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054★自立する為に、奴隷を買います
しおりを挟むそれまで、しばらくぶりのドレスに、グランツ団長のお姫様抱っこでダメージを受けて固まっていたイリスが、ようやく口を開く。
「それで、これから‥‥‥その
どうするつもりなんだ?
‥‥‥って、馬鹿だな私達は
お嬢さんの名前すら聞いてない
えっと、なんて呼べば良いかな?」
そこで、セシリアも自分が名乗って無いコトを思い出す。
(流石に、あの名前は名乗れない
それに、もう帰る気なんて無いし
‥‥‥じゃなくて、名前ね
セシリアは名乗れないから‥‥‥
そうね、反応しやすいように
元の名から音をとって‥‥‥シア
そう、シアと名乗りましょう)
「あのぉ‥‥‥それでは、私のコトは
シアと呼んでください」
偽名と判る名ではあるが、呼び名を聞いた イリスは、シアと名乗ったセシリアに問いかける。
「それで、これからどうするつもりだ
一応、ドレス代その他で、団長が
代金としてかなり用意したようだが
その‥‥‥見たところ、シアは
買い物ひとつしたことないだろう
いや、家庭の話しの内容から推察しても
ろくに、外出すらしていなかった
ようじゃないか‥‥‥大丈夫なのか?
というか、団長から出された布袋も
その中にある、ドレスの代金の袋も
シアは確かめてないだろう」
言われて、シア(ここからは、シア)は肩を竦める。
「ああ、そうですよね
なんか、急に自由になったので
ちょっとぼーっとしているようです
やっとあの義父母から自由になり
得体の知れない現象で転移され
謎の神殿に跳ばされてからは
出口を求めてひとり彷徨って‥‥‥
やっと、人の中に戻ったので‥‥‥」
シアがイリスと会話していると、グランツ団長が話し掛ける。
「なぁ‥‥‥お嬢さんって
1人で生活したことなんてないよな?
侍女やメイドに世話されて
今まで、生きてきたよな?」
「はい、それ以外の生活など
させてもらえませんでした
本来なら、我が家の者は
男は騎士になります
女でも、お母様のように騎士としての
修行を受けさせられます
いざという時に、民と王家を守る者
騎士として戦うはずでした
が、義父母により、ほとんど
監禁されていたので、このように‥‥‥
それでも、食事には様々な毒を
盛られていましたので‥‥‥
そうでなければ、私なりに
修行も出来たでしょうが‥‥‥
弱った身体では生きているだけで
精一杯でした
婚約破棄された私の末路は
結納金目当てに、問題のある貴族の
後妻にさせられるか‥‥‥
投げ捨てられるように
結納金と引き換えに
平民の妻か後妻にされるコトでしょう
神殿(修道院)に入り、修行をする
などというコトは無かったのです
クリスタリア王国から、偶然でも
ここに来たのですから
自由に生きたい思います
常識を知らない、それ以前に
1人では身を守るコトは愚か
生活すら出来ません
ですから、隷属の輪を嵌められた
剣か魔法の使える奴隷を買おうと
思っておりますわ
幸い、お金はありますので‥‥‥」
3
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