異世界召喚に巻き込まれました

085★衝撃の事実です

　「女性が、家を継ぎ当主を相続するというコトは、無いんですか？」

　「領地経営や執務を取り、当主をしながら、妊娠し出産するのは女性に多大な負担になりますので………。家を継ぎ当主になるのは男子のみです」

　「あのぉ～女子しか生まれなかったらどうなりますか？」

　「爵位と魔力量によりますが、まず、婚姻していない王子が婿になります」

　「爵位も魔力量も王子に釣り合わなかったら？」

　「母親の実家から、婿をとります」

　「なぜ、母親の実家と断定するんですか？］
　
　「貴族同士の婚姻は、政略結婚です。その場合は、お互いの家の娘を嫁がせ合います。ですから、一番、血が近いので、婿にしやすいのです」

　「「「「「「「「…………」」」」」」」」

　「ただし。女子が生まれなかった場合は、養女を取る必要があります。貴族同士の婚姻は、政略結婚が基本です。その場合は、お互いの娘を交換するものなので………。娘が生まれなかった場合は、他家から養女を取り、息子を全員の嫁とします。ざっくり言うとこんな感じですね」

　「説明をしなかった部分が、有りますよね？」

　「夫がある程度いないと、妻を守れませんから」

　「それって、どういうコトですか？」

　「女性は貴重な存在なので、攫って売るとか、自分達の嫁にする為に攫うというコトが起きる為です」

　「貴族以外は、全て一妻多夫なんですか？」

　「奴隷を買える者達は、一婦一夫ですよ」

　「奴隷って、そんなに存在しているんですか？」

　「借金で身を売った者や口減らしで売られた者、年貢を払えずに身を売った者、犯罪を犯して奴隷に落とされた者、たまに戦争で捕虜になった者が奴隷として売られます。これらは全て男です。女性は、売られてもすぐに妻として買われますので………」

　「扱いは、奴隷なのでは？」

　「妻とする以外、女性を買うコトは出来ません。それは、何処の国でも、法律によって定められております」

　えっとぉ………奴隷だけど妻なの？
　マジで、そんなに女性が居無いんだ。
　ってことは、自由は無いってこと？

　「では、女性は生涯、外に出ない生活をするんですか？」

　「いいえ、女性は、農民の階級でも教育を受けます。７才になると親元を離れて学校の寄宿舎に入り、一般常識と簡単な魔法、怪我や火傷や風邪などに対処する薬草などの医療知識を学びます。才能があれば治癒魔法も習います。学校での成績、この場合は魔力量と属性によって、結婚できる相手の階級が決まります。ただ、騎士などの一代貴族でも、貴族と婚姻しますし、貴族は貴族または王族と婚姻するという慣例があります。学校に通うのは才能があっても１８才までです。女性は、子供を生み出すという大切な役割を果たす為に………」

　「子供を産めない、不妊症の女性はいるんですか？」

　「子供をひとりも産めない女性はいません。今までの記録によりますと、多少身体が弱い女性でも、３人は産んでいます。これは、女性と子供の守護を司る母神イシュターリア様の加護のおかげです」

　へぇ～…産めない人が居無いって凄い。
　不妊症ってモンが存在しないんだ。
　少子化の現代から来た私達にとっては、身体が弱くて、３人ってすごくない？
　だったら、健常な女性は？

　「通常は、何人産むんですか？」

　「夫２人に対して、子供３人から４人ですね」

　「この国の平均寿命は？」

　「魔力量によって変わりますので、平均寿命という言葉は存在しません」

　「だったら、俺達と同じぐらい生きるのは？」

　「伯爵以上の貴族ですね。概算で３００才～５００才です」

　「勇者召喚って、何年に１度なんですか？」

　「１０００年～１５００年に１度ぐらいですね」