122 / 129
121★ちょっとタガが外れたようです
しおりを挟むシアの言葉に、元来高い身体能力を有するフリードは、身体を動かすコトが好きなで、ルンルンでホーンラビット狩りを楽しんだ。
そして、何故かフリードに妙な対抗心を出したジオンが、だったら自分はホーンウルフを狩ると宣言したのだった。
勿論、透過の術で姿を消していたフジにミスティーにリムは、ただ黙って付いてきただけじゃつまらないと、遊び半分だが、ジオンの為にホーンウルフのひと群れを、威圧と土魔法などを使って防護壁付近まで追い立てて来たのだった。
ちなみに、そのひと群れは12頭だった。
それを、ジオンは心臓のひと突きで12頭を討伐したのだった。
ちなみに逃がさずに12頭獲ったのは、意外と毛皮が綺麗なモノが多かったためである。
シアにホーンウルフの毛皮を選ばせてやりたいという下心から、ひと群れを討伐したのだった。
ジオンは、シアが好んだモノを残して、依頼分のホーンウルフをギルドに出す予定だったのだ。
仮に、シアが『どれも、毛皮が良くて選べない』と言ったならば、更に討伐を続けただろうことは確かだった。
そんなジオンに、フリードも何となく対抗心が出て、毛皮の美しいホーンラビットを8匹ほど追加で獲っていた。
ついでに、群れから外れたらしい地駆鳥も1羽を獲っていた。
フリードとジオンが妙に頑張っちゃっていたので、その間ちょっと暇になったシアは、足元周辺を探索して見つけた、藍鈴草を採取していた。
ちなみに、この藍鈴草はポーションの効能を底上げできるので、1本でも高い値段がつく代物だった。
ちなみに、この藍鈴草は、少し空間の撓みがあるところに存在している為、通常は視認されにくいモノだったりする。
要するに、目に見えない状態の為、そこここに存在していても、中々採取できない薬草だったりする。
当然、普通の冒険者が採取しようとしても、容易に見つかるモノではないのだが………。
神子であるサファイアを抱えるシアには、その空間の撓みに隠れた藍鈴草を、そのまま視認できたりするのだった。
(確か、藍鈴草も採取依頼あったような………まっいっか
あとで、私が自分でポーション作ってもイイし
それはそれで楽しそうだもんね
つーことで、状態の良さそうな藍鈴草をもう少し採取しておこうっと
インベントリの中に入れておけば、状態維持できるしね)
シアはフリードとジオンの気が済むまで、自分の足元にある薬草を、ただなんとなく採取するのだった。
シアが幾種類かの薬草を採取している間に、ジオンがホーンウルフのひと群れ12頭と、ファングボアを1頭、ホーンラビット2匹を獲っていた。
フリードはというと、ホーンラビット10匹と、トライプラーグを3頭と、地駆鳥を1羽を獲っていたのだった。
ジオンとフリードが、2人して側に戻って来たので、シアは声を掛ける。
「そろそろ戻らないと、指定時間に間に合わなくなから………
充分、討伐依頼以外も獲れたから戻りましょう」
シアの言葉に異存は無いジオンが頷く。
「ああ、そうだな………その…悪かった
久々に身体を動かしたら楽しくなっちまった………」
そう言って頭を搔くジオンに、シアはクスッと笑って言う。
「ずっと拘束されていたんですもの…仕方ないわね
でも、帰る時間を考えたら、そろそろ門に向かわないと………」
と言うシアに、フリードもちょっと耳をタレさせて言う。
「ごめんなさい、まま
自由に動く身体に、なんか楽しくなっちゃって………」
ジオン同様、ある意味で自由の無かったフリードも理性のタガが外れたコトを反省してうな垂れていた。
「いいのよフリード、あなただって自由と無縁だったんだから
身体だって、手にしたばかりなんだし………
でも、そろそろ戻りましょうね」
「はぁ~い」
「ああ、そうだな」
ということで、シアは冒険者ギルドへと向かうのだった。
***本日のシア達の獲物内約***
・ホーンラビット(額に灰褐色の1本ツノがある大型のウサギ)
中型犬並みの大きさ・色は多彩・斑や縞有りもいる
ツノが薬になる・ツノの色によって価値が変わる
毛皮は、手触り良く、鮮やかな色や模様があると、貴族に高く売れる
通常のホーンラビットの毛皮は、角と同様の灰褐色
一般市民の冬用衣類になるコトが多い
見習い向きの討伐対象
※フリード10匹+ジオン2匹討伐
・ホーンウルフ(額にオフホワイトの1本ツノを持つ見た目森林狼)
通常固体は、ツノがあるだけの森林狼
群れのリーダー格になると、馬並みの体躯を持つ
通常固体の毛皮は、よくあるウルフカラー
ただ、黒味が強いものから全体が白色系のモノまで多彩
極まれに、純黒や純白の固体も発見されるコトがある
通常固体で、1頭なら見習いを卒業したばかりでも討伐可能
特殊固体は、上級冒険者でもてこずるシロモノ
※ジオン12頭討伐
・ファングボア(鋭利で巨大な牙を持つイノシシ)
通常固体は成体で子牛ほど、巨大化しても牛並み
だか、特異体になると、年を経るごとに大きくなり続ける特徴がある
成長に際限がない
大きくなるほど美味しくなるが、肉は硬くなる
通常固体なら、見習いでも討伐が可能
※ジオン1頭討伐
・トライプラーグ(見かけはトラ柄の狸?)
大きさは大型犬並みで、かなり凶暴
爪や牙がライトオレンジで、お守り輝石として人気が高い
爪や牙の色が濃いほど高く買い取ってもらえる
通常、肉は特殊処理しないと食べられないが、上手に処理されれば
クセはあるが、かなり美味いので愛好家が存在している
毛皮は断熱効果が高く、冒険者の敷物に好まれる
※フリード3頭討伐
・地駆鳥(見た目はダチョウに似ている飛べない鳥、脚力ともの凄い)
ダチョウを更に大型化したような地上を走り回る鳥
通常は群れで移動して生活している
肉は上手に処理すれば、かなり美味しくなる
中級家庭なら普通に手が届く肉
※フリード1羽討伐
・宵待草(見た目は暗褐色のクリスマスローズ)
ポーションを作る為に必要な薬草のひとつ
※シアは、常態の良いモノを32本ほど採取
・藍鈴草(見た目は鈴蘭、花の色が藍色)
全ての薬草効果の底上げをする霊薬草
空間の歪みや捩れ部分に生えている為、通常視認不可能なモノ
採取困難な代物で難易度がべらぼうに高い
※シアは、常態の良いモノを30本ほど採取
・白月草(見た目は、小型の白百合)
ポーションを作る為に必要な薬草のひとつ
単体でも消毒効果を持つ
※シアは、常態の良いモノを30本ほど採取
・銀月草(見た目は、銀色のコスモス)
ポーションを作る為に必要な薬草のひとつ
アンデット系を寄せ付けない聖属性の霊薬草
聖水にも用いられる
※シアは、常態の良いモノを30本ほど採取
・金月草(見た目は、金色の小菊)
ポーションを作る為に必要な薬草のひとつ
すり潰して肌に塗り込むと虫除け効果がある
※シアは、常態の良いモノを30本ほど採取
1
お気に入りに追加
3,323
あなたにおすすめの小説
継母の心得
トール
恋愛
【本編第一部完結済、2023/10〜第二部スタート ☆書籍化 2024/11/22ノベル5巻、コミックス1巻同時刊行予定☆】
※継母というテーマですが、ドロドロではありません。ほっこり可愛いを中心に展開されるお話ですので、ドロドロ重い、が苦手の方にもお読みいただけます。
山崎 美咲(35)は、癌治療で子供の作れない身体となった。生涯独身だと諦めていたが、やはり子供は欲しかったとじわじわ後悔が募っていく。
治療の甲斐なくこの世を去った美咲が目を覚ますと、なんと生前読んでいたマンガの世界に転生していた。
不遇な幼少期を過ごした主人公が、ライバルである皇太子とヒロインを巡り争い、最後は見事ヒロインを射止めるというテンプレもののマンガ。その不遇な幼少期で主人公を虐待する悪辣な継母がまさかの私!?
前世の記憶を取り戻したのは、主人公の父親との結婚式前日だった!
突然3才児の母親になった主人公が、良い継母になれるよう子育てに奮闘していたら、いつの間にか父子に溺愛されて……。
オタクの知識を使って、子育て頑張ります!!
子育てに関する道具が揃っていない世界で、玩具や食器、子供用品を作り出していく、オタクが行う異世界育児ファンタジー開幕です!
番外編は10/7〜別ページに移動いたしました。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
継母の心得 〜 番外編 〜
トール
恋愛
継母の心得の番外編のみを投稿しています。
【本編第一部完結済、2023/10/1〜第二部スタート☆書籍化 2024/11/22ノベル5巻、コミックス1巻同時刊行予定】
地味薬師令嬢はもう契約更新いたしません。~ざまぁ? 没落? 私には関係ないことです~
鏑木 うりこ
恋愛
旧題:地味薬師令嬢はもう契約更新致しません。先に破ったのはそちらです、ざまぁ?没落?私には関係ない事です。
家族の中で一人だけはしばみ色の髪と緑の瞳の冴えない色合いで地味なマーガレッタは婚約者であったはずの王子に婚約破棄されてしまう。
「お前は地味な上に姉で聖女のロゼラインに嫌がらせばかりして、もう我慢ならん」
「もうこの国から出て行って!」
姉や兄、そして実の両親にまで冷たくあしらわれ、マーガレッタは泣く泣く国を離れることになる。しかし、マーガレッタと結んでいた契約が切れ、彼女を冷遇していた者達は思い出すのだった。
そしてマーガレッタは隣国で暮らし始める。
★隣国ヘーラクレール編
アーサーの兄であるイグリス王太子が体調を崩した。
「私が母上の大好物のシュー・ア・ラ・クレームを食べてしまったから……シューの呪いを受けている」
そんな訳の分からない妄言まで出るようになってしまい心配するマーガレッタとアーサー。しかしどうやらその理由は「みなさま」が知っているらしいーー。
ちょっぴり強くなったマーガレッタを見ていただけると嬉しいです!
私を追い出すのはいいですけど、この家の薬作ったの全部私ですよ?
火野村志紀
恋愛
【現在書籍板1~3巻発売中】
貧乏男爵家の娘に生まれたレイフェルは、自作の薬を売ることでどうにか家計を支えていた。
妹を溺愛してばかりの両親と、我慢や勉強が嫌いな妹のために苦労を重ねていた彼女にも春かやって来る。
薬師としての腕を認められ、レオル伯アーロンの婚約者になったのだ。
アーロンのため、幸せな将来のため彼が経営する薬屋の仕事を毎日頑張っていたレイフェルだったが、「仕事ばかりの冷たい女」と屋敷の使用人からは冷遇されていた。
さらにアーロンからも一方的に婚約破棄を言い渡され、なんと妹が新しい婚約者になった。
実家からも逃げ出し、孤独の身となったレイフェルだったが……
あ、出ていって差し上げましょうか?許可してくださるなら喜んで出ていきますわ!
リーゼロッタ
ファンタジー
生まれてすぐ、国からの命令で神殿へ取られ十二年間。
聖女として真面目に働いてきたけれど、ある日婚約者でありこの国の王子は爆弾発言をする。
「お前は本当の聖女ではなかった!笑わないお前など、聖女足り得ない!本来の聖女は、このマルセリナだ。」
裏方の聖女としてそこから三年間働いたけれど、また王子はこう言う。
「この度の大火、それから天変地異は、お前がマルセリナの祈りを邪魔したせいだ!出ていけ!二度と帰ってくるな!」
あ、そうですか?許可が降りましたわ!やった!
、、、ただし責任は取っていただきますわよ?
◆◇◆◇◆◇
誤字・脱字等のご指摘・感想・お気に入り・しおり等をくださると、作者が喜びます。
100話以内で終わらせる予定ですが、分かりません。あくまで予定です。
更新は、夕方から夜、もしくは朝七時ごろが多いと思います。割と忙しいので。
また、更新は亀ではなくカタツムリレベルのトロさですので、ご承知おきください。
更新停止なども長期の期間に渡ってあることもありますが、お許しください。
魔力無しの私に何の御用ですか?〜戦場から命懸けで帰ってきたけど妹に婚約者を取られたのでサポートはもう辞めます〜
まつおいおり
恋愛
妹が嫌がったので代わりに戦場へと駆り出された私、コヨミ・ヴァーミリオン………何年も家族や婚約者に仕送りを続けて、やっと戦争が終わって家に帰ったら、妹と婚約者が男女の営みをしていた、開き直った婚約者と妹は主人公を散々煽り散らした後に婚約破棄をする…………ああ、そうか、ならこっちも貴女のサポートなんかやめてやる、彼女は呟く……今まで義妹が順風満帆に来れたのは主人公のおかげだった、義父母に頼まれ、彼女のサポートをして、学院での授業や実技の評価を底上げしていたが、ここまで鬼畜な義妹のために動くなんてなんて冗談じゃない……後々そのことに気づく義妹と婚約者だが、時すでに遅い、彼女達を許すことはない………徐々に落ちぶれていく義妹と元婚約者………主人公は
主人公で王子様、獣人、様々な男はおろか女も惚れていく………ひょんな事から一度は魔力がない事で落されたグランフィリア学院に入学し、自分と同じような境遇の人達と出会い、助けていき、ざまぁしていく、やられっぱなしはされるのもみるのも嫌だ、最強女軍人の無自覚逆ハーレムドタバタラブコメディここに開幕。
妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる