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召喚されちゃいました

055★誓約書に名前を入れました

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 「アラン様、ここに
  私の名前を書くんですね?」

 私は、アラン様に話しかけながら、人差し指でその場所を指差します。
 
 「そう…そこに…
  紫音の名前を
  書き込んでください

  書いた時点で貴女は
  私の正式な婚約者です」

 「はい…書きますね」

 私は、こころの中で、漢字で書くってイメージして名前を書きました。
 すると魔法のペントインクはキラキラと輝き、婚約誓約書に定着しました。
 これで、後戻りできません。

 だって、私の名前の後に皇太子妃って文字が、浮かびましたから………。
 シンデレラストーリーみたいな感じです。
 これで、異世界から召喚された私は、未来の皇太子妃で、将来の皇妃です。

 花嫁として召喚されて、本当にアラン様の花嫁になります。
 お母さんやお祖母ちゃん、父さんやお祖父ちゃん、お姉ちゃん達、私は、異世界で結婚します。
 あっちでの私は、どうなっているのかな?って思いました。

 でも、たぶん、死んでいるって思います。
 だって、あの時、道路を走っていたタンクローリーが、私の隣を走り抜けたなぁ~って思ったら………たら………。
 そう、何かが当たったのか、それともガソリン漏れしていたのか、次の瞬間に爆発炎上したんですもの………。

 その爆発炎上の爆発の衝撃を全身で感じたから………あの時、確かに死んだわって思ったもの。
 これでいくと、ラノベの定番。
 死ぬ運命の人を選んで召喚しているって感じね。
 なんて思ったのは、あの皇子様達その他にスルーされて、周囲を観察し、アラン様に『貴女も、正式に召喚された………』と、言われた頃でした。

 これは、なにをどうやっても帰れないヤツだわ………も、それで良いと思う。
 アッチでは、たぶん死んでいるから………帰れないと思うし…帰る気持ちなんて無いわ。
 でも、こんな大事なコトを、今、思い出すなんて………抜けてるわ。

 なんて、思っていたら、アラン様に話しかけられました。

 「紫音、明日……
  私の友人が主催する
  夜会がある

  そこで、貴女は
  社交界デビューする
  コトになる」

 「えっ?」

 「紫音、何回か
  夜会とお茶会に参加して
  貴族達との会話に慣れたら

  父上主催の夜会で
  私達の婚約を
  正式に発表するからね」

 「あっ…アラン様…
  あのぉ…私は、あっちで
  庶民出身なんですけどぉ~」

 「それは何の意味も無いぞ」

 「………」

 「ここに、召喚された時点で
  花嫁達は皇族の地位を
  与えられるからね

  だから、アランとの婚約も
  簡単だったのだよ

  ちなみに、そなたは
  私の養女となった

  皇族は、親子と同母の兄妹と
  姉弟以外は婚姻できるから

  何の問題も無いぞ」

 と、さらりと皇帝陛下は微笑みを浮かべながらのたまってくれました。









 
  
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