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召喚されちゃいました

135★私の評価がおかしいんですけど

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 思わず首を傾げる私は、アラン様に聞いてしまいます。

 「ランドール様
  騎士様達は目が悪いんですか?」

 私の問い掛けに、ちょっと黒くなりかけていたアラン様は、とても楽しそうに笑います(謎)。

 「くっくく‥あれは‥騎士達の本音ですよ
  この世界の女性は、みな我がままですから‥‥

  騎士見習い時代に
  色々とアレな経験をするんですよ

  私達は‥‥‥私みたいな皇族や
  高位貴族出身の騎士は
  そんな女性を嫌悪します

  でも、卵を産めるのは、同じ階級か
  ソレより上の階級の令嬢なんです

  魔力量の都合で‥‥‥ですから
  可愛らしい性格をしている
  異世界の花嫁は好まれるんですよ

  召喚した花嫁は、我がままと言っても
  男女が同数の世界で育っている分ね

  その我がままは、可愛いと思える範囲に
  収まりますからね」

 アラン様の説明に、私は首を傾げてしまう。
 確か、この世界は女性が男性より、かなり少ないって聞きましたけどぉ?

 「それって‥なんか‥想像が全然
  追いつかないですけどぉ~‥」

 私は、考え事をするとき、ついアラン様の胸に、頭を擦り付けてぐりぐりしてしまいます。
 これは、何かと抱きしめられている為に、後天的についてしまったクセのようです。
 アラン様が、嫌がらないのでそのままです。

 私を四六時中抱き込むアラン様が悪いんですから、治すつもりはありませんよ。
 でも、私がぐりぐりしてもアラン様は、笑っています。
 そのまま、にっこり笑って説明してくれます。
 その途中に私に口付けるのは、もう習慣ですね。

 「そうですね
  紫音には、考えられないでしょうね

  紫音のおねだりは、今すぐ手配しますね
  届くのは明日以降になります

  その中から、紫音に相応しい物を
  選びましょう

  気に入った物が無かったら
  職人に作らせますからね」

 えっ?特注品ですか‥‥‥それも、オーダーメイドの一点もの(マジ)。
 ドレスのように、身体にピッタリ合わせる物じゃないんですよ。
 私が、子供サイズなら、その辺の家具店に置いてある机とイスで十分なんですけど‥‥‥。
 アラン様、私は、一般小市民のモブです。
 そんな贅沢したくありません‥‥‥デブスには、似合いませんよ。

 「えっ? いや‥ランドール様‥
  子供用のその辺で売っている
  出来合いの物で十分です‥

  勉強するときや、メモを取る時に
  使う物ですから‥‥‥」

 私の発言に、アラン様は、溜息を吐き出します。 
 
 「紫音、貴女は、私の婚約者です

  皇族が、その辺の出来合いの物を
  使うなんてありえません

  紫音の身体に合った物を使うのは
  当然なんですよ

  紫音は、極上の物に囲まれて
  生活するんです

  職人達は、最上級の物を皇族に
  使ってもらう為に作るんですよ

  それを使うのは皇族の義務です
  自覚して下さい

  貴女は、養女とはいえ
  現皇帝の唯一の姫(皇女)です

  そして、私の婚約者です
  判りましたね」

 私に、アラン様は、噛んで含めるように丁寧に説明してくれます。
 はぁ~そうですか‥‥‥私の立場のせいなんですね。
 判りました‥‥‥ここは、引きます。

 「あっはい」

 「今日は、紫音用のペンを用意していません

  ここにあるペンは、私専用なので
  紫音には大き過ぎます

  可愛いこの手に
  変なクセがついたら大変ですからね

  宮に帰ったら職人を呼んで作らせますから
  ちょっと待ってください

  ああそうだ
  ついでに家具職人も呼びましょう

  紫音専用の家具は、必要ですからね

  可愛い紫音を膝に乗せて抱きしめていたい為に
  家具を用意しなかった私を許してください」









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