召喚されたのに、スルーされた私

召喚されちゃいました

095★義務と責任て大事ですよね

　苦笑しながら、答えるアラン様に私はクラクラしました。
　だって、とぉっても大人の色気が………。
　じゃなくって、ほんとぉーに、この帝国ってば、皇族（皇帝）に子供が生まれないって、ヤバイ状態になっていたんですね。

　それも、異世界からの花嫁の遺伝子が薄れる度に、再度召喚しなきゃいけない程に、袋小路に入っていたってコトですね。
　下手すると、異世界の花嫁を手にした者が、皇太子になるほどに、切羽詰まっていたのかも知れないわね。

　「えぇ～とぉ…あの皇子達って
　　皇太子になる可能性……
　　あったんですか？」

　「異世界よりの花嫁を娶り
　　優秀な子供を持てたのなら
　　能性があったという程度ですね」

　アラン様ってば、あの皇子達に冷たいわ。
　私の質問に答える内容も、口調も表情もとぉ～っても冷たいわ。
　あの皇子達ってば、本当に張りぼてだったのね。
　思っていたよりも、評価が低いわ。

　あんな者達に、私はスルーされて幸運だったんだわ。
　彼女達の不運が、私には幸運になったわね。
　ここは、彼女達の為にも、良い旦那様が見付かるように、根回し？婚活？を手伝ってあげましょう。
　私と何時でも会える立場になってもらわないと、私が退屈してしまうもの。

　「あの皇子様達の皇位継承権って
　　かなり低いんですか？」

　「ええ、低いですね
　　私の異母兄達や叔父達

　　それに、従兄弟達の下に
　　なっていましたので………」

　アラン様ってば、騎士達が居ても気にしないで、本当のコトを言っていますね。
　つい私は、側に居る騎士達を見てしまうが………彼らは相変わらず無表情だった。

　その様子を見て、アラン様が詠唱破棄で遮音壁を張っているかもしれないと思いなおした。
　マジで使えない皇子達なんですね？
　原因は、アレですか？

　「それって…もしかしなくても
　　魔物討伐に行かないコトが
　　原因ですか？」

　「ええ、その通りですよ
　　この帝国と民を守るコトが
　　皇族である我々の役割なんです

　　それをしていな者に
　　臣民は付いていきませんから………」

　ああまた、アラン様が苦笑している。
　でも、その声に微かに怒りが入っているように思ったのは、勘違いでしょうか？
　この帝国って、皇族や貴族は、魔物討伐をやって、その成果を出すコトで、国民に認められるって………。

　通常のラノベや私達の世界の貴族達と、かなぁ～り違う存在ですね。
　もっとも、天皇陛下もお正月の《儀式》でちょっとうろ覚えですが………。

　『すべての災いよ我が身を通れ
　　すべての病よ我が身を通れ………』

　って、日本に起きる災害や病気などの災いを１度、陛下の身を通して、国民にその災いが行かないようにって、祈っていますけどね。
　最高神である天照大神様を筆頭とする八百万の神々に、天皇陛下は祈りを捧げるっていうか………。

　この祈り言葉で言うと、全国民の生贄って感じなんですけどね………。
　日本って、現存する最古の古代国家って言われているんで………。
　祭司が納めるって言う意味では、卑弥呼の頃から変わっていないかも？
　なんて思ってしまうわ。

　ちなみに、日本は最古の現存する王家ようするに皇家を要しているので、世界中の国家が集まった場合は、一番の上座に座るんだよねぇ～。
　二番目に古いのは、デンマーク王国で、三番目がイギリス王国。

　大抵の国の歴史って、王家を失ったら、国家しての時も失うのよね。
　ヨーロッパを席巻したハプスブルグ王家を擁していたオーストラリアは、戦争（ＷＷＲ１）の敗戦責任を取って、皇帝が退位して終わってしまったっけ………。

　その後、オーストラリアハンガリー二重帝国は、民主主義国家？共和国？のただのオーストラリアとなったので、歴史ある国とは言えなくなったのよね。
　ドイツも戦争（ＷＷＲ１）の敗戦責任を取って皇帝が退位して、王家が終わったので、その国の歴史が終わり、新しい国ドイツとしての歴史が始まったのよねぇ～。

　これでいくと、隣りの紅い国（中華人民共和国＝中国、国名が中国地方と紛らわしいので、国旗の紅を取り、紅い国って書きます。赤は社会主義や共産主義を表す言葉でもあります。赤狩りは、共産主義者や社会主義者を逮捕する行為を言います）は、ＷＷＲ２（第二次世界大戦って書くのが面倒なのでこう書いてます）以降に成立した国なので、７０年ほどの歴史しか無いって言っも良いんだよねぇ～………。