召喚されたのに、スルーされた私

召喚されちゃいました

１８５★改めて言われると、凄い地位ですよね

　エレインさんと一緒に来た侍女さん達と、上手くやっていけるかなぁ～………。
　はぁぁぁ～………日常生活で疲れたくないんだけどね（鬱）。

　なんて色々と考えていたら、アラン様に何度も口付けされていました。
　それも顔中に………その途中で、私ってば気が付いてしまったわ。

　しまった、みんなに見られちゃったわ（恥）。
　なんで、こんなに無駄に集中力があるのぉぉ～……私のばかぁぁ～………いや、テストの時はとぉ～っても助かりましたけどね（泣）。
　締め切り前とか………あっ新作………アレ、遺作んなるのかな？

　まぁ～………アニオタの貴腐人作家の姉さん達が上手く処理してくれるでしょう。
　読み専から書き手へと変更して、早１年………短い書き手人生だったわぁ～………じゃないっ。

　アラン様ってば、私がトリップしたら、さっさと現実に戻して欲しいですぅ～………（号泣）。
　でも、余計なコトは言わない………我が身大事に。
　ここは、アラン様にお礼だけしておこう。

　「アラン様ありがとうございます
　　なんか、ほっとします

　　ただ、アラン様の乳兄弟の皆さんには
　　別に挨拶したいんですが出来ますか？
　
　　それと、こんなにぼぅ～っとして
　　あの人達を待たせて大丈夫でしょうか？」

　アラン様を見上げ、私は言いました（汗）。
　するとアラン様は、ふっと笑ってくれました。
　なんか背筋がゾクゾクしましたよ………どうしてでしょう？

　「静香が、アレ等を
　　気にする必要はありません

　　待たせておくぐらいで
　　ちょうど良いんですよ
　　　
　　アレ等は、フローライト公爵家に
　　仕える者達ですからね

　　フレデリカの嫁いだ
　　コンクパール侯爵家は

　　陛下や皇族に仕える家柄です
　
　　異世界の花嫁達の言葉で言えば………
　　確か時代劇とかの用語だそうですが

　　それで行くと、フローライト公爵家と
　　コンクパール侯爵家は、大名ですね

    そして、コンクパール伯爵家は
　　直参旗本ですね

    フローライト公爵家の
　　侍女長クオーツ伯爵夫人の娘

 　 ローズクオーツ伯爵夫人
　　エレイン・アリスの立場は、陪臣です
　　それも、陪臣の娘でしかありません

　　ローズクオーツ伯爵家は
　　商人上がりの新興貴族です

　　本来なら、静香の宮の侍女長には
　　なれない立場ですが………

　　クオーツ伯爵家は、
　　当主はフローライト公爵家の　　
　　騎士団長を当主夫人は侍女長を
　　代々務めている、忠義の家です

　　その忠義を認めるという意味で
　　静香の宮の侍女長にと
　　推薦されたんですよ

　　どうせ短い期間ですから
　　ローズクオーツ伯爵家の
　　箔付けにはなるでしょう
　
　　皇太子妃としての静香に仕えるには
　　出自も爵位も足りませんから………

　　静香の侍女長には、お祖母様の実家
　　ロードライト侯爵家の当主夫人

　　アレクサンドラ・エレーヌに
　　既に内定していますからね
　　私の母の従姉妹にあたります

　　フレデリカは、今は伯爵夫人ですが、
　　私が皇太子になれば

　　現コンクパール侯爵は引退して
　　フレデリカの夫コンクパール伯爵
　　カイルハルト・カウスが
　　コンクパール侯爵となります

　　そして、フレデリカが
　　コンクパール侯爵家の
　　当主夫人になります

　　皇帝、皇太子、皇太子妃の侍女長は
　　侯爵夫人、総執事も侯爵
　　また侍従長も侯爵

　　ただし、女官長は、侯爵夫人が良いが
　　伯爵夫人でも可

　　エレインは、この女官長を
　　望んでいるようですね

　　それは、お祖母様の
　　望みでもあるようです

　　もう少し、名門の手駒が
　　いなかったのかと思いますよ

　　それと、静香も知っている
　　通りなんですが

　　近衛騎士団の団長は
　　必ず皇族………皇子です

　　まぁ各騎士団の団長は
　　皇子が務めるものなんです

　　静香の世界の将軍という存在は
　　ありません

　　全ての騎士団を把握する総騎士団長は
　　皇太子が就任するコトになっています

　　皇太子が決まっていない場合は
　　次期皇太子と………

　　バカバカしいコトですが
　　連綿と続く仕来たりなので
　　動かすコトは出来ません

　　また、戦力と考えると地位が上の方が
　　魔力量が多い傾向がありますから………

　　静香の望む彼らとの会合は　　
　　後で、その場を作りましょう

　　どうせ、帝都騎士団から近衛騎士団に
　　移った者達全員に挨拶したいって
　　思っているんでしょう？」

　アラン様、懇切丁寧な説明ありがとうございます。
　ここは、本当に絶対王政の帝国なんだって実感しますよ。
　そして、私は、最高権力者皇帝の養女で、次期皇太子の妃なんだって………嫌でも実感します。