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召喚されちゃいました

328★もしかして、アラン様の兄上でしょうか?

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 《魔力量》と魂の輝きに、容姿まで褒められましたが、私には相思相愛のアラン様がいますのでお断りです。

 でも、流石は獣人というか、竜人?ドラゴニアン?ですね。
 私からアラン様の匂いを嗅ぎ取るなんて、鼻が良いんですねぇ~(怒)。

 確かにアラン様と色々としていますが、乙女の泉にアラン様の精子は受け入れていませんよ。

 正式な匂いつけはしていないのにわかるんですね。
 怖いから言えないけど、この変態って言いたいわ。

 「光栄に思いなさい異世界の娘
  皇子の花嫁に選ばれたコトを………」

 「異世界の娘以外は必要無いでしょう」

 コレでいくと私以外は、皆殺しする気です。
 マジでヤバイ、怒っている余裕なんて無いわ。

 抵抗を奪うには、電撃が良いんだけ耐性がある可能性があるから………雷撃を一発と同時に、こいつ等の周りの酸素を一瞬で奪って一酸化炭素に交換してやるわ。

 ここは、私の《魔力》を使うとバレて、攻撃される可能性があるから《魔石》を使う。
 私の着ている騎士服は、元がアラン様のモノだから、状態異常無効の魔法がかかっている………大丈夫よね………たぶんきっと。

 雷撃を発生する《魔石》は、心拍数が上がったり発汗しているという緊張状態で、私の手や指に触れると雷撃を発生するように付与してある。
 酸素を一酸化炭素に変換する《魔石》もセットであるもの。

 フレデリカさん達は、私の《結界石》が作った《結界》の中だから大丈夫なはずだし………。

 あっちでは、催涙弾とか毒ガスとか色々とあったし、こっちでも似たようなものがあったら心配だから、空気も遮断する様に作った特殊な《結界》なんだもの。

 大丈夫なはず………たぶんきっと、うふふ女は度胸よ。

 気合と根性で、恐怖を押し殺して私が、2つの《魔石》を触った瞬間、辺りにはバリバリという雷の音と、瞼を閉じていてもまぶしい光りとオゾン臭がたちこめる。

 それと同時に息苦しさを感じる。
 不味いわ、私の意識が途切れたらアラン様の兄上を捕まえられない。

 って言うより、これって状態異常無効の魔法は効かないのね。
 状態異常って魔法とか毒とかに対して発動するんだっけ………。

 これって、酸素不足とか一酸化炭素過多には反応しないのね。
 ある意味自然現象の範囲内なのかな?

 じゃなくって、余計なコトは考えないで、捕縛の《魔石》発動。
 よぉ~し3人の周りに予定通りに液状ワイヤーが現われたわ。

 3人をグルグル巻きにしている………うふふふ剣で斬ろうとしても無駄よ。
 このワイヤーは、シュワちゃんのター○ネーターからヒントを得た液体金属のイメージで作ってあるんだもの。

 斬っても斬っても再生するのよ。
 それに、呼吸困難な状態で戦闘するなんて酸欠一直線よ。

 くすくす………ほ~ら眩暈と吐き気でふらふらね。
 上手くいったわ捕縛魔法《結界の鳥籠》に全員に入っている。

 私の体に酸素が回るように、一酸化炭素を酸素へと変換する《魔石》発動………はぁ~間に合ったわね。
 後は、今魔族達を封じている《結界の鳥籠》の上に更に《結界》の多重掛けをする。

 あれ?何となくアラン様の気配が、こっちに向かって移動しているような気がする(ヤバイ)。
  ん?気のせいだったみたいね、気配が消えた………ほっとするわぁ。

 それよりも、アラン様の兄上と魔族の様子の確認。
 呼吸困難から、意識不明になっているわね。

 あっあれ?なんなの?気配が変わってきましたよ。 
 それに、髪や瞳はそのままだけど、容姿が変化してきました。

 アラン様と変わらない超絶美形だったのに………。
 乙女ゲームのリアル攻略者が………普通の美形というかになっています。

 ついでに、苦痛と驚愕と脅えが刻まれたまま気絶しているセイで見られた貌じゃなくなっています。
 えっうそ?マジ?これって、別人です。

 せっかく捕まえたのにぃぃぃぃ~………(ちくせう)。
 うふふふだよねぇ~何年も行方不明だったアラン様の兄上が、こんなに簡単に捕まえられるなんて、ありえない(がっくり)。

 大切な切り札なんだもの………何人も影武者というか身代わり地蔵を、用意するのは当然ですよね(ぐっすん)。
 でも、魔法でアラン様の兄上に化けているなんて………。

 マジで困りますよぉぉぉ~………。
 気配まで真似ているって、どうやって区別しろって言うのぉぉ~勘弁してよぉ~涙が溢れるわ(号泣)。

 服装が違うって言っても、同じ服を用意されたら意味が無いもの。
 仕事中は帝都騎士団の騎士服を着ているアラン様を、みんな見慣れているから服装を真似されたら不味いわね。

 下手したら、帝都や皇宮に襲撃する魔族達が全員で、帝都騎士団の騎士服を着てアラン様の兄上に化けてくる可能性も………。

 マジかんべんしてよぉぉぉ~どうしろっていうの(号泣)。
 いっそ匂いで判断すればイイの?

 でも、獣人じゃない私には無理。
 ついでに、アラン様の兄上の着ていた洋服を着られたら意味無いよね。

 いや、匂いなら有効よね、だって同じ香水を着けても、体臭のセイで香りが違うって言うもの。
 これなら、何とかなるわよね。

 獣人のアラン様達なら、たぶん、きっと………。
 これで、アラン様に対する言い訳というか、ごまかし用にひとつの対策は考えたわ。










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