129 / 378
召喚されちゃいました
116★甘いのは私に対してだけ‥‥‥
しおりを挟む私の削られまくった気持ちを他所に、アラン様が説明してくれる。
「重装備の鎧を纏った騎士を
背中に背負った状態で
片手に1人づつの計3人を運んで
馬を待たせている場所に戻ることも
何度も経験していますよ
静香なんて、羽の様に軽いんですよ
私とさほど変わらない騎士を3人
そこに、鎧の重さを
足してみてください
更に、槍や剣、下手をしたら
楯の装備も付くんですよ
どれだけ重いと思いますか?
それも、むさくるしい男をですよ
怪我をしていると思うから
我慢がきくだけで、本音を言えば
こんなモン運ぶなんて
御免被る(ごめんこうむる)って
思っていますから‥‥‥
それを考えたら、愛しい静香を
抱き上げて歩くなんて幸せですね」
説明を始めたアラン様の表情は、漆黒の怒りのオーラがくっきりと見えました。
アラン様に対する愛が溢れている私でも、正直に言うなら怖いって表情でした。
本当に、アラン様は、重装備をまとう騎士達を運ぶのは、嫌なんですね。
アラン様ってば、帝都騎士団の団長としての義務と責任だけで、負傷した騎士達を運んでいるコトが、よぉ~くわかりました。
そして、男にとことん冷たい、雄だってわかりました。
こんな話しを、騎士様達が聞いたら‥‥‥なんて思ってから、私を膝に乗せた時点で、アラン様が詠唱破棄で遮音壁を張っていたコトを、思い出しました。
そうですね‥‥‥私を静香と呼んでいるんですもの。
遮音壁を張っているって、気が付かない私が抜けているんです。
でも、今回の会話で、アラン様が甘いのは私に対してだけだって、はっきりわかりました。
これだけでも収穫です。
アラン様と一緒に、魔物討伐に行きたいし、何時でも出来るだけ一緒に痛いと思いますから‥‥‥。
だって、この世界は、魔物も魔族なんて、怖い存在が居ます。
何時、何があってもおかしくない世界だもの。
アラン様が、居ない世界で生きていたくないって、心の底から思いましたよ‥‥‥ええ本当に。
だから、アラン様の条件を飲みます。
「アラン様、私は、アラン様と
魔物討伐に行きたいので
私を、いっぱい抱き上げて
歩いて欲しいです」
私は、恥ずかしさで全身を真っ赤に染めながら、はっきりと言いました。
頑張った私、何か(愛)を選んで、何か(恥)を捨てた‥‥‥。
そんな私に、今回は白く輝くアラン様は、それはそれは嬉しそうな笑顔で答えてくれました。
「ありがとう静香
やっと、私の愛を
信じてくれたんですね
何時でも、どこかに行くときも
一緒にいましょうね
愛しています
私のただひとりの妃よ」
そう言われて、べろチューされて、朦朧としているか?気絶している間に、帝都騎士団の広大な訓練場に、アラン様によって運ばれていました(イケメン、ちくせう)。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5,599
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる