召喚されたのに、スルーされた私

召喚されちゃいました

１５８★目の前にニンジンをぶら下げられた馬の気分です

　アラン様の言葉に、私は小首を傾げながら、確認するように聞いてみる。

　「もしかしなくても、私が独りでは
　　色々と危険だから行動させられ無い

　　でも、私が息が詰まってしまうから
　　出掛けるコトはさせたいって

　　アラン様は思っているんですか？」

　アラン様は、ヤンデレだけど束縛はしないつもりなのかな？って思いました。
　そんな私の疑問に、アラン様は苦笑します。

　「ええ、そうですよ
　　静香の世界で言う

　　オペラや演劇、演奏や踊りなどを
　　楽しむ劇場とか

　　色々な動物や愛らしい姿の魔物を
　　飼育している動物園や

　　色々な花や果物などを楽しめる
　　植物園や温室

　　散歩や乗馬を楽しめる公園
　　色々な本が収集されている図書館

　　貴族向けのレストランや商店にも
　　連れて行く予定ですよ

　　だだし、静香が、公式に
　　私の婚約者になってからですが」

　ふぇぇ～………こっちにも、オペラと色々とかあるんですね。
　でも、私としては、図書館や動物園や植物園に行きたいです。

　そうすると、こっちの文字を必死になって覚えるってコトですよね。
　ちょっと活字中毒っぽいって自覚があるので、頑張ります。

　ついでに、レストランでの食事にショッピングもしたいですね。
　この際、一般庶民向けじゃなくてもＯＫですよ。
　だって、アラン様が………皇子様が、そんなダウンタウン（下町）に行くはず無いですもの。

　行くならアッパータウン（上街）しか無いでしょうから………そこは諦めます。
　本当は、屋台とかを楽しみたいって、思っていたんですが………。

　でも、連れて行ってもらえるなら、贅沢は言いませんよ。
　ここは、確認しますよ………だって、これってデートですもの。
　嬉しくって、にこにこ笑って、私はアラン様は聞きます。

　「本当ですか？」

　「もちろんですよ

　　他に、家畜を飼育している牧場や
　　農場などがある荘園

　　狩猟を楽しむ狩猟場など
　　色々な場所に行って
　　楽しみましょうね」

　鏡に映っているアラン様は、蕩けるような甘い顔と声で答えてくれました。

　「うっわぁ～…嬉しいです」

　「ただし、婚約発表の為に
　　色々と覚えてもらいますよ」

　楽しい提案には、やっぱり裏がありましたね。
　そうですか、婚約発表のパーティーの為に色々と頑張れっていう意味なんですね。
　マナーとかダンスとかですよね（ぐっすん）。
　俗に言う飴と鞭なんですね。
　ちょっと涙目になった私でした。

　「うっ……頑張ります…」

　私の目元や目尻にアラン様は口付けてから、丁寧に髪をすすいでくれました。
　その後は、何時ものように乙女としていかがでしょうか？って、コトをされましたよ。

　はい、そうです、洗っているの？愛撫しているの？っていうアレでした（号泣）。
　羞恥心をぽいっとするチートが、切実に欲しい今日この頃です。

　それでも、入浴を終えて着替えさせられて、夕食にありつきました。
　相変わらず、アラン様の膝で、求愛給餌を………。
　お蔭で、食べる量を制限できましたよ。

　なんか、恥ずかしくって胸がいっぱいで………。
　今日も濃いぃ～１日でした。

　明日は、もっと、穏やかで、アラン様のセクハラの無い１日でありますように………とりあえず、祈りました。
　あとで、アラン様にこの世界の神様達の話しを聞こうって思いながら………この世界の八百万の神様達に………祈りました。