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召喚されちゃいました

241★閑話 静香の過去………環境は、現在の静香を作った・後編

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 ただし、祖母や祖母の友人達から、お茶やお花、日舞やピアノ等を色々と無償で習っていたのだ。
 その為に、姉よりも自然と姿勢や所作が綺麗だったが、家族の誰もそれには気が付くコトは無かった。

 また、静香の髪が長いのは、今は亡き祖母が綺麗な髪で長いほうが似合うと言ってくれたからだったりする。
 ついでに、長い髪なら毛先を自分で少し切れば整えられるからだった。
 美容院に行くお金がもったいないと思う、静香である。

 自分用のシャンプーやリンスも買う必要があったりする静香は、生活費(食費や日用品費、ペットの経費など)として渡されているお金から、こっそりと出していた………ついでに、ひっそりとへそくりもしていた。

 祖母が生きていた頃から、祖母と一緒に家事全般をしていた静香にとって、それは(家事全般)何の苦労も感じなかったから………。

 ついでに、親掛かりで色々な我がままや贅沢をしている姉を見て、静香は思ったのだ。
 就職して、1人で自分の収入だけで暮らそうとした時に、同じように甘やかされていたら、絶対に後から家計のやり繰りに苦労するコトが目に見えていると。
 だから、静香は自分の置かれていた環境(親の無関心と小遣いが少ない等)に、なんの不満も持っていなかったのだ。

 こんな不遇な生活を送っていた静香にとって、アランに溺愛されてドレスもアクセサリーも食事も極上で、その上で、自分ひとりの為に多数の仕えてくれる人間がいる環境は、まさに夢のお姫様生活だったのだ。

 それをいたたまれないと思う庶民感覚を持つ静香は、アランや義父である皇帝達の為に、自分の持っている知識や物(USBメモリに入った色々な知識と持っていた種子など)を活用しようと無意識で思っていたのだ。

 そう静香は、一方的に寵愛されるよりも、できるだけ対等で居たいという思いが無意識にあり、WIN-WINの関係でいたいのだ。

 だから、自分を溺愛してくれるアランに、何かひとつでも良いから返したいと思う静香の思いの結晶が、色々な提案として出てきたのだった。

 それをアラン達は有効だと受け入れるし、静香も色々な内政チートをラノベの主人公並に楽しんでいたのだった。

 だから、静香は、アランがフルトランスしてドラゴンに変身しても、格好良いとか素敵とか思うだけですんでいたのだ。
 この辺りは、恐怖するほうが普通の感性である。

 この感性は、容姿が優れていた為に、ちやほやされた生活を送っていたと考えられる美少女達とは、まったく違っていたりする。
 まさに、環境は人を作るを地で行く静香だった。






  

 
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