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召喚されちゃいました

001★プロローグ・巻き込まれて異世界

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 私は今、母に頼まれて明日行く伯母さん家への手土産を買いに、都心に来ていた。

 さて、あの伯母さんへの手土産って、どんなモノが良いかな?
 予算は限られているから………それで見栄えのするモノ選んで来いなんて………。

 などと思いながら、私は百貨店へと足を向ける。
 ようは、包装紙にネームバリューあるモンなら納得するんだから………。

 そう思い、私・綾小路 静香(あやのこうじ しずか)は、ちょっと嘆息しながら歩き出す。
 まったく、我ながら容姿と似合わない名前よねぇ………と、思いながら肩を竦める。
 なんで、こんなたいそうな感じの名前なんだか?
 ウチは普通の一般家庭なのに………。

 まっいっか…うふふふ。
 明日、母さん達は伯母さん家に行くから、私は自由だから………くふくふっ。

 ようやく姉の大学受験が終わり、家族内にあったぴりぴりした雰囲気が消えたので、私はオタク仲間と乙女ロードに行く約束をしていたりする。
 そして、明日はその乙女ロード巡りをする予定なのだ。

 執事喫茶なんて良いかもぉ~………。

 『おかえりなさいませ。お嬢様』

 なんてね……うふっ明日が楽しみ。

 それに、久しぶりに、同好の士である仲間達と、春コミのイベントにも行く約束もしているから、その待ち合わせとかの相談もするつもりだし………。
 などと、うきうきしながら考えていた。

 それが、ほんの数分前のことだったりする。
 歩いている途中までは、しっかりと覚えている………色々と予定があったからね。
 
 今年は、私の受験も無事終わっていたから、4月から高校1年生として思いっきり遊ぶ予定だったのに………。

 なのに、なのに………いったい、ここは、どこなのぉ?
 っていうか、私ってば石畳?に座り込んでるの?
 なんか、足元が光ったような気がしたのよね。
 そして、エレベーターに乗って階下に直通で降りる時のような、妙なふわっとした浮遊感を感じたら、次の瞬間にはここに居たって感じかな?

 見慣れない大理石の床、視線を上に向けると天井も大理石で、周りを見渡すと立派な脊柱がたっている。

 まるで、ギリシャのパルテノン神殿?みたいな建物の中に、私はいた。

 そして、私の周りに居る人間達は………。
 どう見ても、観光客には見えない。

 まるで魔法使いか魔術師か?って格好のローブ姿で杖を持っている集団がいる。

 その他にも、真っ白な古代の神官みたいな?格好の集団に、中世の騎士みたいな?格好の集団が見える。
 その集団からちょっと離れた場所に、キラキラした皇子様(仮)みたいな集団が居るのが見える。

 これって、ラノベなんかに良くある異世界召喚?
 だったら、絶対に主役は私じゃないわ。 
 きっと、勇者や聖女が呼ばれて、私は巻き込まれた哀れなモブよ。

 そう思った私は、改めて回りを見直す。
 すると、嫌になるほど、綺麗な美少女が2人、私と同じように呆然とした表情で座り込んでいた。
 
 これでいくと聖女召喚に私は巻き込まれたのねって………溜め息しか出ないわ。

 ラノベのパターンでいくと、牢獄にポイッとか。
 小額のお金を渡されてポイッとか。
 あと、お城の下働きにされるとか。

 運が良くても、一般常識をざっと教えてもらい、ちょっとのお金を渡されてポイッとされるのどれかになるなぁ~ってわかったわ。

 酷い扱いをされないように、おとなしく黙っていよう………それしか無い。
 そう思った私は、とにかく、周りの人間達を観察することにした。










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