召喚されたのに、スルーされた私

召喚されちゃいました

２５６★どうやら、私も一緒に行くようです

　なんて会話を私とアラン様がしている間に、騎士様達がグリフォンを連れて来てくれました。
　アラン様のグリフォンは、漆黒で毛先と瞳が金という地味なんだか派手なんだかという子でした。

　でも、とぉ～っても愛想の良い子でワザワザ私の前で伏せをして、前足をお手のポーズで、たしたししてくれましたよ。
　思わずそのお手を取って………マジで大きい手だわって思いました。

　ついでに、肉球をいじってみましたが、たぶん成獣なので硬かったのだろうと思いましたが、残念でした。
　ついでに、顔や耳も身体ももふってみましたよ。

　思っていたよりは柔らかい毛で気持ち良かったぁ～なんて思っていたら、アラン様に抱き上げられて、グリフォンに騎乗させられました。

　「私のリオンは、大変人見知りなのですが
　　静香には懐いてくれたので、ほっとしました」

　へぇ～アラン様のグリフォンは、リオンって言うんですかぁ～………。
　愛想が良くって可愛いと思いますけど………どう見ても人見知りには見えませんよ？
　ところで、どうして私はここに座っているんでしょうか？

　「アラン様、どうして私はリオンに騎乗しているんですか？」

　「静香がワイバーンに隷属魔法を掛ける予定なので
　　一緒に行った方が良いだろうと思いましたから………

　　その間に、全種類の魔石を用意させておきますからね

　　それと、こちらが本題なんですが
　　もしも、静香の言った通りにワイバーンに魔族が
　　騎乗していた場合も考慮しています

　　私の側に居たほうが安心できますからね
　　それらを確認しますで、良いですか？」

　「はい」

　私の質問に、アラン様はイイ笑顔で答えてくれましたよ。
　だから、私もにっこり笑って答えます。

　でもね、アラン様ってば、帝都騎士団の訓練場に、ワイバーンを運んで降ろした後に、私を迎えに行くのを嫌がったってコトですよね。
　どんだけ、私と離れるのが嫌なんですか？

　まさに、アラン様ってば、ラノベあるあるの番に対する獣人や竜人の設定通りの言動と行動ですね。
　その執着心と束縛にぞくぞくしますよ。
　でも、私は、Ｍじゃないけどね。

　ＡＩ代わりにする魔石は、全種類用意するって、アラン様は言ってくれましたけど、どれを使ったら良いかなんて、私にわかるんでしょうか？
　まっ、なるようになるでしょう………気にしても仕様が無いですね。

　でも、アラン様が、ワイバーンの作業をしている間に、私はひとりでお風呂に入りたかったんですけどね………ちょっと残念です。
　でも、さっさと、ワイバーンに隷属魔法を掛けて、作業を終わりにした方が良いですね。

　早く終わった分だけ、私も早くお米とかをコピーして食べられますからね。
　気持ちを切り替えた私を抱きこんで、アラン様はリオンを操って上空へと向かいました。

　思っていたよりも揺れは無いし、風がぶつかってきて痛いとか寒いとかって思うコトはありませんでした。