召喚されたのに、スルーされた私

召喚されちゃいました

１２４★ヤンデレの稜線の綱引き？

　私に対してのアラン様の気持ちと執着に、くすぐったいと思いつつ、変えようの無い事実を言う。
　ヤンデレ化は止められなくても、監禁や軟禁コースは回避したいもん‥‥‥頑張れ、私。

　「アラン様
　　私は《召喚》された時

　　あの皇子様達に
　　完全にスルーされましたよ
　　６人も居たのに‥‥‥

　　私を愛する、物好きは
　　アラン様だけだと思います

　　そういう嫉妬をするのは
　　私の方だと思いますけど

　　アラン様に色々と教えたヒトとか‥
　　今まで‥関係のあったヒトとかね‥

　　私が、アラン様だけなのは
　　知っていますよね？」

　うるうるの瞳でそう言う私に、アラン様は壊れ物を抱き込むかのように抱き締めてくれます。
　なんかすっごく嬉しいです。
　これでヤンデレ発言と、いたたまれなくなるほどの愛の告白が、ちょっとだけになれば‥‥‥って思います。

　「静香の初めては、私のものですよ
　　口付けも、それ以上も‥‥‥

　　静香の裸を見た男は
　　父親以外では私だけだと‥‥‥

　　それでも、安心できないんですよ
　　貴女を狙う男が多いのでね」

　はぁ～アラン様ってば、通常運転な発言ですねぇ‥‥‥困ります。
　って‥‥‥あれれぇ～‥‥‥フレデリカさんがいない。
　これって、私の対処が失敗すると、また、あの辛いお仕置き一直線ですよねぇ‥‥‥頑張れ私、負けるな、流されるな。

　デブスな私を好きになる物好きは、アラン様だけです。
　他のヒトが、私を好きになるなんてありえません。
　そんなヒトがいたら、彼氏いない歴＝年齢になんてなりませんよ。

　「はぁ～‥‥‥何を言っているんですか？」

　「静香、神殿で貴女の後ろに
　　神官達や魔法使い達

　　それに、騎士達や貴族の子弟達が
　　いたのを覚えていますか？」

　アラン様は、可哀想な子を見るような視線を私に向けてから、大きく息を吐き出して言います。
　でも、あの神殿でのコトを思い出しても、私は、不愉快になるだけで、良い印象なんてありません。
　まして、モテた覚えなんて全然ありませんから‥‥‥。
　それは、はっきり言います。

　「そう言えばいましたね
　　でも、神殿での用事が終わって

　　たんに外に出る為に、私の後を
　　歩いていたんだと思いますけど

　　私も、皇子様達や彼女達
　　それに、騎士様達の後を
　　歩いていましたから‥‥‥」

　その時の状況を、無感動に思い返しても、そういうモノを感じたのは、アラン様だけですよ。
　あの時、私のこころが救われたのは確かです。

　「それは、違いますよ

　　私達の周りにいた者達は
　　静香の魔力と自立心の強い
　　こころと魂に引かれていたんです

　　そう、静香、貴女が
　　欲しくてたまらない男達が

　　貴女の後ろを付いて
　　歩いていたんですよ
　　少しで良いから自覚して下さい

　　それを私が、搔っ攫ったんですよ

　　私は、静香を地位と権力で
　　手に入れたんですよ

　　まぁどちらにしろ
　　異世界召喚された花嫁は
　　皇子に嫁ぐと決まっていましたから‥‥

　　静香は、私の花嫁ですよ
　　誰にも見せたくない‥
　　私の魂の番です

　　私と一緒でなければ
　　何処へも行かせませんよ
　　覚悟して下さい」

　はわわわ‥‥またも‥ヤンデレの香りぷんぷんな発言（怖）。
　でも、まだ、完全な監禁コースじゃないわね。
　アラン様と一緒なら、何処にだって行けるもの‥たぶん‥きっと‥そうですよね、アラン様。

　ここは、ちょっと、聞いてみましょう‥この部屋で監禁コースは‥ありうるのか？って‥‥‥。
　アラン様、私は、悪役令嬢でもヒロインでも無い、ただのモブなんですよ。
　乙女ゲームって、友達から話しを聞いて、スチルを見せてもらうだけだったから、良くわからないんです。
　でも、アラン様は、攻略対象に相応しい美形っぷりとヤンデレっぷりが、ご馳走様な感じがします。