上 下
172 / 378
召喚されちゃいました

159★本日も、アラン様は通常運行のヤンデレです

しおりを挟む


 私の1日は、濃厚なアラン様の口付けで始まるようです。

 いやまぁ~…その他に、なんかヤバイぐらい気持ちのイイ愛撫で目が覚めるのもありかな?

 その快感で、もう一度眠るのか(気絶するのか)?
 それとも、乙女の泉が決壊した気持ちの悪さで目が覚める(理性が戻る)………のかという状態ですよ(号泣)。

 結果としては、アラン様の甘いバリトンボイスで起きましたよ。

 「おはよう、静香」

 「アラン様、おはようございます

  出来れば普通に起して欲しいんですが………
  口付けも、その他も無しで………

  アラン様の声だけで………」

 私は、思い切って言いましたよ。
 だって、朝からピンクなモードはいりませんから………。
 それなのに、アラン様は、にっこり笑って、私の思いと相容れないコトを言います。

 「可愛い静香がいけないんですよ

  微かに口をあけて
  私の口付けを誘っているんですから………

  愛しい静かに誘われたら
  私は色々としたくなります

  それを、この程度に
  我慢しているんですよ」

 私とアラン様の間には深い溝が………いいえ、海溝があると思いました。
 誰だって眠っていたら、ちょっとは口が開いていると思うんです。
 それで、誘っているって言われても………。

 ああもう………何かというと、アラン様は私に口付けしたがるんだから、私が何を言っても、暖簾に腕押し、糠に釘でしょうか………。
 でも、言わないとわかってもらえませんから………頑張って言いますよ。

 ただし、アラン様のヤンデレスイッチを押さないように、言葉を選んで言います。
 保身とか我が身大事にって、大切ですよね。

 「アラン様
  おはようの言葉だけにして下さい

  私が起きたら、私からアラン様に
  おはようの口付けをしたいから………」

 アラン様は、私の発言に、えっ?という顔をしていましたよ。
 これならどうだって、きっと、私はドヤ顔してますね。

 それに対して、アラン様は、ちょっと驚いたという表情を浮かべてくれました。
 そして、何時ものように蕩けるような甘い顔と声で言い返してくれました。

 「それは、静香から
  私に口付けてくれるんですか?

  初めてですね、完全に意識があって
  考え事していない状態でなんて………

  恥ずかしがりやの静香からの
  口付けをもらえるなら………

  その唇に口付けるのは止めましょう」

 あれ? 私ってば自分からアラン様に口付けしていないんですか?
 って待って、唇に口付けするってコトですか?

 マジで………私ってば、墓穴を掘ったってコトですね(涙)。
 でも、ここは、有限実行です。

 私は、アラン様の頬に手を添えて、唇にちゅっって音をたてて口付けしましたよ。
 きっと、真っ赤になっていたと思います。

 でも、その後に、私の首を大きな手で優しく掴んで、アラン様が濃厚なベロチューをかましてくれました。
 意識が遠のきそうって思っている間に、お風呂に………。

 結果は、何時もと変わりませんでした(ちくせう)。

 ちょっと生ける屍(しかばね)状態になって、私は思う。
 ふっ……何を…どうやっても、アラン様の私を構いたいという気持ちを、どうこう出来ないってはっきりわかったわ。
 何か人生諦めが、肝心って思うわね。

 アラン様は、ラノベっていうよりは、無料の小説サイトに良く出て来るドラゴンやドラゴニアン、竜人のヤンデレっぷりにそっくりだわ。
 やさしい竜の殺し○のドラゴンみたいに、愛しているから何でもしてあげたいし、そのままの状態を維持してあげたい。

 内心では閉じ込めたいって思っていても………。
 なぁ~んて部分は、無いに等しいわね。

 とりあえず、私を監禁や軟禁するつもりは無いみたいだけど………。
 私は、これから、公式な場以外では、アラン様のお膝で求愛給餌を受けるってコトよね。

 ふふ………この帝国では、テーブルマナーってなぁ~に、それって食べれるの?って状態ね。
  でも、ほとんど覚える必要は無いかもしれないなら………まっいっか。

 なんて思っていたら、アラン様に怖いコトを言われてしまいましたよ。
 
 「静香、食事中に上の空になって
  食べるコトがおろそかになっていますよ

  そんな不安定になった番に、私達は
  口移しで食事を取らせる習慣があるって
  実地で教えられたいですか?」

 うっわぁ~いアラン様が、怒っている。
 微笑は浮かべているけど、目が笑っていない。
 ヤバイ………ここは、ひたすら謝るしか無いわ。

 「ごめんなさい

  あっちでは、自分で料理して
  家族にご飯を食べさせる

  っていう立場だったんです

  それが、アラン様に甘やかされて
  ぼんやりしていても
  食べられるってわかったら

  なんかサボってしまったみたいです
  ごめんなさい」

 私の謝罪に、アラン様は、ちょっと驚いたみたいでした(解せぬ)。












しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

竜の恋人

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:590pt お気に入り:61

死ぬはずだった令嬢が乙女ゲームの舞台に突然参加するお話

恋愛 / 完結 24h.ポイント:355pt お気に入り:6,010

素材採取家の異世界旅行記

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:1,647pt お気に入り:32,980

悪役令嬢の生産ライフ

恋愛 / 完結 24h.ポイント:397pt お気に入り:5,545

立日の異世界冒険記

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:221pt お気に入り:0

入学式後の可愛いなきごえ

BL / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:42

処理中です...