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召喚されちゃいました
098★ほんとぉーに広いですねぇ
しおりを挟むじゃなくって、くらぁ~くなる思考をもどさなくっちゃ………。
国民の為に魔物を討伐するのが、皇族や貴族の嗜みなのに、それをしない皇子達って………この帝国の皇子達としては異質だわ。
母親や側近達が、魔物討伐を皇子達に、危険なコトをさせたくないから、進めなかったってコトになるもの。
それを考えたら、皇子達の母親は、常識の違う他国の出身と考えたほうが良いよね。
しばらくし沈黙していた紫音は、ふと顔あげてアランの整った顔を堪能しながら言う。
「ランドール様
王侯貴族の嗜み(魔物討伐の義務)は
ベルトラン王国とツェラード皇国
それに、周辺諸国でも
共通の認識なんですか?」
私の突っ込みに、アラン様は苦笑しながら答えてくれた。
「いいえ、我が帝国…
独特の考え方のようです……
残念なことですが」
「では、あの皇子達は
全員が他国の姫を母親として
生まれたんですね?」
「わかってしまいますか?」
「はい…子供の産まれる
確立をあげる為に……
血が遠い他国の姫を娶るのは
当然だと思いますから………
ランドール様の兄上を殺した?
又は、攫った者達を特定して
生きているならば取り戻す為に
何が何でも、子供を作ろうと
していたのでしょう?
自国の姫との間に、頑張っても
子供が出来なかったから
他国の姫を娶ったという
表向きの理由の他に
失っても貴族も平民も
惜しい皇子達を亡くしたと
思われない存在が
欲しかったんでしょうね
ランドール様の兄上を取り戻す為に
有能な騎士達を失いたくないから
そこまで頑張って守らなくても良い
皇子達が欲しかったんでしょうね
ちょっと…あの皇子達が不憫かも………」
「紫音は、本当に賢いですね
でも、あれらを哀れに思う必要は
ありませんよ
私と同じ教育を受けたのに
母親やその側近達の甘い囁きに
従ったのは、あれらですから………」
「ランドール様の兄上を取り戻したら
皇子達の扱いは変わるんですか?」
「ええ、変わりますよ
異世界の花嫁を手に入れられたら
皇子としての待遇はそのままですが………」
「えっとぉ……彼女達が気に入るとは
とうてい思えないんですけどぉ………」
「ええ、私も花嫁を得ることは
無いと思っています」
「その場合はどうなるんですか?」
「あれらは、下位貴族の令嬢でも
美しい容姿を持っていれば
相手をしています
今までにかなりの数の卵を
産ませています
ただ、まだ、子供は得ていませんがね」
「では、下位貴族の令嬢でも
子供が生まれたなら
婿入りする可能性があるという
コトですか?」
「ええそうです
出来れば、下位の新興貴族のもとに
婿入するというコトが理想なのですよ」
「ああ…下位のそれも新興貴族に……
他国の血が入った皇子を与え
魔力の底上げと、新しい皇族の血を
作り出すというコトですね
それで、上手く行けば
子供が出来辛い高位貴族との間に
子供が出来る………かもしれない
皇子達と交わった血が
新たな血統になれる
かもしれない………ですよね」
「その通りです
その為に、父上は魔力抑制薬を
飲んでまで、交わって
作ったのですから………」
私とランドール様が、身も蓋も無い会話をしている間に、今日の会議の行われる場所に着いたらしい。
つーか、やっとですよ………どれだけ広いのよ。
思考遊泳に、与太話ししてやっと着きましたよ。
なんか、コレで精神が思いっきり疲弊した気がします………ええ、本当に疲れちゃいました。
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