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召喚されちゃいました
239★閑話 静香の過去………環境は、現在の静香を作った・前編
しおりを挟む静香が、考え事をするとほとんどが、その内容を無意識に口に出している原因は………環境によるモノだった。
ただただ静香が、祖父母以外の家族に、あまり関心を持たれていなかったというコトに尽きる。
だから、無自覚のまま独り言を言ってしまうのだ。
関心を持たれていなかった為、静香の独り言を誰も注意しないかった為、静香は、それを言っているという自覚をしなかった。
だから、独り言が治らないという………現在も進行中である。
それは、静香の考えていることを、何でも知りたいというアランの欲望の為でもある………だから、治るコトは無い。
そして、静香の思考は、アルファルーラ帝国や皇族の役に立つから………そのまま思考させておきたい、というアランサイドの大人の事情もあるのだ。
異世界に召喚される前の静香の日常生活を例にすると………。
静香と姉が共に受験生でも、その扱いは天と地だったりする。
姉には予備校(恋人と一緒に通う為に行く場所)と家庭教師(受験を成功させる為)を付ける………経費は度外視して………。
静香は、何時も通りに家族の為に、料理、掃除、洗濯等の家事一切を無償でやって当然と言う扱いをされる………無償の小間使い?召使い?扱い。
姉と静香が幼稚舎からのエスカレーター式の名門校に通わせられていたのは、ひとえに母親の見得のお陰だったりする。
そのコトに、静香はこころから感謝していたので、親に無関心でいられても、特に愛情を求めるコトは無かった。
この辺りは、ネットで知り合ったオタク仲間と自分の環境を冷静に比べていたので、静香は自分が恵まれていると思っていたりする。
私立の幼稚舎からあるエスカレータ式の名門校に通っている人間が、オタク仲間の中には滅多にいなかったから………。
それを静香は知っていたので、真面目に勉強して成績は学年の10位以内をキープしていたりする。
そう、家で家政婦と変わらないコトをしていて、この成績なので、頭はめっきり良かったりする………が、誰も褒めない。
だから、静香は自分が優秀な人間であるという自覚は、カケラもなかった。
ただただ、静香は目立たない(親が無関心なので、そう思い込んでいる)まま、このまま上手くエスカレートだ大学まで行こうと思っていた。
オタク仲間のお姉さん達の中には、高校卒業で就職する人達もいたので………。
大学までエスカレータ式で進学できる自分は、かなり恵まれているほうだと実感できていたから………。
静香は、高校生になれば10位以内は、学費が免除されると知っていたし、大学でも、成績優秀者の学費が、免除されると知っていたから、オタクとして楽しみつつ勉強もがっつりする予定でいた。
何故そんなコトを思ったかというと、静香の姉が大学を外部受験して合格した場合に、今まで通り学費を2人一緒に支払う為に、専用講座にお金を入れてくれるとは思わなかったから………。
そう、静香は両親の愛情も関心も興味も、自分には無いとしっかりと理解していたのだ。
それでも、ぐれたり拗ねたりしていなかったのは、祖父母に気に入られて可愛がられていた為である。
そして、祖父母の愛情や関心や興味が、姉にまったく向いていないコトを知っていたから………。
それと同じように、両親の愛情や関心や興味が、自分に無いコトは仕方が無いコトだと達観出来たからだった。
その為に、将来は大学を卒業して、就職しようと思い真面目に勉強していた静香だったりする。
高校生としての制服やジャージなどの代金、教科書や副教材や参考書等の経費や修学旅行代等は、こっそりと貰っていた祖父母達からの生前贈与?のお金やアルバイト代で賄う予定にしていた静香は、親の財力をほとんど当てにしていなかった。
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