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127★現れたのはサンダータイガーでした

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 サンダータイガー(雷虎)は、フェンリルと同じように、神獣と呼ばれる存在でした。

 私が呆然としているとサンダータイガーは、お腹の底からビリビリと振動を感じるほどの咆哮をしました。
 それを聞いた瞬間、私はサンダータイガーを綺麗さっぱり諦めようと思いました。

 だって、本気で怖かったから………。
 私にサンダータイガーなんて、何かの間違いです。
 もしかしたら、このまま帰ってくれるかもって思って見ていたら………。

 再度、大きな咆哮がありました。
 これは、まずいかな?って思い私はサンダータイガーに視線を向けました。
 すると、サンダータイガーと視線が結ばれました。
 
 『マスター…
  私は…サンダータイガーの…
  ライトです』

 私の脳裏に流れてくるサンダータイガーである、ライトの言葉。
 その中には、ちゃんと真名が入っています。
 彼は私と契約しても良いと思っているようです。

 だから、私は、どきどきしながら思念を彼に送ります。
 
 『ライト
  私と契約しても
  後悔しませんか?』

 『どうして後悔しなきゃ
  いけないの?

  マスターの魔力は
  とっても美味しいのに?』

 私の質問に、ライトは淡々と答えてくれます。
 召喚されて会ったばかりなのに?
 そんなに簡単に人生?決めても良いのでしょうか?

 そう思った私は、ちょっと引き気味に言います。
 だって、契約しなければ良かったって、後でライトにごねられたら……。
 想像するだけで…怖いです。

 本音でいうと、あっちでユキヒョウとかトラとか大型の猫科の猛獣を飼ってみたいと思っていたので………。
 ライトは、サンダータイガーでなかったら理想なんですけどね………。

 『ライトが後悔しないなら
  契約しましょう』

 『うん…契約しよう…マスター
  オレに…新しい名前をください』
 
 にこにこ笑っている雰囲気が、ライトから伝わってきます。
 でも、既に契約に必要な真名は教えてもらっているんですけどぉ~……。
 それなのに…新しい真名を欲しいって………。

 ライトって、バカですか? 
 神獣でも聖獣でも幻獣でも、名付けされたら絶対服従させられるんですよ。
 それを自分から望むなんて、変態ですか?Mですか?って突っ込みたいけど………。

 怖いから、言わないというか言えない私です。
 ああぁぁ~ハルト君達の視線が痛い。
 でも、召喚魔法の途中で声をかけるのは禁止なんです。

 それは、召喚魔法を行使した者の意識が、それて隙が出来たせいで、召喚されたコトに怒っている獣に攻撃される危険があるからです。
 でも、ライトとの契約が終わったら、色々と怒られるコトは確実だなぁ~って思います。

 いけない……意識が…散逸してしまいました。
 今は、ライトとの会話に意識を集中しなくては………。
 ここは、普通の契約を目指します。

 『ライトって
  貴方の真名でしょう?』

 『オレは、マスターを気に入った
  だから、マスターがつけてくれる
  真名が欲しいんだ』













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