがデータに取り付けた識別タグは、決まった周期でアクセスを繰り返す自己修復プログラムとして機能していた。こうしておけば、ブレードの緑色LEDがビーコンのように決まった周期で点滅するから、迷子になっても物理的に見つけ出せる。ノイズからデータを護りながら一緒に助けを待ち続ける、まるで山岳救助犬みたい。なかなかよく考えられた仕組みである。
竹取物語のかぐや姫は、炎に入れても焼けることのない幻の衣を求めた。レネさんのは違った。燃え盛るように点滅する無数のLEDの中から、決まった周期で点滅するものを探し出すのだ。
私はすぐに解析プログラムを呼び出した。
「ようし。上手くサンプリングできた!」
お目当てのブレードに蛍光オレンジの印がオーバーレイ表示される。
「えーと……あれ? 3番と……30番のスロットにも反応?」
おかしい。
レネさんのデータは1箇所だと思っていた。ローバーの優柔不断AIは「この2個から先は決められないから、あとはよろしくー」とばかりに判断を停止した。
「えええ!? こらー、ちゃんと働けぇ!」
「キョウカちゃん、少し急いで」
アヤの焦る声が聞こえた。私の優柔不断が試されていた。シミュレーター上の時刻は23時を回り、もう月食が始まっていた。コントローラーを握る手がじわりと汗ばんだ。
(3番と30番。どっち? どっちが正解なの? 優柔と不断のどっちがダメなの?)
なかなか決められない。
「ねぇ、どっち? どっちにする!?」
ゴーグルをかけたまま「ねぇアヤちゃん!」「羽合先輩?」と叫ぶも返事はない。
「得居先生、ショーコさん……」
誰からも返事はなく、私の声はそのまま虚しく宙へと消えた。
「――だめだ、決められないよ……」
「落ち着いて」
ユキくんがと耳元で優しく声をかけた。
「大丈夫だよ。この世界は、キョウカさんが選んだ世界なんだから。誰も文句は言わないさ。思ったとおり、やってごらん」
私は大きく深呼吸して、コクリとうなずいた。
(バイバイ、優柔。さよなら、不断)
「どうする?」
「――両方とも、抜く」
私はすぐさまロボットアームで3番と30番の停止ボタンを押した。そして慎重に2つのスロットからブレードを引き抜いた。
吹付けコンクリートのデコボコした足場。なんとも把持しにくい取っ手。ブレードを両手に持つ無防備なローバーにコンテナの扉が閉まりかけてぶつかるなんていう意地悪トラブルも、ぜんぶ想定済みだ。
これは〈燕の子安貝〉と〈龍の頸の珠〉の2つの課題で訓練した通りだ。私のAIに死角はない! 妙に納得し、慎重に操縦を続けた。ローバーは命令通り危なげなく作業を進め、1番コンテナへと移動を開始した。やがて1番コンテナの空きスロットに2本のブレードが差し込まれると、息を吹き返したようにLEDが点灯した。鼓動のような点滅を見届けると、私はゴーグルを外して「ふぅう」と深い息をついた。緊張の糸が、緩やかに解けていく。
「ユキくん、あとお願い」
「ご苦労さん。頑張ったね」
優しく声をかけられ、私は乱れる髪もそのままにエヘヘとはにかんだ顔を見せた。ユキくんはすぐにプログラムを再実行する準備にかかった。
アヤは計算機班のテーブルにやってきて、2年生に混じりモニターに食いついた。ユキくんから「月面望遠鏡、準備OKですよね?」と聞かれ、彼女は手をふる先輩に微笑んだ。
「OK」
皆既月食が始まり、暗闇に包まれる月面基地。望遠鏡が通信衛星〈かささぎ〉からのレーザーをキャッチすると、その観測データがすぐに地下の1番コンテナに送られた。
先輩とアイコンタクトを取り、ユキくんが静かにエンターキーを押す。その瞬間、量子コンピューターでベル測定プログラムが走りだした。
5%……10%……15%……20%……。
「今度は大丈夫?」
「おそらく」
進捗バーはゆっくりと100%まで伸びきり、レシピの出力が通知される。ほんの10秒ほどの時間が、とても長く感じられた。さあ、地球に帰っておいで――。私は静かに祈った。
シミュレーターによる演習はここまでだ。あとは「材料」と「レシピ」が屋上の望遠鏡に届けば、作戦完了まで残りワンクリック。ショーコさんの持ち込んだ検出器に光を集め、分析プログラムにかければいい。
私はこの夜、優柔も不断も、何もかも抱きしめてもらったような気分で、ユキくんに家まで送ってもらった。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
「南風の頃に」~ノダケンとその仲間達~
kitamitio
青春
合格するはずのなかった札幌の超難関高に入学してしまった野球少年の野田賢治は、野球部員たちの執拗な勧誘を逃れ陸上部に入部する。北海道の海沿いの田舎町で育った彼は仲間たちの優秀さに引け目を感じる生活を送っていたが、長年続けて来た野球との違いに戸惑いながらも陸上競技にのめりこんでいく。「自主自律」を校訓とする私服の学校に敢えて詰襟の学生服を着ていくことで自分自身の存在を主張しようとしていた野田賢治。それでも新しい仲間が広がっていく中で少しずつ変わっていくものがあった。そして、隠していた野田賢治自身の過去について少しずつ知らされていく……。
全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―
入海月子
青春
佐伯優は高校1年生。カメラが趣味。ある日、高校の屋上で出会った超美形の先輩、久住遥斗にモデルになってもらうかわりに、彼の昼食を用意する約束をした。
遥斗はなぜか学校に住みついていて、衣食は女生徒からもらったものでまかなっていた。その報酬とは遥斗に抱いてもらえるというもの。
本当なの?遥斗が気になって仕方ない優は――。
優が薄幸の遥斗を笑顔にしようと頑張る話です。
ヤマネ姫の幸福論
ふくろう
青春
秋の長野行き中央本線、特急あずさの座席に座る一組の男女。
一見、恋人同士に見えるが、これが最初で最後の二人の旅行になるかもしれない。
彼らは霧ヶ峰高原に、「森の妖精」と呼ばれる小動物の棲み家を訪ね、夢のように楽しい二日間を過ごす。
しかし、運命の時は、刻一刻と迫っていた。
主人公達の恋の行方、霧ヶ峰の生き物のお話に添えて、世界中で愛されてきた好編「幸福論」を交え、お読みいただける方に、少しでも清々しく、優しい気持ちになっていただけますよう、精一杯、書いてます!
どうぞ、よろしくお願いいたします!
時のコカリナ
遊馬友仁
ライト文芸
高校二年生の坂井夏生は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった!木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。
「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海の素顔を見てやろう」
そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。
Cutie Skip ★
月琴そう🌱*
青春
少年期の友情が破綻してしまった小学生も最後の年。瑞月と恵風はそれぞれに原因を察しながら、自分たちの元を離れた結日を呼び戻すことをしなかった。それまでの男、男、女の三人から男女一対一となり、思春期の繊細な障害を乗り越えて、ふたりは腹心の友という間柄になる。それは一方的に離れて行った結日を、再び振り向かせるほどだった。
自分が置き去りにした後悔を掘り起こし、結日は瑞月とよりを戻そうと企むが、想いが強いあまりそれは少し怪しげな方向へ。
高校生になり、瑞月は恵風に友情とは別の想いを打ち明けるが、それに対して慎重な恵風。学校生活での様々な出会いや出来事が、煮え切らない恵風の気付きとなり瑞月の想いが実る。
学校では瑞月と恵風の微笑ましい関係に嫉妬を膨らます、瑞月のクラスメイトの虹生と旺汰。虹生と旺汰は結日の想いを知り、”自分たちのやり方”で協力を図る。
どんな荒波が自分にぶち当たろうとも、瑞月はへこたれやしない。恵風のそばを離れない。離れてはいけないのだ。なぜなら恵風は人間以外をも恋に落とす強力なフェロモンの持ち主であると、自身が身を持って気付いてしまったからである。恵風の幸せ、そして自分のためにもその引力には誰も巻き込んではいけない。
一方、恵風の片割れである結日にも、得体の知れないものが備わっているようだ。瑞月との友情を二度と手放そうとしないその執念は、周りが翻弄するほどだ。一度は手放したがそれは幼い頃から育てもの。自分たちの友情を将来の義兄弟関係と位置付け遠慮を知らない。
こどもの頃の風景を練り込んだ、幼なじみの男女、同性の友情と恋愛の風景。
表紙:むにさん
君のために僕は歌う
なめめ
青春
六歳の頃から芸能界で生きてきた麻倉律仁。
子役のころは持てはやされていた彼も成長ともに仕事が激減する。アイドル育成に力を入れた事務所に言われるままにダンスや歌のレッスンをするものの将来に不安を抱いていた律仁は全てに反抗的だった。
そんな夏のある日、公園の路上でギターを手に歌ってる雪城鈴菜と出会う。律仁の二つ上でシンガーソングライター志望。大好きな歌で裕福ではない家族を支えるために上京してきたという。そんな彼女と過ごすうちに歌うことへの楽しさ、魅力を知ると同時に律仁は彼女に惹かれていった………
恋愛、友情など芸能界にもまれながらも成長していく一人のアイドルの物語です。
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
Hand in Hand - 二人で進むフィギュアスケート青春小説
宮 都
青春
幼なじみへの気持ちの変化を自覚できずにいた中2の夏。ライバルとの出会いが、少年を未知のスポーツへと向わせた。
美少女と手に手をとって進むその競技の名は、アイスダンス!!
【2022/6/11完結】
その日僕たちの教室は、朝から転校生が来るという噂に落ち着きをなくしていた。帰国子女らしいという情報も入り、誰もがますます転校生への期待を募らせていた。
そんな中でただ一人、果歩(かほ)だけは違っていた。
「制覇、今日は五時からだから。来てね」
隣の席に座る彼女は大きな瞳を輝かせて、にっこりこちらを覗きこんだ。
担任が一人の生徒とともに教室に入ってきた。みんなの目が一斉にそちらに向かった。それでも果歩だけはずっと僕の方を見ていた。
◇
こんな二人の居場所に現れたアメリカ帰りの転校生。少年はアイスダンスをするという彼に強い焦りを感じ、彼と同じ道に飛び込んでいく……
――小説家になろう、カクヨム(別タイトル)にも掲載――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる