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召喚されちゃいました
138★やはり、ここは定番のチューで‥‥‥
しおりを挟む「私のお願いを、ランドール様は
何でも叶えてくれるって
約束してたでしょう
だから、ほら、何時ものように
私を抱き上げて下さい
愛してます、ランドール様
くすくす‥‥‥お姫様のキスで
皇子様は元の姿に戻るのは
物語りのお約束ですよ
だから‥ちゅっ‥しちゃいます‥」
私が、アラン様の鼻先に抱きついたまま、ちゅっと軽くキスすると‥‥‥。
辺りにまばゆい光りが‥‥‥それが消えると、帝都騎士団団長の騎士服とマント姿のアラン様が居ました。
無事、フルトランス状態から、人間の姿にもどりました。
そして、相変わらず、私は、アラン様に抱きこまれています。
「紫音、愛しています
私の番、貴女のお蔭で、私達は
本来の姿を取り戻しました
フルトランスした状態の魔力量は
桁違いに増えました
でも、この姿に戻ったら
魔力量も元に戻りました
不思議ですね」
「フルトランス状態の体力と
人間の状態の体力が
桁違いに違うからでしょう
身体に見合った魔力量の上限が
あるんだと思いますよ
人間の姿で上限以上の力‥えっと‥
魔力を使わないようにする為だと
思います
違っていたら、ごめんなさい」
こんな会話をしている間も、騎士様達や魔法使い様たちの呻き声が聞こえてきます。
それも、段々と声が小さく‥‥‥。
まっ‥不味いでしょう‥‥私は、アラン様をペシペシと叩きます。
それに、アラン様は、首を傾げます。
「紫音、どうかしたんですか?」
「騎士様達と魔法使い様達の呻く声が
小さくなっています
早く治療なりをして助けてあげないと‥‥‥」
私の言葉に、やっとアラン様は、私を抱き込んだまま訓練場に振り返りました。
そこかしこに、ハーフトランス状態の‥‥‥要するに、角と羽と尻尾を出した、騎士様達と魔法使い様達が呻きながらコロコロとそこここに転がっています。
きっと、初めてのハーフトランスの為に、体中の細胞が痛みを訴えているんだと思います。
何事も、中途半端はいけないですね。
そこで、私は、治癒魔法をかけるコトに‥‥‥。
いけないいけない‥‥アラン様の‥許可無しで魔法を使わないって約束していました。
ここは、アラン様に、治癒魔法を使っても良いか?と聞いておかないと‥‥‥我が身大事にです。
「ランドール様、可哀想なので
治癒魔法をかけても良いですか?」
「紫音は、優しいですね
でも、私以外の人間に
そんなに優しくしないで下さい
私は、嫉妬深い男なので
彼らに紫音の魔力が纏わり付き
その身体を癒す為に
彼らの身体に紫音の魔力が
同化するのも腹立たしいんです
ですから、紫音が魔法を使う必要は
ありませんよ‥‥‥ヒール」
アラン様は、にっこり笑うとヤンデレ気質を、堂々と宣言してくれます。
それでも、治癒魔法を掛けているんですから、優しい人だと思います。
でも、私が、彼らの様子を見ようとすると、口付けで邪魔するのはやめて欲しいんですけどぉ~‥‥‥。
「紫音、私が、彼らと違って
痛みが無いのは何故だと思いますか?」
「フルトランスだからです
体中の細胞全てを、人間形から
ドラゴンへと変化させて
また、全身の細胞を人間に戻したから
ランドール様は、痛みが無いんです
ついでに、フルトランスしたら
古傷も綺麗に治っている筈です
どうですか?」
「そう言われれば
身体をひねったりする時に
偶にあった違和感が消えていますね」
「フルトランスするときに
細胞が爆発的変化を起こします
その時のエネルギーで
傷が癒されるというか
忘れ去られるんです
だから、綺麗に治ります」
「私が、治癒魔法を掛けたのに
彼らが痛がっているのは
どうしてですか?」
「人間の細胞とドラゴンの細胞の‥‥‥
繋ぎ目?‥‥‥が、たぶん
せめぎあっているのかもしれませんね
あとは、精神的な問題です
というコトで、みなさん
その姿を止めませんか?」
応援ありがとうございます!
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