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080★取り敢えず、みんなと一緒に神殿内の探索です
しおりを挟むシアはジオンに腰抱きされて、なんとも言えない安堵感を感じつつ、自分が何かを忘れているコトに気付く。
(えっとぉ………なんだろう?
こう、なにか物凄く重要なコト
綺麗さっぱりと忘れているような………)
そう思いつつ、ほんの少し前にバケモノが出現した辺りへと視線を向けてハッとする。
「あっ…そっか…扇だぁ………
何か綺麗に忘れていると思ったら
ジオンに握らせた扇を回収するの
すっかり忘れていたわ」
そう言うシアの視線の先には、広げられた状態のままの扇が地面に転がっていた。
シアの発言でそのコトに直ぐに気付いて、フリードが動きさっさと回収してくる。
「はい、まま」
そう言ってそっとそのままの状態で持ってきて、手渡された扇を受け取り、シアは壊れたり、汚れたり、破れていないかを確認し、ホッとして言う。
「ありがとうフリード
幸いなコトに何処も壊れてないわ
まだ、この扇はこの神殿での
キーアイテムとして
必要かもしれないから………」
そう言いながら、シアはフリードの頭を優しく撫で撫でする。
頭を撫でられたフリードは、きゃっきゃっと無邪気に笑って、ジオンとは逆側からシアに抱き付き、無意識に頭をスリスリとすりつけていた。
「とりあえず、中を探索するか?
暗くなる前には帰らないとな
あいつらが心配するぞ」
ジオンの言葉に、シアはハッとしてコクコクする。
「そうだったわ
んじゃ、早速サクサクと
中を探索してみましょう
ジオンやライム、フリードや
コウちゃんやガッちゃんという
私とは別の目線で探索したら
何か新しい発見があるかも………
そんじゃ神殿内を探索開始ぃ~……」
シアの言葉に全員がゾロゾロと動き出す………が。
なぜか、全員シアの後をついて歩いていたりする。
別行動は誰もしなかった。
シアは小首を傾げながら、自分が神殿内を彷徨った順路を確認しつつ何か見落としはないかと神殿内を探索する。
勿論、ジオンもライムもシアの行動範囲に合わせて移動する。
フリードにガッちゃんコウちゃんも言うに及ばすである。
だから、しばらく探索した後、シアはゾロゾロと付いて歩く全員を見回して言う。
「ねぇ~…ここは危ないところ
まずないと思うから………
個々で興味あるところを
探索しても良いんんだよぉ~……」
シアの言葉に、ライムが答える。
「取り敢えず、個々の探索は
シアがこの神殿に転移した道を
辿った後で良いんじゃないかな?
封印が解けて、もうこの世界?
つーか、このハイオシス帝国領に
神殿は固定されたみたいだし
神殿は逃げないだろうから………
取り敢えず、シアが通った経路を
私達に教えてよ
シアが見落としたモノあるかもだし………
例えばだけど、封印されていた
ジオンやフリードしか
認識出来ないモノとかあるかも………
じゃなきゃ、別の場所に封印された
コウちゃんやガッちゃんの眼にしか
映らない刻印(しるし)とか………
まったく無関係の私しか視えないとか………
そういうのあるかもでしょ……ってことで
シアは、この神殿に飛ばされてからの
順路を覚えているなら辿ってよ
私達はその後に続くから………」
そう言うライムに、ジオンも頷いて言う。
「確かに、そうだな
ここに封印されていた
俺やフリードにしか
感知出来ないモノがあるかもな
それとは別に、神子から誕生した
神獣にしか感知出来ないモノとか
まるっきり、この神殿に関して
関係ない者であるライムにしか
感知出来ないモノもあるかもな」
ジオンの言葉に、シアはちょっと肩を竦めて、内心で嘆息して思う。
(もう、こうなったら開き直って
バスガイドもどきでもしようかな?
あの
『あちらに見えるのは~……』
てやつでもしてないと
息がつまりそうだもの………)
そう思ったシアは、頷いて言う。
「了解、んじゃ私の知っているコトや
感じたコトを説明しながら行くね
あっちの壁は………」
と、壁や柱に付いての説明をしながら、シアは歩き始める。
シアは肩を竦めて、全員を引き連れながら、神殿内をゆっくりと改めて観察しつつ、自分の感じたモノなどを説明しながら歩く。
勿論、その手にはキーアイテムになる可能性のある扇が握られている。
そしてシアは、無意識に扇を開いては、さして暑くもないのに自分をパタパタと扇(あお)いでいたりする。
ゆっくりと神殿内をねり歩くが、その間、誰も喋らず、シアの説明を聞きながらその後に続き、視線の先を追うのだった。
しばらく歩いて、シアはラストイベントになった幻の9本目柱があった場所へとたどり着く。
シアは、足元にうっすらと描かれている魔法陣を指さして言う。
「………で、この足元にうっすらある
魔法陣がラストイベントだったわ」
シアの説明に、ジオンはしゃがみ込んで、その魔法陣に触れる。
「ふむ、確かに移動術が発動した
魔力の名残が僅かにあるな
ただよほど魔力探知に優れた
魔術者でなければ
コレを感知するのは難しいな」
そう言いながら、ジオンは少しだけその移動術の魔法陣へと魔力を流してみた。
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