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召喚されちゃいました
260★隷属魔法は成功したようです
しおりを挟むアラン様が、ペンタグラムを描き終わると同時に金色のきらきらした光が、私の時と同じようにワイバーンの全身を包み込みました。
「我、ランドール・アラン・アルファルーラは
そなたに《契約》の証として
水のワイバーンであるそなたに
ウォルターの名を与えん」
そして、ワイバーンは、アラン様をじっと見詰めてから、念話で話し掛けてきましたよ。
大本の隷属契約魔法を掛けたのは私なので、ワイバーンがアラン様に送った念話もばっちり聞こえるみたいですね。
これは、思ってもいなかった結果なのでラッキーです。
『我はウォルター
我が主に忠実な僕
主よ御命令を………』
ワイバーンと見詰め合っているアラン様は、カッコイイです。
眼福ですよぉ~ファンタジーの世界って感じがしますよ。
うふふ、初めての私の隷属魔法の成功ですよ。
マジで嬉しいです。
これからも、捕まえた幻獣を隷属魔法で従えるっていう可能性があるって良いですね。
次は、騎士様の任命です。
このワイバーンを騎獣とするのは、どの騎士様でしょうか?
なんかワクワクしますね。
そんなコトを思っていたら、アラン様が私に話し掛けてきましたよ。
「静香、今日中にワイバーン全てに隷属魔法を掛けられますか?
また、掛けられたとして、静香の負担はどの程度になりますか?」
アラン様ってば帝都騎士団の団長と次期皇太子の立場に従ったお仕事モードに入っていますね。
確かに、私の睡眠魔法で眠らされているだけのワイバーン達って、何時目覚めて暴れだすかわからない不確定要素の塊ですよね。
まして、帝都の安全と治安維持をする帝都騎士団の団長としては、さっさと処分したいっていうのが本音でしょう。
でも、私が隷属魔法を掛ければ、ワイバーンを従えられるから、処分するのはもったいないってところですよね。
ここは、当然アラン様に協力しますよ。
この魔法で《魔力》が減ったって感じがしないので、がんがん使いましょう。
だって、ラノベの竜騎士団を見てみたいんですもの。
ドラゴンナイツ………うふふ楽しみです。
なんて、ミーハーな内心を隠して、私は爽やかに答えます。
「あまり負担にならないと思います
今の魔法でも、何も感じませんでしたから………」
私の答えにアラン様は、ほっとした顔をします。
あははぁ~私が、ちょっとでも負担に感じる様だったら、ワイバーンを処分しようと思っていましたね。
アラン様ってば、相変わらず私に対して過保護ですね。
なんて思っていたら、アラン様は、一瞬瞳を閉じてから私をじっと見詰めて話し掛けてきました。
「そうですか、では、ここに居るワイバーン全てに
隷属魔法を掛けてください」
あら?ウォルターの騎士様を決めるんじゃなかったんですか?
「騎士様は、任命しないんですか?」
「静香、このワイバーン達は、特殊体なんですよ」
私の質問の答えじゃなくて、ワイバーンの話しですか?
でも、確かにこのワイバーンは、変わっていますよね。
見るからに、めっちゃ重量感があるというか………。
そう、すっごくずっしりしている感じがします。
確か、空を翔るモノって、通常は体重が軽いんですよね。
鳥なんて、ある意味スカスカですし………。
このワイバーン達って、改めて見直しても、天翔(あまかけ)る存在としては、異質ですよね。
応援ありがとうございます!
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