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105★お風呂は魔石を使っていたようです

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 お風呂から上がった私は、ハルト君達に言いました。

 「あのね、ラノベで最近出て来たコピー魔法を試してみたいの。特にお醤油とかね」

 私の言葉にハルト君達はコクコクと頷く。

 「コピー魔法ね。確かにあったら便利だ」

 その様子に、ほっとした私は言う。

 「さっそく試してみたいの」

 私の急いでいる様子に、首をかしげてジーク君が聞く。

 「何か理由でも?」

 「神官様へのお礼と神様へのお礼に、お酒を捧げたいの」

 私は素直にその理由を口にする。

 「ああそれね。確かにふさわしいよね」

 なるほどという顔で、頷く彼らに私は質問する。
 だって、魔法って使ったコトが無いんですもの。
 ここは、実際に使っているジーク君達に聞いてみよう。

 「ねぇ~魔法ってどうやるの?」

 私の質問にジーク君はさらりと答える。

 「ラノベの通り、イメージと思いだよ」

 う~んラノベ定番の答えですわ。
 もっと具体的に教えて欲しいんです。

 「イメージと思い?」

 ハルト君が、首を傾げながら答えてくれました。

 「何が何でも、成功させたいっていう意思力と結果のイメージかな?」

 「結果?」

 鸚鵡返しに聞き返す私に、再度、ハルト君は丁寧に答えてくれました。

 「お風呂に、アリアと一緒に入りたいから、暖かな丁度良い温度のお湯が欲しいって想って、あのお湯は張ってあるんだよ」

 私の為に、魔法を使っていたって言われて………。
 私は熟れたトマトのように赤くなってしますます。

 「えっ? あれって、お湯を魔法で出していたの?」

 私の質問に、ハルト君以外も答えてくれました。

 「うん、そうだよ
  だって、あの水道もどきに付いている青い魔石………

  えっとぉ…あっちの現代風に言うと
  水の魔力を内在している中の魔力が
  無くなるまで水を出す魔力が終わったら
  魔法使いが充電ならぬ充魔力をする
  電池みたいなモノかな

  それに魔力を通して水を出して
  それを赤い魔石

  こっちは、火の魔力を内在している
  中の魔力がなくなるまで浴槽の水を温める
  設定してしてある

  いちいち、魔力を通して暖めるなんて
  まどろっこしいだろ?

  それに、使ったお湯は、別の青い魔石で
  常時浄化しているからね
  その後に、水路に流すんだ
  だから、こっちには
  上水道も下水道も存在しないらしいよ」

 蛇口らしきモノの上に付いていた青い石は、ラノベ定番の水の魔石だったんですね。
 5階建てなのに、水のタンクが無かったのは、水の魔石を使って水を出すからなんですねぇ~………。
 こっちでは、上水道と下水道のインフラは、魔法で済ませてしまうってコトですよね。

 いちいちインフラの整備を必要としない点は良いと思うけど………。
 魔力を持たない人間が増えたらどうなるのかな?
 なんてコトを考えてしまう私は小心者。








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