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052★異世界3日目・ドラゴンソウル?を見つけました

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 「この地に宿る
  風の精霊よ

  我に助力を
  代わりに
  魔力を捧げます

  ヘリ&ジェット
  スペックコピー」

 俺は呪文を唱えると、ヘリのイメージで上空に垂直に飛び上がった。
 そして、ジャングルの巨大な樹木の上空に出てみた。
 飛行速度は、思っていたよりも速い上昇だったりする。

 次に、東に向かって、徐々にスピードを上げるイメージで飛んでみた。
 イメージとしては、マニュアル車の1速から2速、3速っていう感じでじょじょにスピードを上げて行く。
 最高速度まで上げるとどうなるのか?なんて考えていたら、リューに肩を叩かれてしまう。
 
 「シロー……ジャングルの探索に
  出たんだよ…僕達は……
  判っているよね…」

 うん、判った、お前が怒っているのは。
 だから、俺の肩が潰れるから、そんなに力を入れて握らないで欲しい。

 お前の握力の方が、俺よりはるかにあるって………なっ、勘弁してくれよ、謝るからさぁ~………マジで、痛いんだ。
 ちょっと涙目になって、俺はリューに視線を合わせる。

 「判ってるよ
  ちょっと調子に乗っていた
  ゴメン」

 「そっ…なら良いけど………」

 あっさりと、リューは、肩を握っていた手を緩めてくれた。
 そんな俺達を見ていたラインさんとジークさんが、俺達に話しかけてきた。

 「ちょっと良いかな?」

 「なんですか?」

 「あそこで、光っているのは
  何だろうか?」
 
 2人が指差す場所には、かなり大きな岩がきらきらと光っているのが見えるので、俺達は顔を見合わせる。
 確かに岩が光っているけど、何の熱も感じない。

 試しに、目を瞑ってみる………もっと輝いている。
 そこで、俺達は、視線を合わせて頷く。

 霊的な何かだっ思ったから、通常状態(一般の人間達と変わらない)の視界から、霊的なモノを見る為の視界に目を切り替える。
 そして、俺達が見たのは………。

 丸くなって眠っている、2頭の竜だった。
 正確に言うなら、丸くなってお互いに絡み合っている2頭の竜………たぶん番の………一対の魂(ドラゴンソウル)って感じだった。
 
 俺とリューは、お互いに顔を見合わせて頷く。
 そう、2人で、輝く魂をじっくり視るコトにしたんだ。

 じっと見詰めてわかったのは、この一対の魂は、愛し合って共に寿命の尽きた番の竜だって………。
 そして、この一対の魂は、唯一子供を残さなかったコトを後悔しているようだった。
 なんとなくわかったので、俺は、話し掛けてみるコトにした。

 「あのぉ~……お2人は
  子供を残さなかったコトを

  後悔しているようですが?
  違いますか?」







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