召喚されたのに、スルーされた私

召喚されちゃいました

３５０★総人口や比率ってどうなってます？

　まず、ありそうな危険性を提示した方が良いかな？

　「まず、下手に排除すると
　　もっと、巧妙な手段で
　　来る可能性がでます

　　下手したら無理やりとか
　　強引にとかね

　　あと、魔族を呼びだして
　　頼むとかって………。

　　可能性は高いですね」

　私の言葉に、全員が渋い顔になります。
　だから、できるできないは置いて置いて、最良を口にしまいす……

　「出来れば、無傷で
　　何が原因で失敗したか

　　わからない状態で
　　ベルトラン王国等に

　　帰還してもらうのが
　　１番だと思います」

　「確かに
　　それが１番よかろうな」

　「そうすれば
　　次の作戦が決まるまで
　　身動きがとれなくなります

　　それと、原因不明なら
　　失敗した責任を互いに

　　揉めて、なすりあいし
　　時間の浪費をしてくれます

　　アルファルーラ帝国に
　　潜入して誘拐などが出来る

　　優秀な人材は
　　そうそういません

　　必ずアルファルーラ帝国に
　　潜入した経験のある人間が

　　作戦行動をする時に
　　入っています

　　今回失敗しても、また
　　１人か２人は

　　間違いなく
　　アルファルーラ帝国に
　　潜入してきます」

　言い切る私に、陛下も先代陛下も困った顔をして、お互いを見て居ます。

　困っているのは、私なんですけどねぇ（はぁ～…迷惑）。
　もう、　とんでもないキャンサー（人さらい達）に対する、対処療法しかないじゃないですか（激怒）。

　「ですから、さっき言った
　　《魔力量》を計る魔道具に

　　《魔力パターン》を
　　記録させておけば

　　次に同じ《魔力パターン》の
　　人間をすぐに特定できます

　　それを元に、潜入した
　　ベルトラン王国の人間達を
　　監視下に置くコトが出来ます

　　このぐらいしか思い付きません

　　その間に貴族達に対して
　　危険を周知する時間がとれます」

　私の提案の間、何事か考えていたアラン様が口を開く。

　「う～ん困りましたね
　　出来れば捕まえて

　　あちら側の情報を
　　取りたかったんですが………

　　いや捕らえて情報を盗ったら
　　記憶操作をするコトにすれば………」

　アラン様ってば、相変わらず酷いコトを言いますね。
　でも、悪の帝王って感じがして、素敵です、眼福です、ご馳走様です。

　何か乙女ゲームのイベントっていうか、フラグっぽい感じになってきたので、ここは言葉を濁します。

　私は、ことなかれ主義のチキンなんですから………。

　「本当に、ベルトラン王国等から
　　このアルファルーラ帝国に

　　血を盗みに来ているかは
　　まだ未確定な話しですけどね

　　あくまでも、仮定ですからね」

　注意する私に、アラン様が首を振ります。

　「いえ、その可能性は
　　もう既に排除できません

　　血の袋小路になっていない
　　それが証明してます

　　早速、調べるコトにします」

　はぅぅぅ～アラン様ってば、カッコイイです。
　フットワークが軽いんですね。

　貴族の次男以下をポイッとしているのに、女が余っているって言っていませんよね。

　もしかして、女性の出生率が下がっているんでしょうか？

　アラン様みたいに《魔力量》が多すぎる皇族や、高位貴族の男性達は、《魔力量》の少ない女性達に興味が無いんですよね。

　また女性達も《魔力量》格差が大きい男性達に興味が無い。
　はぁ～…悪循環ですよね。

　《魔力量》が多いと寿命が長くなる………若い姿のまま。
　若い男が余っているのは、普通。

　変だけど、ソレがここの常識。
　このセイで、男女の比率がわからない状態なのでは？

　こっちの戸籍って、どうなっているのかしら？
　国民の総人口と男女比率とか………聞いてみよう。

　「そう言えば
　　このアルファルーラ帝国って

　　男女の比率は
　　どうなっていますか？

　　何か男の方が多いように
　　感じているんですけど………」

　「正確には調べていませんが

　　皇族では
　　フレデリカ世代以降は
　　皇女は生まれていません」

　「もしかして、貴族女性も
　　減っていませんか？」

　「さぁ～どうでしょう？
　　私は、シオンに出会うまで

　　《魔力量》の都合で
　　貴族令嬢達に

　　一切の興味が
　　ありませんでしたから………」

　「あの…《魔力量》の多い
　　皇族や貴族の男性達は

　　婚姻できないから
　　貴族令嬢達に興味が無くて

　　人数が多いとか少ないとか
　　考えて無かったとか？」

　「ええそうですね

　　相手に出来ないし
　　されないしで

　　興味がありませんでしたね」

　うわぁ～…ダメじゃん。