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013★式鬼札の瞳の力を機長と副機長に付与しました

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 俺と飛鳥は、どこかイッテしまった女性陣の会話に、思いっきり腰が引けてしまい。
 お互いに顔を見合わせて、アイコンタクトをする。

 そして、何も言わずに‥‥‥。
 いや声を掛けても無視されると思ったので‥‥‥。
 たったと飛鳥に式鬼札の瞳のチカラを、機長のモナさんと副機長のユラさんに付与してもらう。

 きゃいきゃいと嬉しそうに騒ぐ二人の姿を見て、無事に式鬼札の瞳のチカラを付与できたコトを確認し、俺は飛鳥と共に、そっと操縦室から出て、客室へと戻るコトにした。

 勿論、CAのアンジュさんは、一緒になってイッちゃっていたのでポイッとして‥‥‥。





△△△△△△△△△△△△






 俺と飛鳥が客室に戻る途中に、ちょっとした会話をする。

 「なぁ~モナさん達ってば
  かなりテンションが
  おかしくなってないか?」

 「うん、変なテンションに
  なっているのは確かだね

  でも、暗くなって
  壁に向かって
  ブツブツ言うよりは
  はるかに良いと思うよ

  普通なら、超常現象に
  パニックでも起こして

  受け入れられないだろう
  異世界転移を

  しっかりと、彼女達は
  現実を受け入れて
  何とかしようと
  しているんだからね

  多少おかしな言動をとっても
  そこはスルーしようよ

  僕達の術も、何も聞かないで
  受け入れているんだから‥‥‥」

 飛鳥の言葉に、俺は肩を竦めて頷く。

 「そこは、わかっているけど‥‥‥

  なんかなぁ~‥‥‥こう
  今ひとつ危機感が無いって
  言うか‥‥‥う~ん‥‥‥
  説明不能な感じなんだけど」

 なんか割り切れない感覚に、妙な歯痒さを味わい、俺はまた、深い溜め息を吐いてしまう。
 そんな俺に、飛鳥が建設的なコトを言う。

 「それよりも、着陸した後の
  手順を考えた方が建設的だよ」

 妙なテンションではあるが、機長のモナさんと副機長のユラさんがしっかりしているので、着陸自体については心配しない。

 「まぁ~そうだよなぁ~‥‥‥
  寝る場所の確保も
  必要だよなぁ~‥‥‥

  テントがあるとしても
  どの程度のモノかも
  確認しないと‥‥‥」

 「まっそれについては
  そういうコトに慣れている
  イーさん達に、あとで
  確認してもらおうよ

  ついでに、人数分のテントの
  設営も頼んでしまおうよ

  勿論、荷物を全部降ろして
  中身の確認が終わったらね」

 「周りの警戒はイイのかよ?」

 俺がそう言えば、飛鳥はケロッと答える。

 「君の《結界》があるし
  巨大なジャングルの中に

  ぽっかりと開いた
  大きな空間だから
  警戒しやすいよ

  木々や藪も無いし
  雑草さえ生えていないから
  隠れ場所は無いしね

  そんな場所に小動物や
  草食獣は来ないでしょ

  捕食用生物が居なければ
  肉食の獣は来ないよ

  元のジャングルまでは
  平らな大地だから‥‥‥

  遮るモノは無いから
  視界は良好だしね」

 式鬼札の瞳で、現場を自分の目で視た飛鳥の言葉に、俺は同意する。


 「確かに、そうだな

  血肉の匂いさえ
  させなければ

  肉食獣を呼び寄せる
  心配は無いかぁ~‥‥‥

  後は、上空から飛ぶタイプの
  魔物達に襲われないように
  するだけか」

 「その辺は、陸自のイーさん達に
  偽装してもらえば良いと思うよ」

 「ああそうだな

  イーさん達って頼りになるなぁ~
  後は、簡単な弓でも作れれば

  かなり役に立つよな」

 「そうだね
  着陸後の後の相談は
  みんなとしようよ」

 「ああ、戻るか?」

 「うん。ついでに、ご飯にしようよ」

 「そうだな」

 思い付いたコトを喋った俺達は、そうして客室に戻った。

 ご飯の味は、まぁ美味しかった。
 ただ、こんな状況じゃなかったら、もっと美味しく感じたろうなぁ‥‥‥と、思ったのは確かなことだった。










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