上 下
43 / 129

042★9本目の柱が謎です

しおりを挟む



 最初に壁に嵌めた魔晶石は、白い色をしたモノでした。
 そこは、指先で感じた通り、絹のような手触りの皮毛だった。

 ちなみに、セシリアの手に残っている3個の魔晶石は、青と赤と黒。
 4個に8個回収した為、12個もあったので、あまり色を重要視していなかったセシリアだが、そこに法則性を見出す。

 「もしかして、大きい方の
  魔晶石って東西南北?

  方位で属性を現すのかな?
  なら、東は青色ね

  ここが西の白色の面
  なら、隣りは南で赤色

  でもって南の対面は北
  というコトで黒色ね

  とりあえずソレで
  嵌めてみましょうか?」

 そう呟いたセシリアは、白面の対となる反対側の壁の同じ辺りへと足を進める。

 (あぁ‥‥‥やっぱり歩きづらい
  でも、替えになるクツなんて
  持ってないから我慢だなぁ‥‥‥)

 そこで、ドレスを脱いで、指輪に収納するというコトを思いつかないセシリアは、次々と事態が変わるコトでかなりテンパッていた。
 あとで、下にワンピース着ていたのにと嘆くのは間違い事実だった。
 
 反対側の壁にたどり着いたセシリアは、白い面の魔晶石を嵌めた辺りを目算し、だいたい同じ辺りを丁寧に撫でる。
 指先に感じるのは、硬い感触のままだった。

 「あれ? こっちの壁は
  硬いままの感触?

  いや、でもまって‥‥‥
  これだと、土壁でも
  石壁でもなく‥‥‥

  そう水晶的な滑ら‥‥‥あっ
  もしかしてココかな?」

 先ほどと同じ場所かな?と見当を付けた場所より、少しズレたところに、セシリアは同じような窪みを感じた。

 「んじゃ、黒色の魔晶石」

 そう言って、セシリアはその窪みに黒色の魔晶石を嵌め込んだ。
 途端に、先ほどと同じように光り輝き、黒曜石のような壁が出現した。

 「どうやら、当たりみたいね」

 法則性を見付け、確信したセシリアは、東側の壁面に青色の魔晶石はめ込み、南側の壁面に赤色の魔晶石を嵌め込んだ。
 ちなみに、東の青い壁は、永久凍土のような氷で出来ていた。
 当然、とてつもなく冷たい。

 反対側の南の赤い壁は、火炎が揺らめく真っ赤な壁面だった。
 もちろん、かなり熱かった‥‥‥が、赤い魔晶石を手にしていたセイか、熱さはあったが、焼けどはしなかった。

 四方に4個の魔晶石を嵌め込み終わると、天井を支えている柱が仄かに内側から光り始めた。
 その数は何故か9本。

 「残る魔晶石は8個
  なのに、9本?

  あと1つって何?

  とりあえず、あっちで
  回収して持っている
  魔晶石8個‥‥‥

  どうしようかなぁ?
  柱の窪み探して

  ここは当てずっぽうで
  魔晶石を嵌めて
  みるしかないかな?」

 セシリアは、8個の色とりどりな魔晶石をインベントリから出してて、じぃーと観察する。
 それから小首を傾げ、4面と魔晶石を交互に見て頷く。


 (一応、東西南北に
  2柱つづだから‥‥‥

  東南・東北に
  南東・南西で

  西南・西北に
  北東・北西って
  コトかしらねぇ‥‥‥

  部屋の配置通りなら
  それで良いはず

  中央で輝く柱は
  8個埋めたら
  考えましょう)

 セシリアは、自分で導き出した法則に従って、微かに発光している柱の窪みを探し、次々と嵌め込んで行く。

 8個全部を柱に埋め込むと、最後の9本目の柱に近寄り、セシリアは詳細に検分し始める。
 見た目だけではなく、指先の感触も駆使して、セシリアは9本目の柱を丁寧に調べた。

 その結果、どうやら何か細長い板状のモノを嵌め込む場所を指先に感じて、セシリアは困惑する。

 「いったいコレは何かしら?
  細長い板状のモノよね

  ただ、上下の幅が違う
  上が広いわ下は狭いし」










しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー  爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」 見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は……… 「あの、……どなたのことでしょうか?」 まさかの意味不明発言!! 今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!! 結末やいかに!! ******************* 執筆終了済みです。

【完結】公爵令嬢は、婚約破棄をあっさり受け入れる

櫻井みこと
恋愛
突然、婚約破棄を言い渡された。 彼は社交辞令を真に受けて、自分が愛されていて、そのために私が必死に努力をしているのだと勘違いしていたらしい。 だから泣いて縋ると思っていたらしいですが、それはあり得ません。 私が王妃になるのは確定。その相手がたまたま、あなただった。それだけです。 またまた軽率に短編。 一話…マリエ視点 二話…婚約者視点 三話…子爵令嬢視点 四話…第二王子視点 五話…マリエ視点 六話…兄視点 ※全六話で完結しました。馬鹿すぎる王子にご注意ください。 スピンオフ始めました。 「追放された聖女が隣国の腹黒公爵を頼ったら、国がなくなってしまいました」連載中!

【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います

りまり
恋愛
 私の名前はアリスと言います。  伯爵家の娘ですが、今度妹ができるそうです。  母を亡くしてはや五年私も十歳になりましたし、いい加減お父様にもと思った時に後妻さんがいらっしゃったのです。  その方にも九歳になる娘がいるのですがとてもかわいいのです。  でもその方たちの名前を聞いた時ショックでした。  毎日見る夢に出てくる方だったのです。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

【完結】お前なんていらない。と言われましたので

高瀬船
恋愛
子爵令嬢であるアイーシャは、義母と義父、そして義妹によって子爵家で肩身の狭い毎日を送っていた。 辛い日々も、学園に入学するまで、婚約者のベルトルトと結婚するまで、と自分に言い聞かせていたある日。 義妹であるエリシャの部屋から楽しげに笑う自分の婚約者、ベルトルトの声が聞こえてきた。 【誤字報告を頂きありがとうございます!💦この場を借りてお礼申し上げます】

妹がいなくなった

アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。 メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。 お父様とお母様の泣き声が聞こえる。 「うるさくて寝ていられないわ」 妹は我が家の宝。 お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。 妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?

【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?

碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。 まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。 様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。 第二王子?いりませんわ。 第一王子?もっといりませんわ。 第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は? 彼女の存在意義とは? 別サイト様にも掲載しております

【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」 「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」 いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。 「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と…… 私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。 「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」 「はい、お父様、お母様」 「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」 「……はい」 「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」 「はい、わかりました」 パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、 兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。 誰も私の言葉を聞いてくれない。 誰も私を見てくれない。 そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。 ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。 「……なんか、馬鹿みたいだわ!」 もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる! ふるゆわ設定です。 ※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい! ※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇‍♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ! 追加文 番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

処理中です...