召喚されたのに、スルーされた私

召喚されちゃいました

059★どうやら、ニュアンス的に魔族の襲来があったようです

　そして、アラン様は切なそうに言います。

　「緘口令を発したのは
　　父上達でしょう

　　だから…その話しは…
　　誰も口にしなかった

　　それゆえ…私もその内容は
　　知りません

　　やっと教えてくれるんですね」

　アラン様も知らない話しを、ここでする気なんですね。
　私という伴侶を得たから話す内容なんて、激ヤバ内容に決まっていますよね………。
　それって、権力闘争とか皇位継承争いとかってヤツですよね。
　出来れば聞きたくないし、知りたくないです。

　でも、その話しを聞く義務が、アラン様と結婚する私にはありますね。
　ここは、気合と根性で聞きます。
　夜中にうなされたら、アラン様に泣きついてやる。

　覚悟を決めた私とアラン様に、皇帝陛下は、遥か遠くを見詰める瞳で話し始めました。
　
　「ああアランに
　　最愛の女性が出来たからね

　　伴侶を守る覚悟と
　　戦う覚悟の為に
　　教えようと思っていたから…

　　アマーリエはね
　　魔力量はかなり多かったが

　　属性は白の治癒魔法と
　　植物を育てる緑魔法の
　　使い手だった為に

　　自分の身を守る術を
　　持っていなかったのだよ

　　だが、お前の紫音は違う

　　異世界からの花嫁はかならず
　　治癒魔法と精霊魔法を使える

　　自分の身は、自分で守れるから
　　あの時とは違うと思う

　　アマーリエのこころが壊れた
　　原因は自分を守る為に

　　身近な人間達が戦って
　　死んでいったコトだと
　　思っているよ

　　アマーリエはね
　　心優しい女だったから

　　守られているだけだった
　　そんな自分を、彼女は
　　許せなかったんだろうねぇ」

　うっわぁ～マジで怖い………弟さんも…部下さんも…魔物とか妖魔に襲われて、逝ったとしか思えませんけどぉぉ～………。
　でも、私は、召喚された者だから、治癒も精霊魔法っていうか、攻撃魔法も防御魔法も使えるんですね。
　　だったら、私は、アラン様や子供を守る為に戦いますよ。

　せっかく、魔力量が多いっていわれているんですから………。
　厨二病を患わないオタクなんていません。
　私は、立派なイタイオタク少女で、厨二病はまだ完全に治っていませんから………。

　なんて思いながら私は、アラン様にギュッと抱きつきながら、皇帝陛下の話しを聞きました。
　聞きたくはなかったんですけど、私の産む子供も狙われる可能性があるので、頑張って聞きましたよ。
　でも、合いの手として、聞きました。