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召喚されちゃいました

335★頑張れハインツ

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 まぁ何度も不細工なんて言ってくれちゃいましたからねぇ(怒)。
 そりゃー綺麗じゃないことは、私自身が十分に理解してますけどね(涙)。

 でも、流石にああ何度も言われると………中身が残念過ぎる人でも、容姿か綺麗な人の言葉に………こころがザクザクと傷付くんですよ(哀涙)。

 だから、ハインツの、その勇気はえらいとは思いますけど……それ、もはや蛮勇ですよ(残念)。
 もう、激怒状態のアラン様が、その程度の提案で納得できると思いませんよ(残念)

 はぁ~…アラン様の口付け、クラクラちしゃうわぁ(キャハ)。

 ちょっと…いやかなり…中二病…いやいや…これは…デレ…それも俗に言うヤンデレ入ってますね(嬉困)。
 やっぱり、アラン様はヤンデレなんでしょうねぇ……この態度をみると。

 優しく見詰めるその瞳と表情が、キリリとした厳しい表情になって、ハインツに無情に言います。

 はぁ~…本当に、カッコイイですアラン様。

 「その提案には一定の配慮を感じる
  が、アレンドラ王国の
  たかが公爵の嫡男に何が出来る」

 確かに、嫡男は当主じゃないからねぇ………そんな権限は無いですね。

 アラン様の怒り………もしかして大激怒の最大の原因は、そこに転がっいるDQN王女と侍女達だけじゃないみたいね。

 プラス、出来の悪い国王と、その息子や娘達と、宰相を含む国政を動かしている存在でしょうねぇ……。

 元凶の全部を、適切に処分しない限りは、アラン様の極限までイっちゃっている怒りは、絶対に解けないと思いますよ。

 そうなると、ここはもう手段はひとつだけですね。

 アラン様に蛮勇の進言をしたハインツが、アレンドラ王国の国王に成る以外に、ありませんね。

 アレンドラ王国そのものと、イレーナ王女の無礼を許すコトは、それ以外では無いと思います。

 うふふふ………ここは、ハインツが頑張って、王位簒奪とか、下克上とか、クーデターとか、をするしか無いです。

 まるで、戦国時代の大河ドラマを見ているような気がします。

 そんなワクワクの私を抱き込んだままで、アラン様が冷酷な表情と声で命令します。
 
 「本当に私の怒りを解く提案をしたいなら
  公爵の嫡男では立場が足りない
  ゆえに、国王になれ」

 「はっ………」

 アラン様の冷酷非情な命令に、ハインツは真っ白な顔色で悲痛な表情で是っと応える。

 それしか無いでしょうね。
 頑張れハインツ…アレンドラ王国の未来を握っているのはキミだけだ。

 だから、アレンドラ王国を滅ぼすかどうかはハインツしだい………。

 意識を切り替えて私は、アラン様とアルファルーラ帝国の騎士達の安否について話し合いますよ。

 大河ドラマなんて、茶の間でみるから面白いんですよ。
 現実は、そんな余裕なんてありません。

 なんと言っても、魔族に襲撃を受けた直後ですからね。

 まぁアレンドラ王国については、ハインツの反乱でお仕舞いですよ。
 反乱が成功してから、改めて国同士の関係を話し合えばイイんです。

 これ以上、ハインツやDQN王女と会話する気はありません。
 時間の無駄だし、精神的にも楽しくありませんから………。

 なぁーんて、のんびり構えていたら、元凶が目覚めてしまいました。
 これ以上、ハインツでもどうしようもないコトになってくれないと良いのですが、無理ですよね(はぁ~…)。

 「ランドール殿下
  本当に、その不細工と………」

 重く暗い話し合いが終わったと思っていたのに、DQN王女が復活して話し掛けてきます。

 本当に、懲りない……いや、鳥頭なんですね……いや、鳥以下なんですね。
 発言の許可を求める言葉も無いんですからねぇ……本当に馬鹿なのね。

 いや、これがDQNクオリティーなんでしょうねぇ…はぁ~…ダメだこりゃ(呆れ)。

 アラン様との会話で、緊張し過ぎたハインツの催眠魔法が解けたってコトですねぇ(下手くそ)。
 ったく、あの台所のG並みに丈夫なんですね(迷惑)。

 「何度言えば理解する
  私の許可も無く、我が名を呼ぶな
  
  それに、私は
  お前の直答を許可していない
  
  私のシオンに対して度重なる
  無礼な言動と不敬の極み

  今、ここで八つ裂きにしたいほど………

  が、ソレをすれば我が身が穢れる
  ハインツ、ソレを今一度処理せよ」

 DQN王女の発言を冷酷な表情で無視して、アラン様はハインツに命令する。

 「はっ………」

 その命令に、ハインツは是としか答える選択肢は無い。

 こんなDQN王女を、アルファルーラ帝国に訪問させたアレンドラ国王のミスなんだから、私も何も言わない。

 というか、何も言いたくない。

 穏便に済ませようとしても、DQN王女は、私の言葉を聞かなかったから………。
 ついでに、いくら自覚があっても、フレデリカさん達の前で、何度も何度も、不細工と言われるのは、マジ辛いわ(ムカッ)。









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