召喚されたのに、スルーされた私

召喚されちゃいました

１６１★他国は、異世界召喚を失っているようです

　皇族や貴族は、より優秀な子孫を残す義務があるって状態なんですね。
　この世界の貴族は、魔物討伐をするという義務を、がっつりと背負っているんですから………。

　それは、皇太子でも例外にならないのは凄いと思います。
　って、何かとこの話しが出てきますね。

　「もしかして、他国というか

　　ベルトラン王国と
　　ツェラード皇国に

　　苦労して召喚した花嫁が
　　浚われたりするって
　　あったんですか？」

　私の質問に、アラン様は苦い顔をしながら頷く。

　「ええ、残念ながら、過去には
　　ベルトランやツェドーラに
　　浚われて行った花嫁もいますから………

　　その他に、魔族に浚われた花嫁もいます

　　だから、静香には、私と常に一緒に
　　行動して欲しいんです

　　この宮にいる間の護衛は
　　今、選抜中です」

　アラン様、事実でも知りたくない内容が、あるってわかっていますか？
　正直に言えば良いってもんじゃないんですよ。

　あはは………人間の男も確かに敵ですね。
　まさか他国に、浚われる危険ですかぁ～………。

　この帝国と同じように、皇族や王族、貴族達の血が、不味い程に濃くなったってコトですよね。
　この世界って終わっているって感じが、すっごくするんですけどぉ～………。

　私や彼女達で、何とかなるんですか？
　流石に怖いから、それは聞きませんけどね。

　「え～とぉ………他国というか

　　ベルトラン王国と
　　ツェラード皇国には

　　異世界召喚の魔法は無いんですか？」

　私の質問に、アラン様は不快気な表情で答える。

　「いや、もともとは有ったんですが

　　内乱で、その資料とそれを行える
　　魔法使い達を失ってしまったんですよ

　　ですから、我が帝国の花嫁を
　　彼らは虎視眈々と狙っています」

　私の突っ込みに、アラン様は、苦笑しています。
　内乱って、要するに王位継承で、もめたってコトですよね。
　しっかし、異世界召喚の魔法を失うほどの内乱って？バカですか？

　スペインのハプスブルグ王家と同じように、いずれは正常な子供が生まれなくなって滅びるのは決定って感じですね。　
　でも、浚うのはちょっとアレですよね。

　「この帝国の異世界召喚魔法を
　　教えてあげるというのは？」

　アラン様は、私の言葉にため息混じりに首を振って言う。

　「この世界は、国によって
　　支配している皇族や
　　王族の種族が違います

　　それによって
　　魔法使いの人数も変化します

　　その結果、分担する魔法や
　　使う魔力量も変わります

　　我が帝国の召喚魔法は
　　他国よりも少ない人数で行いますし

　　月の満ち欠けもあまり考慮しません」

　ここでも、魔力量が問題になりました。
　何処までも、魔力量がこの世界の問題になりますね。
　ヨーロッパの王家と同じように、他国の王族と婚姻するってコトはあるのでしょうか？

　何か、そんなコトはしないような気がしますけど………。