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召喚されちゃいました

174★創造魔法の【コピー】は禁断指定されました

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 私の言葉に、お父様がなるほどと言う表情で言います………渋いですお父様。
  私のオタク仲間のユミちゃんだったら、泣いて喜びますね。
 彼女は、皇子様じゃなくてオジサマが大好物でしたから………。
 この素敵なスチルを彼女に見せたかったなぁ~………。

 「ふむふむ………異世界召喚された
  花嫁達の言っていた通り

  紫音の国には色々と便利な
  穀類があるというコトか………」

 お父様もお祖父様もアラン様も驚いた顔をしていますね。
 そうなんです、日本には、色々な種類の品種改良をした優秀な穀類がたぁっ~ぷりあるんです。
 日本で品種改良された穀類は、世界でも作付されていたんですよ。
 いまでは、遺伝子組み換えのF1にとって変わられていると思われますが………。
 私の持っているのは、F1の種子ではありません。
 F1の種子って、収穫量は多いし、病害虫にも耐性はあるし、美味しいしってとぉ~っても優れた作物になるモノなんです。
 でもね、旨い話しには裏があるって言う諺(ことわざ)があるように、大きな欠点があるんです。
 それは、収穫した作物から種子をとって翌年に植えても、同じ作物はとれないんですよ。
 収穫量は少ない、病害虫に耐性は無い、不味いの3拍子が揃った作物になる可能性が大なんですよ。
 だから、堅実な農家のみなさんはF1を、出荷用にしか使いません。
 自分の家で自家消費する分は、普通の種子を使います。
 翌年に種子を買い忘れても作付出来るようにね。
 種子って、次期モノなんです。
 その時期に植えるモノの種子しか売っていないんです。
 買い逃したら、植えられないんですよ。
 だから、賢い農家さんは、F1と普通の種子の両方を使うんです。
 いけない意識が変な所に跳んでいますね。
 ここは、お父様達に説明するモードに戻しましょう。
 気を付けろ、気を抜くな私………良し、説明モードに意識切り替え終了。
 私の持っている種の中には、家畜の飼料やお薬に食料に使える葛もあるんですよぉ。
 そして、ダメ押しの魔法【コピー】を見せてあげます。

 「小説を書く為の資料として
  これらは用意したモノなので
  種の量は多くありません

  ですが、創造魔法の【コピー】で
  種を増やしてみたいと思っております」

 私の言葉に、アラン様もお父様もお祖父様も首を傾げています。
 代表して、アラン様が言葉にして私を見詰めて問いかけてきます。

 「創造魔法? コピー?」

 聞いたコトも見たコトも無い魔法ですから、お父様もお祖父様もアラン様も不可解そうな顔をするのは当然です。
 もしかして、コピーという言葉を知らないのかも知れません。
 ここはきちんと説明するべきですよね。

 「創造魔法とは、私が作りだす
  私だけの魔法と言うコトです

  コピーとは、同じものを
  作り出す魔法のコトです

  では、実際に、このドングリで
  試してみますね。【コピー】」

 ローテーブルの上にちょいっと置いていた1粒のドングリは、私の唱えた魔法の言葉【コピー】の効力で、2粒に増えていた。

 さっき1回試しただけだったから、ちょっと不安だったのよね。
 成功して良かったわぁ~これで、持ってきた種を大量に増やせるわ。
 ほっとした私は、思わずアラン様の胸に寄りかかってしまう。

 すると、アラン様が、私の顎に手を掛けて来る。
 えっ…ここで…顎クイッですか?
 それだけで、すみませんよね?

 お父様やお祖父様の前で、この前みたいな濃厚なベロチューは、ちょっといやかなり遠慮したいです。
 それに、宅急便や引退した騎士達に与える領地としての役割もあるって………説明したいのにぃ~………。

 アラン様…酷い…ベロチューからの快感に私の意識が呑まれていきます(泣)。
 微かに耳が生きている状態にされちゃいました(イケメン滅びろ)。
 アラン様のバカ………私を眠らせて何をしたいんですか?
 なんて思っていると………アラン様が話し始めます。

 「父上、紫音の【コピー】魔法は
  ここに居る者以外に漏れないように
  緘口令をしいて下さい」

 あらっ?【コピー】って、そんなに不味い魔法なんですか?
 便利な魔法だと思っていたんですけど?
 
 「そうだな、これは
  紫音にしか使えない特殊魔法だ

  これは、隠すしかないだろう

  どの程度の物と量を増やせるのかは
  まだ未知数だが

  この魔法は、人の欲望を刺激しすぎるな」

 「はい、見ての通り
  紫音は物欲がほとんどありません

  ドレスも宝石も、興味が無い
  といっても良いくらいです

  また、贅沢な暮しにも
  興味がありません

  皇族として権力を振るうコトも
  嫌がります

  そして、権力には義務と
  責任が伴うコトを
  良く理解しています

  その上で、私達の帝国を
  豊かにするコトに

  こころを砕く為政者としての
  意識もあります

  まさに理想的な皇妃になるでしょう

  そのこころだけで十分なので
  この魔法は、今回の種子を
  増やすコトに使ったら

  2度と使わないように
  封印させたいと思います」

 「その方が良いだろう
  皆も口を噤め。良いな」

 「「「「「「「「「「はっ、仰せのままに」」」」」」」」」」

 えっ……なんで?
 私って、もしかして、○河のユー○扱いなんですか?
 そして、【コピー】って、そんなに不味い魔法なんですか?

 でも、収穫した小麦とかを【コピー】したら………。
 確かに、色々と便利に使えますね。
 宝石も魔石もミスリル銀も増やせますね。

 それを強制されてガンガン魔法を使わせられたら………(ガクブル)。
 私の寿命が直ぐに尽きちゃうってわかります(グッスン)。
 バカなコトをしたってコトですね(ガックリ)。

 でも、今回は、必要な魔法ですから使いますよ。
 あははは………アラン様が、私の意識を落とさせるはずですね。
 なんて思っていたら………アラン様が、また、話し始めます。

 「紫音は
  私達の傍で使える使用人達を
  辺境の開拓村から確保する方法

  騎士爵の地位と領地を
  与えられなかった者達に
  与える方法なども………」

 あぁ~意識が保てません。
 今回の話しの内容は、後からアラン様に聞きましょう。
 こうして、私は、寝落ちしたのでした(残念)。 








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