召喚されたのに、スルーされた私

召喚されちゃいました

044★アラン様、知りたいのはソコじゃありません

　はぁ～………残りの説明も、聞いてさっさとお風呂に入りたいわ。
　だから、私は、アラン様をジィーッと見詰める。
　すると、アラン様は、説明を再開する。
　　　
　「血の濁りが出ている私達は
　　異世界の花嫁を召喚して

　　その凝った血を薄める必要が
　　あるんです

　　魔力量の多い上位貴族が、もし
　　消えてしまえば

　　凶悪な魔物や魔獣など討伐は
　　不可能になります

　　それに、魔族に蹂躙されて
　　しまうでしょう

　　戦うという意味で、上位貴族は
　　必要不可欠なんですよ

　　これは、上位貴族に生まれる者の
　　義務と責任です」
　
　立て板に水って感じで、アラン様は一気に説明してくれました。
　でも、その内容は悲惨のひとことですね。
　うっ…身も蓋も無い…嫌な現実…ですね。

　この国や周辺国では、同等の魔力量を持つ者同士が長い間婚姻を繰り返し、遺伝子的な袋小路に入ったというコトですね。
　滅びるのに任せると、国（国民）を脅かす魔物や魔族から守るコトが、不可能になる。

　上位貴族が滅びる＝国も滅びるですか………ハード過ぎます。
　これでは、革命も民主主義も共産主義も台頭しませんね。
　本当に、異世界だって実感できました。

　けど、重要なコトを教えてくれませんね。
　卵って、どのくらいでできるんですか？
　生涯に幾つくらい産むんですか？

　とは思いましたけどねぇ………乙女のピンチですよ、現在進行形で。
　匂い自体はみんなに知られてませんけどぉ～………。
　結界を張るってコトは、私が、ぬっ……濡れているってコトは、バレバレですよね。

　うっいたたまれないです…ふっ…アラン様は…私を濡らす方なんで、恥ずかしく無いんですよね。
　所詮は、男だから、私を濡らしてイかせて楽しむだけなんですよねぇぇぇぇ～………ちくせう。
　アラン様の…バカ…キチク…ロリコン…デブ専…ブス専…それでも、アラン様が好きな私は…負けてます……くっすん、それでも好きだよぉ～。

　ってコトでお風呂に入りましょうよ…アラン様…乙女の事情…です。
　視線でお風呂を訴える私に、軽く口付けしたアラン様は、フレデリカに命令します。

　「フレデリカ、軽食の用意を」

　えっ？　えぇぇぇ？　お風呂は？
　アラン様が、アフタヌーンティーって………。
　呼びにきたのに、アレなコトになったからって………嫌がらせですか？
　そりゃあお腹は空いていますけどぉ～切実なのは乙女の泉の決壊なんです。
　あぁぁ～口に出来ない私は、ダメ人間ですぅぅぅ～………。

　と、こころの中で泣き言を言っていたら………。

　「はい…姫様…食べ易い
　　スープも用意しますね」

　アラン様の中でうつむく私に、思いやりに溢れたフレデリカの提案でした。

　くっ、フレデリカさんって呼びたいのに……それは…許されないって言うのが、身分格差ってモノなんですねぇ～………。
　いえ、単に、アラン様に逆らってしまった認定はイヤなんです。
　だって、あのいやらしいお仕置き決定ってなってしまうから………。

　うっぁぁぁ～アラン様って、絶倫疑惑もあるし、体力魔人疑惑もあるし、魔法がとっても上手いから、へろへろなんですって言ったら、一発ヒールで終わってエンドレス地獄も……うっ…超優良物件は怖いですぅぅぅ～………でも、イケメンでイケボなんですよねぇ～…私好みの。

　じゃなくて、お礼言わなきゃ………。

　「ありがとうございます」