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召喚されちゃいました

052★婚約誓約書だそうです

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 「父上、母上との出会いや
  夜会での出来事などの
  思い出話しは

  紫音と私が
  正式に結婚してから
  教えてください

  色々とあったコトで
  私との結婚に躊躇されたら
  困りますので………」

 アラン様ってば、酷いです。
 私は…純粋に物語として聞きたかったのに………。
 それを、ざっくりと切っちゃうなんて………。

 挙句に、怖いコトを言ってますね。
 皇帝陛下の若い頃って、皇太子時代のコトですよね。
 それなのに…色々とあったって…なにがあったんですか?

 はぁ~聞きたかったなぁ~………。
 きっと、波乱万丈って感じなんでしょうねぇ~………。
 宮廷の美姫と皇太子の恋物語。
 悪役令嬢に、ライバルの恋人候補に…幼馴染み…はぁ~ロマンス………。

 たった今、アラン様に、酷いコトされたのに、皇帝陛下はにこにこ笑っています。
 
 「そうか…そうだな
  マルティン、あれを………」

 皇帝陛下は、アラン様に苦笑してから頷いて、側に立っていた侍従長に命令します。
 すると、その侍従長は、皇帝陛下に一礼し、近くにいた侍従に視線を送ります。
 その侍従は、室内に置いてある家具から、箱を取り出して、侍従長に一礼して、その箱を差し出しました。
 
 謎の箱を受け取った侍従長は、私達と皇帝陛下の前にあるローテーブルにその箱をおきました。
 それを、皇帝陛下が、開けて数枚の書類を取り出します。
 いったいなんでしょうか?謎です、私には予想がつきません。

 その書類を皇帝陛下は、アラン様に差し出しながら言います。

 「アラン、ここで
  婚約誓約書を
  書いてもらおうか

  立会人の名前は
  既に入れてある

  許可の印もな」

 こっ…婚約…婚約…誓約書…って、なんでしょう?
 あれ?それって、私とアラン様が正式な婚約をしたって証拠に成りますよね………良いんですか?
 すっごく…嬉しいけど…けど………あの皇子様達に、スルーされた私だよ。

 異世界人の私との結婚を、そんなに簡単に認めるなんて………。
 いや、その為の花嫁召喚なんでしょうけど………本当に、私で良いの?
 マジで、そこまで血統的にヤバいってコトですよね。

 って、私が驚いているのに、アラン様はにっこり笑っています。

 「ありがとうございます、父上」

 お礼を言って、さっさと書類を受け取りサインしています。
 はやっアラン様…早すぎます…即断即効…って………。
 少しは、考えましょうよ…一生の問題なんですよ…結婚って………。
 まして、私は…一般小市民なんですよ。

 身分も何にも無い……そりぁ~召喚された花嫁候補ですけどぉ…………。
 って言うか、そうアラン様は言ってくれたけど………。
 嬉しくって、なんか顔面が崩壊してしまいます。











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