〔仮〕悪役令嬢は婚約破棄で自由を謳歌する

ブラックベリィ

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116★赤ちゃんでも、レベリングできるようです

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 シア質問に、アンジュはプロ根性で、にっこりと笑って言う。

 「はい、パーティーを組んでますので、レベリングされてますよ
  特殊な事情でもない限り、レベリングを外すコトはありません」

 その説明を聞いて、シアは小首を傾げる。

 (もしかして、パーティーメンバー登録すれば
  赤ちゃんでもレベリングできるのかな?

  できるんだったら、サファイアも同時に上げたいな
  とりあえず、聞いてみようかな?)

 「えっとぉ~……アンジュさん…こんな小さな赤ちゃんでも
  パーティーメンバー登録すれば、レベレリングできますか?」

 シアの問い掛けに、アンジュはマジマジと抱きかかえられているサファイアを覗き込む。
 視線を感じたサファイアは、アンジュに向かってにこぉ~っと愛らしく笑う。

 「たぶん、レベリングをしても大丈夫だと思いますよ
  赤ちゃんでという方は、いままで居ませんでしたけど

  高レベルの冒険者や大貴族の中には、幼い子弟を連れて
  レベリング上げする方達もたまにいますから………

  ただし、冒険者登録は、最低12歳を越えないと
  正式に登録出来ませんので、仮の冒険者登録して
  パーティーに加えてというカタチになります」

 アンジュの説明を聞いたシアは、ニコッと笑って言う。

 「それじゃ、この子の登録もお願いします
  名前は、サファイアです」

 シアがそう言えば、アンジュは内心で嘆息しながらも、手続きに入る。
 ここで拒否して、先刻の二の舞いはゴメンだと思いながら………。

 内心、良かったわぁ~ギルマスがサブマスをシバいておいてくれて………と、思いながら、アンジュは赤ちゃんであるサファイアの為の小さな腕輪を用意するのだった。

 そして、シアはサファイア様の腕輪と針を手渡され、水晶板を差し出される。
 シアは、ジオン達がした手順で、サファイアの手続きを黙々とした。
 サファイアの手の指を針でチクッと刺した時、ピクッとしたが、泣きもしなかったのは確かな事実だった。

 小さな腕輪を嵌め、その手首に若葉マークが浮かぶと、サファイアを意味を理解しているかのように、こにこにしながら楽しそうに両腕を振り回すのだった。

 「はい、これで登録は終了しました
  あちらに、依頼書が張られていますので………」

 という説明を聞き流し、シアはジオンとフリードを連れて、依頼書が張られているボードに向かうのだった。
 あとには、そっと胸を撫で下ろすアンジュがいるのだった。

 シア達パーティーが依頼書の張られたボードへと移動し、依頼内容を確認し始めて、やっと新たに冒険者登録に来た新人達が受け付けへと詰め掛けるのだった。
 シア達は試験を受けなかったが、本来新人冒険者になる為には、座学と実技があるのだ。

 ただ、シアの場合、前日は魔の森の門番の団長が後ろ盾でゴリ押した為に無試験となった。
 貴族の後押しがあれば、無試験で冒険者になるというコトは、それなりにあるものだから………。
 その結果、怪我をしようが死のうが、ギルドは自己責任と言って突っぱねて、ゴリ押しされたコトをチャラにするのだ。

 そして今日は、ジオン達が威圧した為に、ジオン達は勿論、サファイアについても、試験の話しなどひとカケラも出なかったりする。
 いや、赤子に試験など無理だから………。
 先刻のコト(ジオンの威圧)もあるので、かなりイレギュラーなパーティーだが、誰も文句など言えなかったのも、確かな事実だった。

 そして、シア達は自分達パーティーが、イレギュラーな存在だと気付くコトもなく、幾つかの採取と討伐の依頼書を握って、アンジュとは違う依頼窓口にいる受け付け嬢に手渡した。

 その依頼受付の受け付け嬢は、シア達に内容説明を淡々とし、依頼受理に判子をパンッと押して言うのだった。

 「採取の1枚は、今日の午後6時までです
  それでは、頑張ってください」

 事務的な言葉でも、そういう言葉が嬉しいシアは、小さく依頼受理してくれた受け付け嬢に手を振り、魔の森に向かうのだった。
 ちなみに、シアはライムにも軽く手を振っていたのは確かな事実だった。








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