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召喚されちゃいました
178★あれ?話しの続きは?………じゃなくて宮の維持、私が?
しおりを挟むアラン様と一緒に、お父様達と会話していたんですが………。
途中で、アラン様のベロチューで眠りに落とされて、私は、その会話から強制排除されました。
なのに、意識が浮上するのって、どうしてなのかなぁ………。
なんてのんびりしていた私は、全身を包む気持ちの良さにハッとしました。
そして嫌な予感に、私の心臓はバクバクしています。
本音を言えば、目を開けたくありません(泣)。
でも、逃げちゃダメだ、逃げちゃ………動け、動け、目覚めるんだ私……某アニメを思い出して、目を開けました。
目の前には、麗しいアラン様の花の顔が………。
何時ものコトと言えばそうなんですが、浴槽に浸かった状態で目が覚めるのはちょっといただけません(号泣)。
どうせなら、入浴がすんだ状態で目覚めたかった(泣)。
それが、私の偽りない本心ですよ、アラン様(涙)。
そんな涙目の私に、アラン様がにっこり笑って話しかけてくれます。
「静香、目が覚めたんですね
先に教えますが、ここは
私の宮ではありませんよ」
アラン様の発言に、私は首を傾げます。
「帝都騎士団の浴室ですか?」
「いいえ、ここは、静香の宮ですよ」
「えっ?」
私の問いかけに、アラン様は、にっこり笑って答えてくれました。
予想の斜め上を超えているような気がします。
私の宮って…それって、皇族の住む場所ですよね。
えぇ~とぉ~……少女マンガの天○のように皇子や皇女は、自分の宮を持つのでしょうか…まさかね。
考え込んでいた私に、アラン様は、苦笑しながら説明してくれます。
「本来なら成人前の皇女は
生母と一緒に皇帝の後宮に住みます
ですが、貴女は、私と婚約しています
そこで、成人扱いになり
静香は自分の宮を
持つことになったんですよ」
えっとぉ~私の予定では、このままアラン様と一緒に住んで………。
アラン様が、陛下に指名されて立体式をし、皇太子になったらアラン様と一緒に、皇太子宮に引っ越すと思っていたんですけどぉぉ~………。
私とアラン様が、別の宮に住むって、使用人が倍必要ですよね。
経費が、確実に2倍になりますよね。
私の護衛と宮の警護をする騎士様達も必要なんだから………。
この場合の護衛と警護って近衛騎士団が仕切るのかしら………。
それって、アラン様が嫌がりそうね。
なんか色々と大変そうな気が…………。
アラン様の漆黒モードを出させないように、慎重に行動しなきゃね。
「それって、経費の無駄じゃないですか?
だって、私はアラン様と一緒に
住んでいるんですから………」
こう言った私は、お父様の皇女が一人もいなかったコト思い出しました。
うん、確かに空いている宮がありますね。
ただ維持管理しているだけの宮が………。
だったら、ひとつの宮でも使った方が良いって思ったんでしょうね。
「確かに、私と静香は
一緒に住んでいます
が、静香は、現皇帝の唯一の
姫なんですよ
そして、いずれは私の……
皇太子妃になるんですよ
私と一緒に、皇太子宮に
移るとは言っても
皇太子妃宮もあるので
宮の管理も覚えたほうが良いのです」
あれ?おかしいな?嫉妬深いアラン様が、私と一緒にいる時間を減らす行為を口にするなんて…………。
もしかして、私を開拓?開墾?する場所に視察とかにも行かせたくなくて、余分な時間を削る為に言っているのかな?………いや、まさかね(脂汗)。
皇宮のある帝都は、帝都騎士団の団長であるアラン様のテリトリーだけど、開拓や開墾する場所は、辺境部にあるから、アラン様のテリトリー外だから………タラタラ(大汗)。
アラン様、私は、かなりの魔力もあるし攻撃魔法も使えますよ。
でも、不用意な発言をして、アラン様の魔王モードを呼び出したくないから、無難に質問をします。
我が身大事にって、言葉は身に染みていますからね。
「私の宮を管理するって?」
「静香は、唯一の皇女です
そして、皇太子妃になります
その為に、宮の管理は必須ですよ
ここからの説明が長くなるので
上がりましょう」
「はい、アラン様
私も、湯あたりはしたくないです」
にっこり笑ったアラン様に抱きあげられて浴槽から出て、悪戯されるコトも無くあっさりと上がりました………おやぁ~?。
なんか変な気がします。
でも、お風呂上がりのお手入れや着替えは、何時もの通りアラン様がしてくれたので、かなり恥ずかしかった(爆)。
湯上りの水分補給も、何時も通りの赤面モノでした。
この宮の居間で、フレデリカさんに紅茶を入れてもらって、お菓子をアラン様から求愛給餌されながら、さっきの会話の続きとなりました。
「さきほども話した通り
ここは、静香の宮です
身の回りのコトは
何時も通りフレデリカ達がしますよ」
アラン様、そのイイ笑顔は何ですか?
私の時間を潰す気が、ありありと出ていますよ。
でも、私と離れて寂しく無いんですか?
私は、寂しいし不安なので突っ込みますよ。
私をここまで精神依存させたんですから、責任はとってもらいます。
「えっ? アラン様の宮で
暮らすんじゃなかったんですか?」
「成人皇族は、別々の宮で暮らします
出来るだけ一緒にいたいのですが
別々に暮らすのが基本なんですよ
これは、暗殺と疫病対策なんですよ
ただし、子供は母親と一緒いることが
許されています」
あらあら…アラン様ってば、物凄く嫌そうに説明していますね。
でも、予想通りの説明ですね。
暗殺の危険はどうしようも無いですねぇ~………。
私がいなければ、自分の娘をアラン様の妃に出来るんですから、貴族でそれなりの地位にいて野心があったらやりそうです。
疫病は、この世界じゃ医療事情が悪いですから仕方が無いですね。
ワクチンなんて無いし、その概念も無いでしょうから………。
私が伝えられる医療技術や衛生方法でも、少しは役に立つはずだから、後で提案してみますかぁ~………。
「それって、絶対なんですか?」
「今は、形骸化されていますが
一応は、宮を用意して
管理運営してみせる必要があります
何度でも言いますが
静香は、唯一の皇女ですからね」
形骸化しているから、私はアラン様と一緒に居られたってわけですね。
でも、天○の世界では、皇子と皇帝と皇妃だけが宮を持っていたように描かれていたけど………あれと違うのかな?
この帝国の方が、裕福なんでしょうね。
古代国家ヒッタイト帝国の領土や人口を考えると、確実にアルファルーラ帝国の方が規模も人口も桁違いだと思うしね。
交通手段として、ペガサス、バイコーンペガサス、グリフォン等っていう空を飛べる。
物流って考えると、大量に物を収納して軽々と運べる【インベントリ】があるから、交通手段と組み合わせると、補給の心配が段違いだもの。
日本の補給と比べられるかもしれないもの。
じゃなくって、真面目に宮の管理なんて私にできるはずが無いわ。
応援ありがとうございます!
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