召喚されたのに、スルーされた私

召喚されちゃいました

062★皇帝陛下はやっぱり腹黒でした

　魔族は、暗殺を何かと引き換えに、暗殺を請け負ったって思ってイイですよね？
　この場合の犯人は、皇位継承権を持つ皇族と皇帝陛下の妃達、それと諸外国の王達ってなりますね。
　なんて推理していると、皇帝陛下がポツリと言います。

　「単純に、皇帝という
　　地位が欲しいものが
　　起こした事件なら

　　エサとして、暗殺や誘拐を
　　されるかな？と思って

　　６人も皇子を作ったのに
　　反応が無かったコトが
　　残念ですよ……本当に

　　あの襲撃の本当の真犯人に
　　辿りつけなかったコトが………」

　ひぇぇぇ～なにを、言っているんですか？
　事件を起こした人間を割り出すためだけに、魔力減退剤を使って６人も皇子を産ませたんですか？
　それって、かなり、人でなしな気がします。

　皇帝陛下は、この事件で精神の一部を破壊されたんですね。
　でも、犯人が捕まらないとアラン様と私、私達の未来の子供達も命を狙われるって言うコトですね。
　あれ？魔族って、人間と戦っていますよね？

　魔族自身の都合で、暗殺事件を起こしたって考えられませんか？
　だから、協力者からの情報が無くて皇帝陛下の居ない時に、暗殺にきてしまったというコトは無いのでしょうか？
　ちょっと聞いてみますかぁ～………。

　「アラン様、あのぉ～この国は
　　魔族と戦ってますよね？」　

　「ん？　ああ魔族とは
　　ずっと戦っていますよ

　　それがどうかしましたか？」

　私の問いかけの意味が、わからないという表情でアラン様は答えてくれました。
　ごめんなさい意味不明な質問をして………でも、確認したかったんです。
　私は、あっちの世界のテンプレな設定だと思ったので、深く考えずに思いついた内容を口にしました。

　「あのね、魔族自身が
　　暗殺に来ていたって
　　可能性は無いの？

　　だって
　　暗殺依頼者がいるなら
　　皇帝陛下が不在の時に

　　魔族を暗殺になんて
　　引っ張り込んだり
　　しないでしょう

　　それこそ、着実に……
　　皇帝陛下が居るときに

　　引っ張り込まないと
　　２度手間でしょう？

　　依頼した対価を
　　２回も取られるなんて
　　したくないでしょう？」

　私の質問に、アラン様が驚いたという表情で………。

　「でも、確かに
　　父上が不在なのに
　　魔族が暗殺に来るのは
　　おかしいですね

　　でも、侵入した時点で
　　探知魔法で気がつくと
　　思いますが………

　　それなのに、母や兄（卵）の
　　下に行ったのは
　　どうしてでしょう？」

　疑問という表情で、私の言葉を深く思考するアラン様に、アニメなどでよくあるパターンの話しをしてみようと思いました。

　いや、思いっきりテンプレですけどね。
　皇帝陛下暗殺を抜かせば、１番有りそうなパターンですし………。
　魔族と争っているっていうなら、アリかな？と思うんで………。