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召喚されちゃいました
364★基準が違うんですよね
しおりを挟む「あの………」
私が言葉を選んでいる間に、アラン様は私の騎士服へと手を伸ばしながら言います。
「騎士服は脱がせますよ
これは重量軽減魔法が
かかっていても
シオンには重いと思います
楽なワンピースにしましょう」
にっこり笑っているのに、反論は許さないアラン様に、ペリッと騎士服を脱がされて、あっという間にワンピースにチェンジでした。
「シオン
私はこころが狭い上に
独占欲が強くて
嫉妬深い男なんですよ
愛しい貴女の姿を
他の男になんて
見せたくないんです
シオンが初恋なんです
もっとも
番が見付かるとは
思っていなかったので
恋愛というか
愛する相手と出会うコトを
最初から諦めていましたから………
私にはシオンだけなんです
異世界召還した花嫁達を
婚姻を諦めていた
《魔力量過多》の
男達の群れに
獲物として投げない限り
シオンを見せたくない
というのが本音です
どうしょうもない
拗らせた男が番だったと
諦めてください」
アラン様、本音を言えば良いというものじゃ無いんですよって、声を大にして言いたい。
でも、ここで言い返して、更に拗らせた面倒くさい、アラン様を召還してくだくだと話して、体力と精神を削られたく無い。
言わぬが花って言葉を、実感しました。
それと、彼女達の謁見に動いたアラン様の本音が、かなり残念ですね。
私以外に興味が無いって、実感できますよ。
獣人というか、ドラゴニアンって、番以外にほんとぉぉぉーに冷たいって理解しました。
うん、確かに番って、浮気の心配は無いですね。
その分、確実にうっとおしいぐらいの愛情を、だばだばと注いでくれますね。
おかげで、あっぷあっぷで溺れそうですよ。
その愛情に耽溺じゃなくて………ドザエモン寸前という意味でね。
まぁ番の良いトコロと悪いトコロは、私なりに理解しました。
後は、折り合いをつけるだけですね。
何時になったら、折り合いをつけて生活できるんでしょうか?
刻々と結婚のときが近づいていますけど………。
もうなんだか疲れたので寝ましょう。
その前にアラン様のご機嫌とりをします。
というか、私の本音を恥ずかしさをねじ伏せて言います。
「私にとって
ランドール様以外の男性は
どうでもイイ存在です
だから
そんなに不安に
ならないでください
それと
私は日本人として
丈夫なほうですよ
あっちでは、華奢とか
脆弱とか、儚いとかって
言われたコトなんて
ありませんよ
でも、ランドール様の
言うとおり大人しく
横になります
だから
訓練する、かっこいい
ランドール様を
見せてくださいね」
「わかりました
訓練の時間になったら
ちゃんと起こします
だから、今は
ゆっくり休んでください」
私の告白?にアラン様は、うっとりするほど優しい皇子様の表情と、甘ったるい声で応えてくれました。
ヨシ、これで当分は、うざくならないですね。
彼女達も、謁見の為の準備に入っているでしょう。
アラン様に、進行状態を後で聞いてみれば良いよね。
色々と考える為に、目を閉じます。
これって、逃避行動かな?
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