召喚されたのに、スルーされた私

召喚されちゃいました

１５５★アラン様のヤンデレ化が進んでいるような気が………

　アラン様ってば、どうしてそんなに嫉妬深くて独占欲が強いんでしょうか？
　本性が、ドラゴンだから仕様が無いんでしょうか？
　アラン様の愛の告白は、別の意味で切ないです（涙）。

　こんなにカッコイイ人なのに、残念な感じがします（笑）。
　でも、その残念な姿もカッコイイ姿も、全部、私のモノだと思うとしあわせです（萌）。

　だから、私も言いますよ。
　恥ずかしいけど、告白します。
　私が全然モテ無いって事実を（ちくせう）。

　だって、闇に入ったアラン様のお仕置きとか愛撫とかを、受けたく無いですから………。
　保身って言葉、大好きになりましたよ（涙）。

　「アラン様、私は
　　あの皇子達や、その側近達
　　その周りにいた騎士達や神官達に
　　好まれていませんでしたよ

　　そんなに、心配しなくても
　　私を気に入るなんて特殊趣味は
　　アラン様だけですよ………」

　私の言い方が不味かったんでしょうか？
　アラン様の眉が顰められています（ヤバイ）。
　そして、アラン様は、切なそうに溜息をひとつ吐き出し言います。

　「静香……静香は、何度…
　　私が、愛していると………」

　ここは、滅茶苦茶恥ずかしいですけど、はっきり愛しているって告白しておきますよ（ちくせいイケメンめ）。
　だって、ヤンデレモードイン魔王様バージョンになったら、私がとても大変ですから……（泣）。

　「アラン様が、私を愛しているって
　　言うのは信じていますよ

　　私は、一夫一婦制度の日本から
　　召喚されたんですよ

　　愛する人は、ひとりなんです

　　もちろん、愛してくれる人も
　　ひとりなんです

　　アラン様だけが好きなんです
　　他の人はいりません
　　どうでも良いんです」

　あっ……成功したようね。
　アラン様の表情と雰囲気が、何時もの甘ったるい蕩けた感じに戻ったもの。

　「はぁ～こんなに可愛い静香を置いて
　　仕事に戻るなんて辛い…辛すぎます

　　いっそ連れて行った方が………
　　いや、あれらの目に触れるのは嫌だし………
　　ここは………」

　あっアラン様が、自分の思考に入ってしまったわ（驚）。
　初めてかなぁ～…アラン様の無防備な姿って………。

　萌えるわぁ～…このスチルも、がっつり記憶しておきましょう。
　いずれは、魔石か水晶に入れてコレクションに………。

　でも、この後は、ひとりでこの部屋でアラン様の帰りを待つのね。
　その間に、フレデリカさんに、生活魔法でも教えてもらおうかな？

　アレやコレやで、べたべたになった身体を綺麗にする、クリーンとかフレッシュとかを覚えたいわね。
　なにかとアラン様に、愛撫されたり、悪戯されたり、お仕置きされたりしている私には必需品だわ。

　くぅぅ～………必要とする内容が、もう清らかな乙女じゃなくなっているよぉぉぉ～…切ないわ（号泣）。

　この時、私は、油断していました。
　アラン様は、私を帝都騎士団本部に連れて行くか？ここに自分の宮においておくか？で悩んでいたみたいなんですよ。

　そして、のほほんとしていた私に、人でなしにも睡眠の魔法を掛けてくれたんです（号泣）。
　私なりに、この後の予定があったっていうのにぃ～………（ちくせう）。
　ここまでで、私の記憶は終わりです。