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召喚されちゃいました

157★アラン様の愛は手放せません

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 「ふえぇ~ん……アラン様ぁ~………
  私を虐めて楽しいんですかぁ~………」

 思わず、私は泣いちゃいますよ(号泣)。
 それでも、私は、アラン様の腕の中にいるし、そのまま抱き付いています。

 だって、アラン様の独占欲や嫉妬心は………ちょっとアレだけど、愛情は欲しいんですもん。
 この世界で、私を一番愛しているのはアラン様なんです。

 手放すなんて、いまさら出来ませんよ。
 家族も友達も居ない寂しい世界………。
 女が独りで生きていけない社会制度の世界………。

 そして、魔物や魔族という天敵がいる厳しい世界………。
 人間の男もある意味では、敵ですよね。

 だって、魔力量が釣り合う者達は、私を子供を産む道具にする可能性があるから~………。
 貴族令嬢達も、私には敵です。

 デブスな私を、容姿で劣っている私を、そして、貴族出身じゃない私を、色々と虐めるでしょうから………。
 ざっくり言って、四面楚歌状態ですよ。

 だいたいにして、ホーム無しで、アウェイ状態なんですから………。

 幾ら、皇帝陛下の養女になろうとも、この世界は私の世界じゃないんです。
 人の口に戸は立てられないんです。

 悪意有る言葉での暴力に耐える必要があるから………。
 私を、無条件で愛して守ってくれるアラン様を、手放すなんてできません。

 なんて、思っている私に、アラン様は、口付けしながら抱き上げて、告白してくれましたよ。

 「可愛い静香、私の番
  泣いている顔も愛らしいですね

  何時でも一緒にいたい

  でも、私は、皇子としての
  仕事があります

  それ以外の時間は
  静香と一緒に楽しみたいんです

  その中にはね
  静香と一緒に入浴するコトや
  静香の着替えをするコトも………」

 「…うっ……」

 何て、答えたら良いの?
 それって、何時でも、私を側において構い倒したいってコトですよね?

 言葉に詰まった私を抱き上げたまま、軽々と歩いて行き、浴室の前にある脱衣所に着きました。
 アラン様は、無詠唱で魔法を使い私と自分の衣装を、ぽいっと脱衣籠に入れます。

 そして、浴室に歩いて行きます。
 ガラスの扉は、勝手に開き、むぁっとした湿気と暖気に包まれます。

 私を、ひょいっと降ろすと、何時ものようにシャワーを魔法で浴びさせてくれます。
 その上で、何でも無いかのように、私に話しかけてきます。

 「静香は、時々、私の愛を疑ったり
  不安になったりしていますよね?

  その他に、私を特殊な趣味嗜好の
  人間だって思ったりしていますよね?」

 「うっ…はい……」

 アラン様は、私と会話しながら、私の髪を洗い始めます。
 私は、恥ずかしいのと目に泡が入るのを防ぐ為に、何時ものように目を瞑ります。

 「私は、何度も言うように
  独占欲が強くって
  嫉妬深い男なんです

  だから、本音を言えば
  この宮に閉じ込めて
  私以外に会わせないようにしたい

  でも、自由に生きてきた静香に
  そんなコトをしたら

  こころが呼吸できなくなって
  私の愛する静香ではなくなってしまいます

  だから、静香を色々な所に
  連れて行っているでしょう?」

 アラン様の言葉に、私はちょっと首を傾げます。
 そう言えば、皇帝陛下の宮に、国会議事堂みたいな場所に、帝都騎士団の本部に訓練場って、アラン様が行く所には、一緒に行っています。









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