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召喚されちゃいました

362★あははは……ここでも、常識の違いが……

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 私の言葉に、その可能性が強いと感じたアラン様は、クッと唇を噛んでから、決断したように言います。

 「その可能性があるなら
  シオンの護衛として

  私の乳兄弟達を
  フルトランス訓練に

  最優先で入れましょう」
 
 アラン様、何度言えば覚えてくれるんですか?
 私は、アラン様やアラン様の乳兄弟を含む、護衛騎士が身辺警護してくれます。

 これ以上は、必要無いと思います。
 それより、無防備な彼女達を守って欲しいんです。

 魔族やベルトラン王国などに、彼女達がさらわれてからでは遅いんですよ。

 アラン様を除いた《魔力量》の多い、独身皇族や独身の高位貴族達の為に、異世界召還された花嫁なんですから………。

 「だったら、なおさらに
  彼女達の護衛騎士を
  早く決めてください

  守りを固めないと
  不味いと思います

  あの元側妃達と
  廃嫡皇子達を

  さっさとその故国に
  ポイッと捨てて

  近衛騎士達の
  配置転換をしましょう」

 「理解りました、ならば
  陛下との謁見を急がせます」

 打てば響くアラン様の言葉に、流石の私も目が点になりますよ。
 あれだけ、彼女達の警護とかをおろそかに考えていたのに?

 もしかして、私ってば、アラン様に対する攻め方間違えていました?
 正攻法よりも、私が危なくなるから、防波堤に欲しいって言えば良かったんですか?

 「えっ?」

 もしかして、また、アラン様ってぱ斜め上に思考が飛びました?
 いや、でも、これで彼女達の立場を、あの廃嫡皇子達から引き剥がせます。

 「形式は大事ですよ
  シオンも謁見しています

  それと彼女達の守護者兼
  婚約者達を、正式に

  見繕う必要があります

  本来は、その為の
  異世界召還ですからね

  大事な花嫁達ですからね

  私は、シオンという
  私の番を得た幸せに
  舞い上がっていました

  みなが待ち望んだ
  花嫁達ですから

  早急に手をうちましょう」

 あれ?あれれれ?……でもいっか…これで、彼女達も何とかなる。
 これ以上は、あの廃嫡皇子達の好き勝手にさせないなら、それで良いでしょう……。
 
 「あっあぁ………そうですね」

 そうか、謁見は必要だよねぇ……。
 私は、アラン様に連れられて、直ぐに陛下に謁見しちゃったから。

 ここは異世界で中世というよりは、古代国家の方が近いかも知れないアルファルーラ帝国なんですよね。
 まずは、謁見して、庇護を得ないとですよね。

 それを邪魔したのは、あのクズな廃嫡皇子達。
 ほんとぉーに、迷惑しかかけないんだから(怒)。

 お陰で、彼女達の名前は、多くの者に知られちゃっているんだから。

 いやいや…じゃなくて、日本だって、皇族の方々に一般庶民が直接会って話すなんて機会は、滅多に無かったんでした。

 ここでの私は、皇太子殿下であるアラン様の正妃で、皇帝陛下の養女というバリバリの皇族でした。

 これでいくなら、私も彼女達が陛下に謁見しない限り、直接、あって話すコトが出来ない立場なんですね。

 ああ面倒くさい。
 でも、それが、立場ってものなんですね。

 それに、私やアラン様のスケジュール調整をして、近衛騎士達の勤務変更をしない限り、彼女達には会えない………。

 私は、アラン様が選んだ守護騎士達や近衛騎士達に守られるコトに慣れないといけない………。

 いずれ、私が、アラン様の子供というか、卵を孕むコトを自覚して行動するコトに慣れるしかない。

 彼女達は、同郷の人間達として大切にしたい。
 でも、一番大切なのは、愛するアラン様です。
 それを忘れないようにしないといけませんね。

 「シオン愛しています
  私は、愛しい貴女が

  腕の中に居てくれるなら
  どんなコトでも
  耐えられるでしょう

  だから、守られるコトに
  慣れてくださいね

  シオンは
  理性で理解していても

  とっさの判断は
  男性皇族の立場に
  なってしまいます

  それを解消してください

  今回の魔族襲撃に
  使った魔石を

  何時、作ったかは
  不問にします………

  お仕置きもしません

  その代わり
  その魔石は肌身離さずに
  持っていて欲しい

  卵を孕んだときに
  余分な《魔力》を
  使わないですみますから………

  卵を孕んでいるときや
  出産のときや出産後は

  命にかかわるほど
  危険な時期なんです

  私の母は、私を産んで
  儚くなりましたから………

  本当は、孕ませるのも
  出産させるのも不安で………

  シオンを失いたくない

  だから、今は抱かないで
  すんでいるんです

  私は、臆病で情けない
  男なんですよ

  愛しています
  私をおいて
  逝かないでください」

 うっアラン様ごめんなさい。
 アラン様は、母親を生まれたときに、失っていたんですよね。

 私は、強靭なドラゴニアンと違って、脆弱な肉体しかない、異世界召還された花嫁なので怖いですよね。

 魔族や魔物達と常に戦い、人攫いや盗賊や夜盗とも戦う、騎士であるアラン様達が治安を維持して、国民を守っているアルファルーラ帝国。

 それが、極普通の日常なんですよね。

 真夜中に女子供が歩き回っても、事件に巻き込まれて被害に会う者達は、運が無かったねって言われる。
 異常なまでに治安の良い、日本に育った私には、危機管理能力はありません。

 出産についても、帝王切開や出産促進剤など、色々な方法や薬や管理方法のある恵まれた世界で生きていたんですよね。
 だから、アラン様の恐怖がいまいちわからないんです。

 だから、アラン様の時間が許す限り側に居て欲しいってしか言えません。
 面倒くさい番で、ごめんなさい。






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